CHARON ユーザーズ マニュアル

(フランス語版のマニュアル: Manuel d'utilisation)

目次

  • Charonの最近の更新
  • Charonについての解説
  • Charonが作られた理由
  • ソフトの現在の状況
  • Charonの使用開始と使用法
  • Charonにおけるセッティング
  • MPCへの報告の作成
  • 異なる星表の使用
  • FITSといくつかの類似のファイルの使用
  • Guideにおける画像の表示
  • 軌道決定
  • 将来
  • 画像の星を検出するのに用いた方法
  • 整約の方法
  •  以下は天体位置測定データ収集ソフトウェアのCharonに関する情報です。 Charonの目的は、ユーザーがCCD画像から位置情報(結局、光度情報も)を抽出し、 複数の画像を最小の作業(好ましくは作業無しで)で調査することを可能にすることです。 現在のバージョンは Project Pluto のウェブサイトにあります。 CHARON.ZIP (約 170 KBytes)のダウンロードはここをクリック 。 時々このサイトを訪れて最新版をダウンロードすると良いでしょう。 というのは、数週間・数ヶ月のうちに新機能が加えられるでしょうから。

     このソフトウェアを使うためにはGuide 5.0 またはそれ以降のバージョンを所有していなければなりません。  CharonはGuide CD-ROM上のGSCデータや小惑星の軌道要素や他のデータベースを大量に使用します。 私は、これら全てを必要としないバージョンも作れば作れたとは思いますが、使い勝手が悪くて役立つものとはならなかっただろうと思います。

    CHARONの最近の更新

  • (1999年12月24日)MPCレポートのヘッダ部の取り扱い
  • (1999年12月24日)フランス語バージョンのアップデート
  • (1999年12月24日)いくつかのバグ修正
  • (1999年12月24日) Charonの C/C++ソース・コード
  • (1999年12月22日) 反転画像の取り扱いの改良
  • (1999年12月22日)測光バンドを選択する機能
  • (1999年12月22日)最大回転角を設定する機能

  • (1999年12月24日)MPCレポートのヘッダ部の取り扱い: 従来は、MPC (又は IOTA)レポートを作成するためにキーを押すと、Charonはレポートファイルに単にデータを加えるだけでした。 あなたの天文台に関するいくつかのデータを与える「観測の詳細」のヘッダーについては、Charonでは無視してきました。

    しかし、今後は、 HEADER.MPCファイルに「観測の詳細(observational details)」を設定することができます。 新しいレポートファイルを作成する時にはいつでも、Charonはこのファイルからヘッダーデータをコピーします。 デフォルトでは、 HEADER.MPC には1つの例が入っています。 これを、あなた自身のデータを反映させるように修正する事は容易です。 (説明が HEADER.MPC の中にありますし、或は ここをクリックしてMPCのページで「観測の詳細」について読む事もできます。

    (1999年12月24日)フランス語バージョンのアップデート: Jean-Noël Moreau はCharonのフランス語バージョンをもたらすファイルと このWebページのフランス語版のバージョンアップを送ってくれました。

    (1999年12月24日)いくつかのバグ修正: Charon はファイル/パス名がかなり長いときには動きませんでしたが、これが120文字の長さまで可能になりました。 天文台コードは今迄3桁の数字でしたが、今後は3つの文字でも可能です。 (これは今すぐは特に重要という訳ではありませんが、まもなく天文台の数が1000を越えるときの”01K”問題は、3文字の組み合せを許す事により解決できるでしょう。)

    (1999年12月24日)Charon のC/C++ ソースコード:Charonをソースの公開されたプログラムに変える事は私の考えです。 この方向に数ステップ(手探り状態)進みました。 詳細はここをクリック

    (1999年12月22日) 画像の反転: 今後Charonは殆ど全ての場合において上が北の正しい方向で画像を表示します。 (まだ、混乱してしまう場合があり、画像の上が東や西になっている場合にはうまくいかないです。しかし、大多数の画像は正しく表示されるでしょう。)

    (1999年12月22日)測光バンドを選択する機能: セッティングメニューに2つの新項目が増えました。 1つは、MPCやIOTAのレポートに記入する測光のバンドを選択できるようになりました。

    どのバンドを選択すべきか考える場合に、少々問題が生じるかもしれません。 問題なのは、殆どの位置観測はフィルターなしの画像を使いGSC星表を用いてなされていることです。 最近、 小惑星メーリングリスト(Minor Planet Mailing List)で、この場合どのバンドで報告すべきかについて、いくつかの議論がありました。 私は測光の背後の数学について少し知っていますが実際の測光については殆ど知らないので、大きな声で意見をいうことは気が進みません。

