2月15日(火)


(3)織物の村、バーン・ファノム(Ban Phanom)


織り布の市場



中には、売り子さんたちが一杯


でも、ナイト・マーケットもそうだけれど、これだけ
並んで、待ち構えられていると、ちょっと見たいと思っても
うっかり手に取ることも出来ない雰囲気だ。


蚕と生糸

蚕は、家蚕と野蚕の二つに分けられるとのこと。
家蚕は、蚕が屋内で作るという養殖の蚕なのに対して、
野蚕は、自然の中で生息して繭を作る蚕とのこと。
これが、多分聞いていたその野蚕シルクということなのだろう。


綿花




機織り中の娘さん







去年1月一緒にチェンマイに行ったNさんが、
私の旅の前に写真つきで、
彼女オリジナルのルアンパバーンの旅アルバムを送ってくれていた。
それには、彼女がここで、どんな風に掘り出しものを
見つけたかなどを具体的に書いてくれていた。
そして、彼女の輝かしい掘り出しモノ数点の写真も・・・。


とは、言っても、彼女は、言葉にも不自由しないし、
元々仕事としても慣れている。
私が、同じようにしようとしても・・・無理だとは、思っていた。

そして、実際、静かな村の中を娘と歩いてみながら、
やっぱり、私には、無理だと思った。
機織機がある家々を覗きながら近いところを
一回りしてみてから、帰ることにする。


帰り際。主人は、市場のすぐそばに、
こんな看板を見つける。「エレファント・キャンプ」!!


このままドライバーさんに行ってもらおう、と言い出す主人。
でも、「ルアンパバーン」で、「象を見る」ということ、
全く考えていなかったので、
下調べというもの自体をしていない。情報不足もいいところ。
どんなところかわからないのに、こんな時間から行っても・・・
止めておこうよ、という私。

結局、その代わり、チェンマイで、「エレファントパーク」に行くことを
約束することになる。
これで、チェンマイでのいくつかの予定の一つが決まる。
別の候補の一つのモン族の村行きは、無いかも。
でも、もともと、充分時間があれば、行きたかったのは、
山奥の村の方。町の近くの観光の村は、ま、いいか。
(ただ、ルアンパバーンでの象との出会いももしかして、素朴な
趣があったのかもしれないし・・・正直、ちょっと、心も残している)



ホテルに戻って一休み。
今日こそ、たっぷりマーケット散策の予定だ。



ナイト・マーケット



ナイト・マーケットは、メインストリートを
往復に分けて、開かれる。


これは、プーシー寺院の入り口の階段から撮ったもの

↑この画像をクリック




まだ、この時間では、ナイト・マーケットは、序の口。
これから、夜が更けて行くにつれて、
どんどん賑わっていくことになる。


出来るなら、「古くて」「いい」「掘り出しモノ」に会いたいと
思ってはいたけれど、それは、難しそうだ、と思いはじめていた。

そして、もうひとつの期待は、
自分の手作りの材料としてそれなりにいいものをみつける、
ということ。でも、果たして、それも・・・見つけられるのだろうか?

これだけ、大量にあそこにもここにも似たものが並んでいると、
何だか、見るだけで、いきなりお腹が一杯になってしまっている
自分もいる。





ここでは、マーケットの売り子さんたちは、
立ち上がって売りに来たり、大声を張り上げて勧めたりはしない。
座ったままで、声をかけてくる。

中には、友達同士のおしゃべりに夢中で、
笑い転げている女の子たちもいる。
ご飯を食べていたり、赤ちゃんにおっぱいをあげていたり、寝ている人さえいる。
前を通り過ぎるだけで、品物を広げる人もいるけれど、それも
不愉快なほどの押しの強さではない。

のんびりしているその感じが、よかったりもする。

でも、ひとたび私たちが、関心を示したり、商品を手にとると、
やはり皆、俄然熱心になる。次々と布を広げてくれて、止まらない。
そうなると、大変だ。
そして、買わないと、とても悲しそうな顔になる。
それが、切なくて、何度品定めの手をとめたことだろう。


もっとも、その反対の場合には、思いもかけず
何とも言えないいい笑顔に出会えて、
すっかり嬉しくなったりもするのだけれど。


Tシャツを買う娘(主人のビデオから)



*日本に帰ってから、彼女が着たタンクトップを
見て、びっくりする。この時、娘が買ったものだそうだ。



「あ、いいねぇ! いいなぁー。着れないけどお母さんにちょうだい。」
まんざら嘘でもなく言う私。もちろん断られる。
全く気にも留めていなかったので、見ることもしなかったTシャツ。

なかなかカッコイイと、今も羨ましがりながら思っている。


娘は、この買い物の後、昨日、「明日ね」と言った
男の子のところに行って、買い物をした。
同じものを買うなら、あそこで・・・。約束を守ってあげなくちゃ、と。

ルアンパバーンには、
何だかそんな気持にさせられるところがある。
これは、我家のセンチメンタルな感じ方のせいなのだろうか?
それとも、アジア人だから・・・??
西洋の人たちは、
しごくクールにドライに、でもここでの買い物交渉を
多いに楽しんでいるようだった。



ここでは、座ったままの売り子の女の子たちが、
前を通る人皆んなに、声を掛ける時の定番のフレーズがある。

そのフレーズは、どこかの〜んびりと、
独特の抑揚をつけて私たちの耳に届く。
"Mada〜m, disco〜unt O〜K. Today is lucky〜 da〜y"
文法的に正確じゃないところにも、何とも言えない生活感がある・・・。





彼女達のその"Madam, discount OK. Today is lucky day."に
外人さんが笑いながらやり返す。
"Everyday is a lucky day!!"

確かに(笑)
何しろ彼女たちは、毎日そう言っているのだもの。
娘と二人で大笑いする。


さて、あれこれ言っても
ずらりと並んだお店はやっぱり壮観だし、雰囲気は楽しい。
ルアンパバーンにいる間、私たちは、結局毎晩通っていた。
そして、値切り交渉もそれなり楽しんでいたのだった。


明日は、予定がたくさんある。
まず、早起きをして、いよいよお坊さんの托鉢を見る。
それから、メコン川観光にも行く。
心して、早寝をすることに。
相変わらず、主人の咳は続いていた。




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