クワ好きのための簡単ラテン語講座   by Erie


はじめに

馬鹿がつくほどクワガタ好きな貴方! 一度はクワガタ虫を学名で呼んだ経験があるでしょう. 生物には「学名」という世界に共通な名前が存在します. クワガタ虫でよく用いられる書き方には2名法という属・種で記載する方法と3名法という属・種・亜種を記載する方法があります. これに対して,「和名」という日本人にのみ理解できる名前が存在します. あの黒くてぴかぴかしてみなさんの心をとらえて離さないあのクワガタ虫には
[学名] Dorcus curvidence
[和名] オオクワガタ
という名前があるのです.
学名は英語の様にも見えますが実はラテン語という言語で記載されています. これによって世界中の人間が共通の認識を持つことができるわけです. クワガタ好きな米国人に和名の「オオクワガタ」って叫んでみても,彼にはあなたが何をいっているのか分からないでしょう. でも,「ドルクス・クルウィデンス」といえば,多少発音が悪くても「あの虫のことだ」ときっと理解してくれると思います. ワールドワイドにクワガタ虫を楽しむご時世ですから,世界のクワガタ虫だけでなく世界の虫好きとコミュニケーションがとれたら馬鹿者指数がまた一段とアップすること請負です. それでは,実際にラテン語はどのように読んだらよいのでしょうか?英語と同じように読めばよいのでしょうか?
現在,ラテン語を母国語として用いる民族はいません(・・・そのはずです). 要するに死語です. これが何を意味するかというと,ラテン語の文法は変化しませんが,新しい用語(学名)はすべて外来語ということになります. 外来語の発音は元来難しいものです. 例えば,英語の”R”の発音などはそもそも日本語に対応する発音がないものだから困ってしまいます. 我々はRをLの音で代用してますが,米国人に言わせるとそれは「それは間違いだ」というでしょう. しかし,もし米国人がいなければ,誰も文句を言う人はいないわけです. 結論をいってしまうと,ラテン語の発音はそれを使う人の国語に依存的であるということです. 米国人はaをエイ,iをアイというように英語流の読みをするでしょうし,ドイツ人は重母音aeをエというようにドイツ語流の読み方をするでしょう. だから,基本的には日本人も日本語流に読めばいいのです. この講座では,以上のことをふまえたうえで,「ラテン語式の読み」というものにこだわってみたいと思います. これまで,みなさんが読んできた読み方と結構違うものだなあと思われるかもしれません. はじめにお断りしておきますが,私は仕事がらラテン語を使う機会が多いのですが,あくまで独学です.これが完全に正しいとは思っておりませんが大幅に間違っているとも思っておりません. なにかの参考にしていただければ幸いと思います.
さあ,それでは始めましょう.


目次へ

NEXT

Page 1/5