    それでも、殆ど全ての人は1つの点で同意しました。 もしあなたが、測光バンドなし(デフォルト)を選択すると、小惑星センター(Minor Planet Center)は、B等級であると仮定します。 これは、あなたが青に感度があり赤に感度がない新型の面白いCCDを使っているのでなければ、明らかに間違いです。 VかRのいずれかを選択してください。 次の星表の場合、この2つのうちどちらを使うべきかについて述べます。

    USNO A1.0 及び A2.0 星表では、B等級とR等級が与えられています。 これらの値から適度な精度でV等級を推定することができます (詳細はここをクリック)。 あなたがCharonをAx.0で使う場合、Charonは選択されている測光バンドを見てB等級かR等級か推定V等級を使いますので、あなたはこれらの3つのバンドのうちの1つを選択しておかなければなりません。

    Tycho/ACT星表の使用についてはCharonはまだあまり利口ではありません。 この星表には、Johnson V等級に加えて、BT と VT (Btycho及び Vtycho)という等級が与えられています。 VT 及び BT の等級は、精度良く「標準の」B等級及びV等級に変換することができます。 実際、Guide ではこれを行なってきました。(この場合R等級を推定する事もできますが、精度がとても悪いです。)。 しかし現在Charonでは、Johnson V 等級のデータを用いているだけです・・・。わたしは、これを修正する必要があるでしょう。

    (1999年12月22日)「最大回転角」を設定する機能: セッティングメニューに増えたもう1つの新項目は、最大回転角です。 デフォルトでは、Charonが画像と星の照合をするとき、すべての可能な回転角を考慮します。 ドリフト走査された画像(drift-scanned images)や(上下や左右を)反転した画像を使う人や、CCDを半端な角度で取付ける人もいるので、このような柔軟性は時々必要な事もあります。

    しかし、北/南 の構図の画像が非常によく見られます。 このような画像の場合、Charonは起こり得ない回転角のパターンの照合に多くの時間を割いていることになります。 新しいパラメータによって、あなたは、この動作をコントロールすることができます。 仮に、あなたは、画像の方向が真の北/南の方向から、例えば5度以内である自信があるとします。 このような場合には、セッティングメニューのこの項目に "5" を入れていただくことにより、Charonは起こり得ない場合のパターン照合をスキップするので、かなり高速化されます。

    これには副次的な効果があります。 周辺部の?(限界の?)画像では、Charonはパターンの照合に失敗するかもしれません。 この失敗は、半端な回転角度のところでよく起こります。 画像が北/南の方向を向いているはずという新しい要求を与えると、Charonが混乱する場合は減るようです。

    (1999年 8月27日)新しいセッティングメニュー: Charon が再構成され、コマンドラインでパラメータを指定する必要がなくなりました。 (もし望むならば、今迄どおり、コマンドラインでパラメータを与えることもできます。例えば、何百枚もの画像を実用的に走らせている多くの人にとっては必要です。)

     もし Charon をコマンドラインのパラメータなしで走らせたならば、目標天体名、画像ファイル名、極限等級、重心に関する選択、の新しいオプションが加わったセッティングメニューが現われます。 ウィンドウ下部のヘルプ部はスクロール可能になり、かなり拡張されました。 今や新しいユーザーが、セッティングメニューを見て、ヘルプで理解しながら、Charonを始動させることが可能になりました。

     これは次のような(殆ど準備できた)能力への前兆です。 そこでは、あなたは Guide を走らせ、目標天体(大多数の位置測定者にとっては、普通小惑星または彗星)に移動し、"Run Charon" ツールバーボタンを押すことができます。 すると Guide は、通常のウィンドウズのファイルダイアログを表示し、次に、全データを Charon に渡して Charon に切り替わるでしょう。

    (1999年 4月 8日)MPCORB の使用:1999年3月17日から、Guide は小惑星センターの MPCORB データベース (詳しくはここをクリック)を使用可能になりました。 もし Charon もこの新しいデータベースを使えるならば明らかに役立つでしょうが、今やそれが可能になりました。

