6.鹿児島の島


観光で訪れる人が多くないため、ガイドブックでは鹿児島県など南九州、もしくは沖縄のオマケ程度の扱いになってしまい事前の情報収集がしにくいところです。 事前に鹿児島県庁かその島の属する市町村の観光関係の部署に問い合わせた方がいいでしょう。 この地域のガイドブックでは「るるぶ」の「るるぶ屋久種子奄美」、「チクマ秀版社」のチクマ離島シリーズ「三島」、「種子島」、「吐(口葛)(口刺)」(トカラのつもり)があります。


(1)悪石島(あくせきじま、トカラ列島)

(1998年7月訪問)
鹿児島の南300kmに位置する島。 周囲は断崖絶壁で、坂が多い。 そのため、バイクが重要な足になっている。 港のそばの浜部落と東の台地上にある上部落がある。 この島にはアダンがみられず、竹が繁茂している。 また、ハブはいないがヤブにはヒルがいる。 鹿児島県十島村に属する。 主に牛の畜産を行っている。 また、野生のヤギが見られる。 浜部落から徒歩10分ほどのところに海中温泉、内湯、砂蒸しの温泉がある。 
・海中温泉
 大きな石の海岸から湧き出た温泉を岩で囲った湯船に入れている。 源泉は50〜60度と熱いが、潮の干満を利用して適温になったころを見計らって入浴する。 利用前に島の人に時間を聞いた方がよい。
・内湯
 銭湯感覚の温泉。 鉄分が多いのか?湯は赤褐色。
・砂蒸し
 茅葺き屋根の建物の中に砂が敷いてあり、その上にゴザを敷いて横になる。 時折吹く風が気持ちいい。 付近にはブヨが多いのでなるべく肌を露出させない方がいい。 

この島の「店」は缶ジュースなどあまり品揃えがないので、必要なものは事前に用意した方がいい。 また、この島には郵便局、金融機関がないので事前に予算を計算してからお金を用意することを薦める。


(2)小宝島(こだからじま、トカラ列島)

(1998年7月訪問)
鹿児島の南345kmに位置する島。 珊瑚礁が隆起した島で、周囲は珊瑚礁で縁取られている。 そのため、島の民家は珊瑚の石垣で囲まれている。 周囲3.2kmで、歩いてまわれる一周道路がある。 この島と北隣の悪石島との間に本土と南西諸島を分ける生物学的な境界線「渡瀬線」がある。 一周道路にはアダンが見られる。 鹿児島県十島村に属する。 主に牛の畜産を行っている。 集落から歩いて数分の湯泊温泉は海に面した露天風呂。 夜は星を見ながら、昼は近くで泳いで体が冷えてから入ることができる贅沢な温泉。 日本最南端の露天風呂の温泉か? この島には郵便局、金融機関がないので事前に予算を計算してからお金を用意することを薦める。 また、「店」は一応あるが缶ジュース、缶ビールのみ販売しているので必要な食料、飲料を事前に用意することも薦める。


(3)宝島(たからじま、トカラ列島)

(1998年7月訪問)
鹿児島の南西360km、奄美大島名瀬市の北北西90kmに位置するトカラ列島最南端の島。 小宝島同様、珊瑚の島。 島の周囲には潮の流れが速いためか?大きな魚が泳いでいるのが見られる。 島の最高点は292mで、ほとんど亜熱帯の植物で覆われている。 島の南側に財宝が隠されている?といわれている鍾乳洞がある。 鹿児島県十島村に属する。 主に牛の畜産を行っている。 一応、温泉があるが沸かしである。  この島には時間は限られているが(AM6:30〜AM7:30、PM6:00〜PM8:00)まずまずの品揃えの店がある。 NTTドコモの携帯電話が使用できる。


(4)奄美大島(あまみおおしま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
鹿児島の南380kmに位置する奄美諸島最大の島。 日本の離島の中では佐渡に次ぐ面積がある。(719.5ku) 鹿児島県名瀬(なぜ)市、笠利(かさり)町、龍郷(たつごう)町、大和(やまと)村、住用(すみよう)村、宇検(うけん)村、瀬戸内町の1市3町3村で構成される人口約8万人の島。 島内のほとんどは亜熱帯性の植物が繁茂する山林で、特別天然記念物アマミノクロウサギなど稀少動物が生息している。 島の周囲はほとんど崖の険しい地形で、珊瑚が生息している。 島の中心、(奄美地方の中心)名瀬市は平地が少ないため市内の各地に4階建てのアパートの団地が多い。 団地近くの山林にはやはり亜熱帯性の植物が繁殖して、きつつきが生息している団地がある。 また、住用村には沖縄、西表島に次ぐ規模のマングローブ林がある。 主な産業は大島紬の繊維業とさとうきび、すももなどの農業、漁業。 沖縄とは一味違った島歌があり、現役女子高生の歌い手もCDを出している。 自然、文化盛りだくさんの島である。 この島は明治後にカトリックが布教され、島の各地、加計呂麻など近くの島に教会がある。 


