爆発栄螺の灯火採集講座

今年の夏、子供と昆虫採集に出かけようと思ってるお父さん方へ

灯火採集は確実にポイントを知らなくても昼の樹液採集よりもかなり多くの収穫を得る事ができます。コツをお教えしましょう。

1.場所の選定

広葉樹が有る山を抜ける国道。200号線とか300号線とか桁数が多い国道が狙い目です。新しく出来た道がベストです。県道でも明るい照明がある所は期待出来ます。山深い所がいいように思えますが、たいがいそのような場所には明るい照明がありません。

2.採集の時期

私の住む宮城では6月はコクワガタがメインです。気温が低くても以外と採れます。7月初旬はノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ・アカアシクワガタが出てきます。7月中頃からカミキリムシ・カブトムシが増えます。カブトムシが増え始めるとクワガタは序々に数が減ります。8月はカブトムシがメインになります。桜前線ならぬクワガタ前線も存在するはずです。地域差があるので事前の情報収集をして下さい。

3.採集方法

下記の場所を丹念に探します。

(1)コンビニエンスショップの壁

誘蛾灯・水銀灯近くを探します。やってみると店により差がかなり有ります。ロ−*ンが一番採れます。青い看板と明るい照明が効いてます。

(2)公共施設の照明

小学校・公民館・体育館などの駐車場の水銀灯の下を探します。下がジャリの所よりも舗装されてる場所の方がより多く採れます。新しく出来た施設が狙い目です。

(3)橋の照明

橋の上に駐停車出来ませんので、近くの駐車可能な場所に駐車して歩きます。黄色い外灯の場合は期待できません。虫が集まるのを嫌って最近は増えてます。通行する自動車に注意して下さい。コ−ナ− を曲がってすぐの橋は特に危険です。万が一交通事故に逢っても当 ペ−ジでは一切責任は持てません。

(4)ジュ−ス・ビ−ルの自動販売機

これが一番狙い目です。近くに全く外灯が無くぽつっと自動販売機だけが有る所には以外にダイコクコガネとかオニクワガタとかのレア物が採れることがあります。ス−パ−などの前に数台並んでいるものは沢山の虫が集まります。虫がいっぱい貼り付いた自動販売機は昼の自動販売機と別物に見えます。

4.共通のコツ

(1)クワガタは少し暗い場所

クワガタは少し暗い場所にいます。照明からだいぶ離れた場所でもいる事が多いです。また店舗などの靴擦りマットの下なんかにも居ます。

(2)道路横の側溝

明かりに飛んで来て落ちた虫が這い上がれずにもがいてることが多いです。これは昼でも有効な採集方法です。私はこれで去年、朝でしたが70mmのミヤマクワガタを採ったことが有ります。

(3)注意深い観察

まったく採れない時でも、落ちてる死骸を見て次回来る時の参考にします。だいたいの場合、その晩に飛んできて死んだものです。

(4)曇っていて蒸し暑い夜

日中晴れていて夕方小雨が降り夜は曇っている日がベストです。ようは月が見えなく、蒸し暑い夜のことです。気温があまり下がらずに少し霧が出てる日も採れます。

(5)広葉樹ならなんでも

照明のそばに広葉樹があるのであれば、その枝先や幹を確認します。クヌギ・ナラでなくても飛んで来た虫が止まるためです。照明がやっと届く所まで確認した方が良いでしょう。

(6)採集の時間

午後8時頃から灯火に虫が集まりはじめます。午後3時位には空が明るくなりはじめ虫の数は減ります。
良く観察していると虫の数が急に増えたり減ったりします。風の向きとか月の隠れ方により左右されるようです。

5.注意点

(1)夜はお静かに

近くに民家がある場合も多く、静かにするよう子供に注意して下さい。でないと沢山採れても次の年に来れなくなります。

(2)泥棒と間違われぬように

一般の人から見てかなり挙動不審です。塀を乗り越えて私有地に進入するのはもう立派に犯罪です。ある程度は「虫採ってるんだぞ−。」という姿勢が第三者に判るような行動をとった方がよいでしょう。ライバルにポイントを知られるデメリットは有りますが、情報交換により他のポイントを知る事も出来ます。

(3)交通事故に逢わないように

夜間の通行車は人など歩っていないとの思い込みで走っています。特に深夜の山奥であれば、86レビンのおにーさんやら、シャコタン180とかがかっ飛んで来ます。地元の人も夜は老若男女を問わずにハイアベレージです。十分に気をつけて下さい。

6.終わりに

何回か行かれたあなたは虫の交通事故の多さを目撃することでしょう。轢かれたばかりのまだ動いている虫に涙することでしょう。あなたが今日虫を採ったポイントは確実に数年後消滅します。人間にとって利便・安全のための文明は虫の死を意味します。「自然と人間が共存するのはどうしたら良いか?」を子供達の宿題として下さい。(ちなみに私はまだこの問題は解けません。)それでも、まだまだこの日本クワガタいっぱい採れるのは確かです。この夏確かめて下さい。 そしてお父さんの貴方も一緒に考えて下さい。


ホーム 
7月号目次に戻る