     あなたの Guideディレクトリーに、 MPCORBデータを使って計算された MPCORB.DAT または MPCORBCR.DAT があれば、例えば目標天体の 4179 Toutatis や 1997 XF11 を示すのに、"-oA 4179"や "-oA 1997 XF11" のような表記で指定することができます。 '-oa'(両方とも小文字)の場合は従来どおり Guide に内蔵されているデータにアクセスします。 各方法の長所・短所などに関しては、上記のリンクをご覧ください。

    (1999年3月24日)Charon がブリンクします!: Charon の1つの重大な欠点は、画像のブリンクができないことでした。この欠点が、今や直されました。

     2つ(またはそれ以上)の画像をブリンクさせるためには、先ず、それらを”通常の”方法で Charon に読み込み、各々の画像に対して天文位置の照合に成功しなければなりません。 各々の画像についてこれを行なう際、'z'キーを押してその画像を Charon の Guide 中で表示可能な画像リストに加えなければなりません(もしあなたがこのプロセスに慣れていない場合、ここをクリック)。 これを行なう毎に、Charon は、画像の四隅の赤経/赤緯など、そのファイルに関する情報をIMAGES.DAT ファイルに付け加えます。

     最後の画像の読み込みを終えた時、 'b' キー('blink'(ブリンク)の b)を押してください。 初めてこれを行なうと、Charon はあなたが現在ロードしている画像と重なる画像がないか IMAGES.DAT を探しますが、その間時間がかかります。 それらが読み込まれると、"Blink image(s) loaded"(ブリンク画像が読み込まれた)の表示が現われます。 (もし、Charon が IMAGES.DAT の中を探して、現在ロードされている画像と重なる画像が見つからなかった場合、"No blinkable image found" (ブリンク可能な画像が見つからない)の表示となります。)

     一度これを行なえば、あなたは 'b'キーを押して画像をブリンクすることができます。 もしあなたが、たとえば3つの画像を読み込んだならば、'b'キーを3回押せば、各画像のファイル名を表示しながら、画像を順次表示します。 たとえあなたがズームインしていても画像は正しく拡大され、天文位置照合結果は画像が正しく配置されることを保証するために使われます。 私のテストケースの1つはM57でした。その理由は、DSSを含め、いろいろな出所の画像を6枚持っていたためです。 それらの画像は、さまざまなスケール、配置(alignments)、露出時間、等々でしたが、Charon はそれらを全て正しく”重ねる”ことができました。 (ところで、このことは結局良好な3色画像合成に通じるかもしれません。またDSSとブリンクすることは新星などを確認する際の助けとなることでしょう。)

     画像が最初に読み込まれると、Charon はあなたの今のコントラストと明るさの設定を用い、それらを全ての新しい画像に適用します。 その後、あなたは画像が表示されたときに明るさとコントラストを画像毎に設定することもできます。 通常あなたは、これをあまりやりたいとは思わないでしょう。 しかし、異なる露出時間の画像をブリンクさせる場合には、これは役に立つでしょう。

    (1999年3月24日)更なるパレット:今迄は、Charon のセッティングメニューは「黒地に白い星」か「白地に黒い星」を選択するものでした。 また、画像が表示されているときには、 'r' キーを押す事によりこれらを切替えることができました。 今回、Charon はこれら2つの色の配合に加え、更に4つをサポートします。2つの擬似カラーの配色、「黒地に赤い星(ナイトビジョン)」のモード、「赤地に黒い星(フラッシュライト)」のモードです。 'r' キーを押す事によりこれら6つのパレットを順に切替えることができます。 また、セッティングメニューのなかでも、それらを順に変えることができます。

     擬似カラーのパレットは微妙な濃淡をより明確にしますが、或る程度の慣れを必要とします。 ナイトビジョンモードは望遠鏡の付近での使用であなたの暗順応状態を破壊したくない場合に有効です。 フラッシュライトモードは下に落としたものを見つけるための明るい赤い画面がほしい場合に役立ちます。

     独自のパレットを付け加えたい方や既存のパレットを削除したい方はテキストファイル PALETTE.DAT を見てください。 そのファイルの最後にこれらを行なうための説明が書かれています。

    (1999年2月17日)ファイル拡張子の扱いの改良:従来 Charon は、拡張子.ST6,.ST7等のついたファイル名のみを SBIG ファイルと認識してきました。 今回これが変更されました; Charon は、あなたがどのような拡張子をつけようともこれらを認識することが可能になりました。(あるソフトは、あまり用いられない拡張子をつけるよう主張しています。)