(5)加計呂麻島(かけろまじま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
奄美大島南部と大島海峡をはさんで隣接している島。 行政上は、鹿児島県瀬戸内町。 複雑な海岸線をもち、東西に細長い形をしている。 奄美大島同様山深く、入り江に集落が点在している。 瀬戸内町の中心、古仁屋(こにや)からあまり離れていないので中心になる集落は無い。 古仁屋からフェリー、海上タクシーで結ばれている。 島の西端の実久(さねく)海岸、映画「男はつらいよ」シリーズの最後の撮影が行われた東端の徳浜海岸は珊瑚の海岸。 他にも島内各地に珊瑚の海岸があるらしい。 複雑な海岸線を利用した真珠などの養殖、稲、さとうきびの栽培が主な産業。(稲刈りは6月末?)


(6)請島(うけじま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
加計呂麻島の南2kmに位置する島。 鹿児島県瀬戸内町に属する。 周囲24kmほどだが、奄美大島、加計呂麻島同様ほとんどが山林である。 池地、請阿室の二つの集落がある。 産業は牛、山羊などの畜産が主のようだ。 また、集落ではネコをよく見る。 砂浜ではわずかに星砂が見られる。


(7)与路島(よろじま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
加計呂麻島の南西5kmに位置する島。 鹿児島県瀬戸内町に属する。 請島同様、ほとんど山林の島。 産業も、請島同様畜産が主。 与路の集落には珊瑚の石垣がよく見られる。 加計呂麻、請島でも見られるが、ここのものは奄美では有名。 近海では、テーブル珊瑚が多いため、沖縄の珊瑚の石垣と違って薄めの石で築かれている。 また、石垣の高さは沖縄のように子供の背丈くらいの高さのものから2m以上の高いものまで様々だ。 島の宿泊施設は公共事業の関係者の利用が主で観光向きではない。


(8)徳之島(とくのしま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
鹿児島の南南西470kmに位置する奄美諸島で二番目に大きな島。 鹿児島県徳之島町、伊仙町、天城町の三つの町で構成される。 島の内陸は特別天然記念物アマミノクロウサギがいるくらい山が深いところ。(標高が一番高い所で645m) さとうきび、里芋などの栽培と畜産が主な産業。 島で行われる闘牛が有名。 沖縄から北上するとこの島から本土のような大き目の体格をした人が目に付く。 クリスチャンが多いのか?時々墓地で十字架を見る。


(9)沖永良部島(おきのえらぶじま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
鹿児島の南536kmに位置する島。 鹿児島県和泊(わどまり)町、知名(ちな)町の二つの町で構成される。 さとうきび、たばこの栽培、エラブユリ、フリージアの球根栽培、花の栽培が主な産業。 島内には数多くの鍾乳洞があり、洞窟探検家の来島が多いとか。 沖縄から北上すると、この島から瓦葺きの屋根が目に付く。 また、体を洗うときにシャワーだけでなく浴槽を使うのもこの島からのようだ。 島の人の顔つきは九州っぽい人が増えてくる。 店に行くと沖縄の商品があまり見られなくなる。


(10)与論島(よろんじま、奄美諸島)

(1998年6月訪問)
鹿児島県最南端の島。 鹿児島の南590kmに位置する。 行政上は鹿児島県与論町。 珊瑚礁に囲まれて、一番高いところで100mもない平らな島。 さとうきび、里芋、花の栽培と畜産、観光が主な産業。 畑の作物、やぎの飼育、ヤモリ、アダンなどの動植物、人の顔つき、方言・・・など沖縄との共通点が多いが、本土風のトタン屋根の家、本土風のお墓、人の姓が沖縄と違っている。 また、流通経路の関係か?店に行くと本土鹿児島製の商品に沖縄の商品が少しあるといった感じである。



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