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※無断転載を一切禁じます ★☆★Special Column★☆★ 「文字にするのも馬鹿らしい」 12日は、ウクライナ戦、ポーランド戦を目指して合宿中の日本代表の練習最終日となった。サッカー協会、およびトルシエ監督は事前に、紅白戦の後半を午前11時をメドに裾野市のグラウンドで公開、選手の取材対応をするというアナウンスを報道陣にした結果、この日集まった報道陣は約220人に達している。ちなみにこれは、ソルトレーク五輪の、日本からのID発効ジャーナリストを上回る人数である。もうひとつ、220人はサッカーが「趣味」で裾野まで東名高速を飛ばして行ったのではないし、好きな選手に会うために早朝の新幹線に飛び乗ったのでもない。 午前10時半から受け付けが始まるが、待てど暮せど公開される気配はない。グラウンドは報道陣が待たされた反対側からは丸見えになっており、ファンのみなさんはこちら側に立って、おそらく終始、こちらは練習を見られていたはずである。報道陣ももちろんそこに行くことはできたが、いわば「紳士協定」として尊守してきた、非公開の権利だけに、誰も掟破りはしなかった。 監督が練習中に、甘さの見られたプレーに激怒し、現場にいた強化推進本部関係者によれば「まったく手がつけられない暴走状態」になったのだという。 監督自身の説明である。 これまでも、読者には直接関係がないので書いて来なかったが、監督が約束を破り会見をすっぽかしたこともあれば、サポートする協会関係者がメディアへ意図的に嘘をついたこともある。宿泊するホテルのロビーにさえ入るななどといった一般常識を逸脱する要求まで飲みながら、メディアはひたすら妥協点をさぐりながら、「紳士協定」を重んじてきたことは記しておきたい。 こういう事象、監督、協会の体制に対して原稿を書くことはもはや馬鹿馬鹿しい。批判や評論以前問題であるからだ。 4年前、宿舎となった御殿場高原ホテルは、今回も選手の宿舎だった。 今回、御殿場高原ホテルのレストランから「退去」するよう警備員に言い渡され、ロビーの四角いベージュのソファーを横目に見ながら、中田がアレルギーで参加できない非常事態に、ドクターの話を囲んで聞いたこと、市川の18歳の誕生日を拍手で祝ったことなどいろいろな場面をふと思い出した。そして、一体いつから、なぜ「代表」をこんな遠いところからうかがうようになったのか思い出そうとした。できなかった。
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