    (1999年2月17日)間違いの検出: Charon は 目標天体と太陽の高度角/方位角を表示するようになりました。 もし太陽の高度が -12度よりも大きかったり、目標天体の高度が地平線以下の場合には、Charon は警告メッセージを表示します。 (私はこのようなケースの画像をよく受け取ります。通常は、ヘッダーの時刻設定が不正確であったり、緯度/経度が違っていたり、ヘッダーの時刻がUTではなく地方時刻だったりすることが判明します。この高度チェックの簡単なプロセスはそのようなエラーを全てキャッチできるわけではありませんが、助けにはなります。)

    天文位置測定ソフト 'CHARON' についての解説

     Charonには、目的天体かまたは概略位置を指定して、1枚の画像を与えなければなりません。 Charonはそれからあなたの撮った画像を調べ、星表(例えば Guide CD-ROM 上の GSC や Tycho のデータベース)を利用しそのエリアにある星を探します。その後Charonは、2000年分点(J2000)の赤経/赤緯と画像上の位置との間の変換を計算します。

     一度これが行われると、Charonは画像を天空に登録してしまい、GSC の星を重ね合わせてあなたに画像を示します。あなたはカーソルを周囲に動かすことができ、画像の中の天体の赤経・赤緯・光度に関する情報を収集することができます。 あなたは、Tabを押して直ちに目的天体にズームインできます。Charon は、目的天体の、実際に画像上で観測された位置と、計算上「期待された」位置の両方を表示し、それら2つの位置の差(観測値−計算値、即ち「O−C」、または「残差」)も表示します。

     それからあなたは天体の測定位置のレポートを、小惑星センター(MPC)やInternational Occultation and Transit Association(IOTA)への報告に適したフォーマットで作成することができます。 この種のデータは、FIND_ORBソフトを使った軌道要素の計算に用いることができます。また、小惑星による星食の本当に良い予報を得るための、"last-minute astrometry" に使うこともできます。

     最後に。もしあなたが画像をCharonにロードすることに成功したならば、RealSky/DSS 画像を星図のバックグラウンドとして表示するのとよく似た方法で、その画像をGuideで表示させることができます。

    "CHARON" が作られた理由

    新しく発見された小惑星に対しては、より良いフォーローアップ観測が必要です。 一旦小惑星が発見されると、その軌道を決定するために最低3個の観測値を用います。実際には、不確実さを除去するために、長期にわたるもっと多数の観測を用います。 今迄かなり多数のGuide ユーザーから位置測定ソフトについて質問がありました。今日では、多くの観測者は、データ収集よりも、データ解析に、より多くの時間をかけています。 「(単調な)骨折り仕事」の大半を取り除くソフトがあれば、彼らはもっと興味のあることにもっと時間をかけられることでしょう。

     これは私が着手すべき必然的課題のように思われました。 というのは、1枚のCDに便利に圧縮された全データのみならず、必要なソフトウェアコンポーネントの大部分を、私は既に持っていたからです。 私は、これは天文データ収集に対する役立つ貢献になるだろうと感じ、面白いプロジェクトを作るだろうと思いました。

    ソフトの現在の状況

     これを書いている時点では、Charon は広く使われています。 画像が少なくとも3〜4個のGSCの星を含んでいる限りは、このソフトはいつも星の照合に成功し(通常3個で成功し、4個なら常に成功している)、その後、エリア内の全てのGSCの星に対して最小2乗フィッティングをかけてこれを改良することができます。 Charonは、チェックするGSCの星の数にもよりますが、一般の場合、これを486 DX2/66 マシン上で1秒〜3秒ほどで実行してしまいます。

     Charonは、不十分な入力データに対してもかなり寛容です。 私が準備した画像にはGSCには無い多数の星が写っており、また、GSCは画像の中に見つからない星を表示しました。 精度の悪い位置を入力しても、Charonは混乱しません。傾いた画像、反転した画像は問題ありません。 あなたは、少なくとも1つの近似的な画像スケールを与えなければなりません。(あとで分かるように、これは絶対に必要という訳ではありませんが、これを与えないとソフトの動作が遅くなります。) 幸運にも、殆どの画像は物理的なピクセルサイズと画像を撮るのに使われた焦点距離のデータを持っています。これらのデータから概略の画像スケールを簡単に計算する事ができます。

     私は、MIPSによって作られた.PIC ファイル(これは「通常の」.PIC formatではない)だけでなく、色々な種類のSBIGの画像(ST4, ST5 ,ST6,及び ST7)でテストしました。 FITSファイルについてはかなり多数テストし、その使用については後の章で述べます。 最近、"multi-part" Cookbook CCD 画像 (.PA, .PB, .P1,.P2, 及び.P3 ファイル) が追加されました。 また、何枚かのStarlight Xpress及びMIRAの画像がテストされました。 私はまだ新しい画像のタイプを追加しようとしています。もし、このソフトがあなたの画像フォーマットで動作しない場合には、サンプル画像をE−メールかフロッピーで私宛てにお送りくだされば、それらの画像フォーマットのサポートも行なうつもりです。 実際、どのような画像でも送っていただければ幸いです。というのは、私はこのソフトをできる限り多種類の画像でテストしたいからです。画像のサンプルがGuide CD-ROMのIMAGEディレクトリーの中にあります。

    CHARONの使用開始と使用法

     あなたは、あなたのGuideディレクトリーの中にあるCHARON.ZIPファイルを解凍してスタートしたいでしょう。 (CHARON.ZIP ファイルが Webサイトから来たかフロッピーから来たかは重要ではありません。このステップは同じですので。) このプログラムはGUIDEのDOS版と同じマウスドライバーを必要とし、CD-ROM ドライブにGuide CD がセットされていなければなりません。

    (訳者注:Windows版の Guide 7.0 の場合、CD-ROMの WATCOM ディレクトリにある、DOS4GW.EXE というファイルを、ハードディスクの Guide のディレクトリ内にコピーしておく必要があります。DOS版では自動的にインストールされます。)

     あなた自身の画像で試す前に、「良いと知られている」画像でソフトが動作するかを確かめるのはうまい考えです。 デモの目的で、私はいくつかの.ST6画像のサンプルをDan Kaiser氏にお願いし、それらは既にGuide CD-ROM内に納められています。このソフトがあなたのコンピュータ上で動作するかどうかを見るには、次のように入力します。

     charon d:\image\ngc4565.st6 -ongc4565
    

     ここで:

  •  d: はCD-ROMドライブを表わす文字に置き換える必要があります。
  •  ngc4565.st6 は、もちろん、.ST6 ファイルの名前です。
  •  -ongc4565 は、目的の天体が NGC 4565であることを表わします。
  • 異なる種類の天体に対して、他のいくつかの -o スイッチがあります。例えば、

  •  -oa4179 目的天体は 小惑星 4179
  •  -oaToutatis 目的天体は 小惑星 Toutatis
  •  -oa1992 CM 目的天体は 小惑星 1992 CM
  •  -ocHale-Bopp 目的天体は Hale-Bopp 彗星
  •  -osao 123456 目的天体は SAO 123456
  •  -oppm 234567 目的天体は PPM 234567
  •  -ovru cam 目的天体は 変光星 RU Cam
  •  -onsv 13211 目的天体は NSV 13211
  •  -ongc 4565 目的天体は NGC 4565
  •  -om57 目的天体は M 57
  •  -oic 456 目的天体は IC 456
  •  -osn 1993J 目的天体は 超新星 1993J
  •  -ogsc 1234 5678 目的天体は GSC 1234 5678
  •  -p132.2,-21.2 目的天体は 赤経 132.2 度、赤緯 -21.2 度 に位置する
  •  Charonは先ず、NGC 4565の位置を計算します。それから、画像領域にあるGSCの星のデータを取得し、星の照合を行ないます。 ここまでに掛かる時間は数秒程度です。それが終ると、照合結果が表示されます。 このNGC4565の場合には、Charonは画像中に、デフォルトの許容誤差である1秒角以内の精度でマッチする、8個のGuide Star Catalogの星を見つけます。 そして、残差などの照合の詳細をいくつか表示します。 また、Charonは1ピクセルの高さと幅の両方の計算値から、焦点距離をそれぞれ計算します。両方の焦点距離はかなり近い値でなければなりません。 2つの軸の間の角度も計算されます。これは、90度に大変近くなければなりません。(地平線近くでは、画像が歪曲して、軸の間の角度が理想の90度から若干ずれる場合もあります)

     次に、何か1つのキーを押すと、画面が消去され、画像全体が表示されます。 これに、GSCの星を表わす緑色の十字(緑=GSCと覚えてください)と、Charonが画像中に見つけた星を表わす赤い円が、重ねられて表示されます。 また、画面いっぱいに広がった赤い十字のカーソルも現われます。

