更新:98/06/14 06:00

Neko-1の調整, 及び解説


	猫壱/RSV9612調整、及び解説			第1版




					1993年12月19日 JS1RSV


猫壱/RSV9612は、Z84C015を使用したTNC部分に、RSV96(9600bps)と、1200bpsモデムを付けた、9600/1200bpsモデム内蔵のTNCです。一般のTNCと大きく違っている場所は、9600bpsモデムにRSV96を使用している事と、NRZI変換を80C31(CPU)内部で行う事でICを減らしローコスト化した事です。そのため、一般のTNCの回路とは大きく異なる所があります。

■ OPTION、WAVE命令について

OPTION命令は9600bpsモードの変更や、TESTモード用の命令です。
1200bpsへの切替えは「EXTM OFF」を使用します。

OPTION	1		9600bpsモード(G3RUH互換モード1)
		2		9600bpsモード(G3RUH互換モード2)
		3〜4		保留
		5		TESTモード#1
		6		TESTモード#2
		7		TESTモード#3

WAVE	0〜15	9600bps(G3RUH互換モード)での送信
				波形選択

■ TESTモードについて

TESTモードは、8031の動作を試験したり、LPFやRIGの調整等にも使用出来る物です。モードは3種類あり、以下のような機能があります。
(注意:EXTM ON 時のみ有効)

TEST#1	送信は9600bpsモードと同様ですが、受信時に4800Hzの
		出力を、TXAから出力します。これは、受信用のクロックで、48
		08Hz程度の周波数になります。これは、12MHzの水晶のズレ
		に依存します。
		OPTION#1では、この周波数のズレに復調率が大きく影響され
		ます。

TEST#2	サイン波出力モードです。WAVEデータを0〜7に変える事で、1
		50Hz〜19.2KHz迄の8種類のサイン波がTXAから出ます
		おもに、LPFやRIGの調整等に利用出来ます。

TEST#3	8031が正常に動作しているかどうか調べるモードです。8031
		のパラレルポート(P1)が約1秒に一度変化します。テスターだけ
		でも8031の動作確認出来ます。

■ 猫壱の動作確認、及び調整方法

以下は「猫壱」の動作確認、及び調整方法です。基板が全て完成して、製作に誤りがないのを前提に書かれてあります。作り方が悪いと以下と違った挙動を示す場合もありますので、ご注意下さい。

1.電源投入は、0Vから可変できる電源を使用し、電流を監視しながら徐々に電圧を上げて行く。最大でも約200mA程度しか流れないので、異常が有れば基板の点検をするように。電圧可変出来る電源が無い場合は、なるべく小容量の電源を使用することを薦める。

2.RS232Cケーブルを接続して、電源を入れる(入れ直す)。オートボーレート機能が働くので、暫くするとメッセージが出てくれば正常。化け字を含めて一切文字が出なければZ84C015(TNC)部分が動作していないと思われる。

3.次に1200bpsモデム(TCM3105)部分の調整です。TCM3105の7ピン(RXB)の電圧が2.6〜2.7Vになるように、半固定抵抗器(R44)を調整する。次に、右回り一杯に半固定抵抗器(R43)を回しすとLED5(DCD)が点灯するので、徐々に左に回してゆき、LED5が消えたところにセットする。確認の為に無線機につなぎ何か受信させてみて、LED5がスケルチに合わせて点滅するようなら正常である。送信レベルの調整は半固定抵抗器(R42)です。
(参考:CQ誌1992年11月号214頁)

4.次に80C31(モデム部分CPU)の動作確認をします。以下の命令を入力し、80C31の1〜8ピンの電圧が1秒弱毎に0−5Vと変化するかテスター叉はオシロで確認する。変化しない場合は、80C31が動作していないか、TNC部からの信号が80C31へ伝わっていない。

OPTION 7
EXTM ON

5.80C31が動作していれば、9600bpsモードの受信は出来るはずである。念の為に以下の命令を入力して、受信時にTXA96から出される波形を観測し、約4808Hzの正弦波が出るか確認する。±0.1%程度のズレは許容されるが、ズレが大きい場合は受信性能に影響を与えるかもしれない。

OPTION 5

6.実際に9600bpsで送信してみる。半固定抵抗器(R26)が送信レベル調整である。無線機の改造が完璧で回線状況が悪く無いのに通りが悪い場合は、OPアンプ周辺の部品の付け間違いを疑ってみる必要があるだろう。
(参考:1993年CQ誌3〜5月号「高速パケット通信のすべて」)

OPTION 1

最後に、9600/1200bps共に半二重動作である。アナログループバック試験は出来ないので注意してください。

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