- 手元のガイドブックでは林道分岐から歩くことになっていた。分岐点に着くと更に車で入れそうなので、左に入ってそのまま林道終点に向かった。砂利が少し柔らかだった。林道終点は少し勾配がきつかったので100mほどバックした平坦で広くなった所に車を停めた。車の脇にテントを張って寝た。
- 翌朝、テントをしまっていたらダニが手に数匹付いた。どうやら林道脇の落ち葉の上にはダニが多いようだった。支度をして出発した。
- 最初は林道跡の緩い登り坂だった。やがて道は細くなり、やや右手へ急な登りになった。この付近もダニが多く、ズボンにダニが着いた。やがて御車の滝の展望地に着いた。
- 展望地から大きな木の多い原生林を登って行くと、やがて勾配が緩くなった。左上には草地の中に岩のあるピヤシリ山の山頂部が見えた。少し進むと湿原に出た。木道は無く、鹿の足跡が付いていた。登山者の往復の足跡が一人分有った。ワタスゲが咲いていた。脇の流れが有る所にはシナノキンバイが咲いていた。湿原の中ほどに登山者がザックを置いたらしい草が倒れた場所が有ったので一休みした。
- 湿原を過ぎると急な登り坂になった。回りは笹地でダケカンバがところどころに有った。ズボンに付くダニを払いながら登った。やがて大きな岩が有り、基部を通った。「ヌカライップの岩」との標識が有った。
- 岩の横を登って行くと分岐が有り右に進むと「ローソク岩」だった。左に進み山頂へ向かった。少しガレた場所が有り、周辺にはニッコウキスゲやノウゴウイチゴ、ハイオトギリが咲いていた。
- 「ローソク岩」からの道が合流し、ハイマツの多い東峰を巻くと、展望が開けて前方になだらかなピヤシリ山の山頂が見えた。
- アザミなどを眺めながら平坦地を進み、最後に少し登ると山頂に着いた。大きな山頂標識が建っていた。360度の展望だった。名寄の市街地が見えた。日の光を浴びながらシャツやズボンに付いたダニを落とした。
- 下りはローソク岩を経由する事にした。分岐までの間で行きには気付かなかった熊の糞を見つけた。分岐を左に取り、ハイオトギリやアザミを見ながら急坂を下るとローソク岩入口に着いた。ローソク岩への道は刈り払いされておらず、10mほど笹薮をかき分けて進むも、あきらめて引き返すことにした。帰りは笹の向きが逆方向で行きの倍の時間がかかった。
- 下りもダニに気を付けながら歩いた。車のところでは、ダニのいそうにない砂利のところで荷物の片付けをした。下山後に向かった日向温泉ではシャツやパンツの下から10匹ほどダニが出てきた。この日は山中では誰にも会わなかった。