《 ミギーの恋 (6) 》 ◆妖怪 二口女 -------------- : それは、何十年前か、何百年前か。今回は捜査能力の進歩のおかげで、 : 寄生獣という生物の仕業であることがわかったのだが、以前は「寄生獣」の : 仕業とはわからず、ただの連続異常殺人事件として扱われたかもしれない。 「寄生獣 3」を読み返していたら、そこにもう答えは書いてあった。 昔からいたんだわ、寄生獣らしきもの、「妖怪」が。 頭の反対側に口があってバクバク食うやつ(二口女)とか、ろくろっ首とか、 一つ目小僧とか、のっぺらぼうとか。 顔の変形に関係するのはみんな寄生獣の可能性がある。 (現実と虚構の境界が暖昧になってきた。) 昔はちょっと怪しげな噂になるくらいだったのに、今回これほど 大騒ぎになったのは、捜査能力の進歩もあるけれど、それはきっと寄生獣の 個体数が増えたからだ。 なぜ、今世代の寄生獣の個体数が多いのか? それは、餌が増えたからだ。 つまり、人間の人口爆発。餌が増えたから捕食者が増えるのは、当然の 自然の摂理だ。なんというスキのないストーリー。 論理の矛盾がどこにもないぞ。 いま、実際にどこかで進行中の物語、としても何の不思議もない。 おそるべし、ストーリーテラー岩明均。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp