- 曇り空で、鹿俣山(かのまたやま)山頂には霧が少しかかっていた。リフト利用で山頂まで行く案は取りやめ、中腹までの散策にした。スキー場の更衣室を使わせてもらって準備をし、ゲレンデ脇を歩き始めた。
- 最初はゲレンデ横のブナ林の登りだった。緩い登りだった。足がもぐるので、すぐにワカンを付けた。歩きやすくなり快適になった。スノーシューの跡やスキーの跡があちこちに有った。
- 第一リフト終点からはゲレンデを離れて尾根を目指した。コンパスで方向を合わせ、斜面を横切って進んだ。ブナ林が気分良かった。浅い谷を二つほど超えたところで少し方角を左に変えた。
- やがて広い尾根に出た。尾根を進んで行くと平坦地になった。どこまでも平坦で、なかなか目標の標高1323mの丘には着かなかった。
- 標高1323mの丘はブナの生えた広々とした所だった。薄日が差していた。溶けかけた足跡がたくさん有った。大きなブナの根元近くにシートを敷いて昼食休憩にした。コーヒーをいただいてくつろいだ。少し東風が冷たかった。
- 下りは玉原湿原に向かった。最初はなだらかな斜面を下っていった。尼ヶ禿(あまがはげ)山の左肩を目標にして歩いた。やがて平坦なブナ林になり、木の幹に隠れて目標が見えなくなってしまった。仕方なくコンパスで方角を確認し、30mほど先の木を次々と目標に定め代えながら歩いた。やがて斜面は急になり、下に玉原湖と玉原湿原が見えてきた。少し右へ進み尾根が見えたところで尾根を下った。
- 尾根を下りきると玉原湿原だった。一面の雪原だった。休んでいると上から15人ほどのグループが下りてきた。この日出会った最初の登山者だった。
- 湿原の縁を歩き、林の中から林道へと登ってセンターハウスに着いた。ワカンを外し除雪された舗装路を回り込んでスキー場の駐車場に戻った。
- この日は起伏の緩やかな初心者向けの斜面だったけれど、方角を見つけるのは難しいコースだった。一休みして車に乗り込んだ時には周囲はいつの間にか霧で覆われていた。