     (黄色の)カーソルを動かすと、その位置の赤経/赤緯が左上隅に黄色(カーソルと同じ色で)で 表示されます。 それに最も近いGSCの星の位置と番号が緑色(GSC星表示の緑と一致)で表示されます。 また、(黄色のカーソルに)最も近い画像上の星の位置が赤色(画像の星表示の赤と一致)で表示されます。

     計算された目標天体位置候補は、画面いっぱいの赤い十字で示されます。 理屈では、実際のターゲットはその位置の近くに見えなければなりません。はたして、NGC 4565 の中心部は十字の右に位置しています(ただ、それを見るためにはコントラストの調整が必要かもしれませんが。)。 小さな赤い円はCharonが考えたNGC 4565 の中心を示しています。カーソルをそこに動かして、左上の赤色の位置を読んでください。(理屈では)それで、完了です。

     マウスをクリックするか又はカーソルキーを使う事で画面をふることができます。 (カーソルキーのみではスクリーンの半分移動し、Ctrl+カーソルキーでは、1回に1ピクセル移動します) キー・コマンドは以下の通りです:

  •  ? これらのキーのリストを表示するヘルプ画面の表示(最重要:あなたはこのページを絶えず参照しなくても済むので。)
  •  * コントラストを上げる
  •  / コントラストを下げる
  •  + 画像を明るくする
  •  - 画像を暗くする
  •  これらの4つのコントロールはTVの"brightness"と"contrast" の調節にほぼならうものです。もし必要ならば後でもっと凝った方法について悩むこともできます。

  •  5 (テンキーパッドの中央) : 2倍にズームイン
  •  Insert : 1/2倍にズームアウト
  •  スペースキー: フル画像表示に戻る
  •  Tab : 目的天体(赤い大きな十字カーソルがつけられている)を中央にする
  •  i : IOTAのフォーマットで位置レポートを作成する
  •  o : MPC のフォーマットで位置レポートを作成する
  •  f : 赤経/赤緯 位置のフォーマットを変える
  •  r : 画像の白黒を反転する
  •  g : GSC星の表示の切替え
  •  t : 「目的」(画像)星の表示の切替え
  •  c : カーソルの位置に新しい星を1つ追加する
  •  z : Guideで示される画像リスト(詳細は10ページ参照)への画像の追加
  •  Delete :画像から星を1つ消去する
  •  また、Guideと同様の方法で、距離と位置角を測定することもできます。即ち、マウスの右ボタンをクリックし、マウスをドラッグします。 マウスが動くにつれて、legend内の距離と位置角が更新されます。また、「輪ゴム」は測定される直線を示します。

      Guideと同様に、「マウスの左ボタンをクリックしてドラッグする」方法を用いて、ズームインすることも可能です。

     Charonの動作を見ましたので、次のステップは、Guide CDに入っていた画像の代りに、あなたの画像を入力することです。

    CHARONでのセッティング

     一度 Charon を走らせると、あなたは天体位置測定が非常に簡単であることに気が付くでしょう。ただし、あらかじめ、あなたの画像と望遠鏡について多数のことをCharon に伝えておかなければなりません。これは、Charon のセッティングメニューを通じて行ないます。

     セッティングメニューに到達する最も簡単な方法は、コマンドラインの引数を1つも与えずに Charon を走らせることです。必要な設定変更を行ない、Escapeキーを押すと、変更が保存されます。

     また、Charonが動作している状態から、Enterキーを押す事によっても、セッティングメニューに到達することが可能です。

     どちらの場合にも、約20個の設定のリストが表示されます。行から行へは矢印キーを使って移動することができ、フィールド内の値を修正します。各々の行に対するヘルプが画面の下に表示されます。

     Report file name(レポートファイル名): MPC及びIOTAのレポートが追加されるASCIIテキストファイルの名前です。デフォルトは MPC.LOGです。

     Cutoff point(カットオフ・ポイント): これは画像でバックグラウンドと考えられる領域の割合です。デフォルトは0.97ですが、これは画像の97%がバックグラウンドと仮定され、3%が有効な星であるという意味です。あなたは多分この設定を変える必要は全くないでしょう。

     Image offset(画像オフセット): このセッティングは、(例えば、ダークフレームが減算されたあとのように)、処理によって負のカウント値のピクセルができているかもしれない画像に対して使われます(この値だけゲタをはかせて負にならないようにします)。デフォルト値はゼロです。 また、既にオフセットをもっている画像に対しても使う事ができます。例えば、いくつかの撮像ソフトは、32768だけ上乗せしたデータを生成します。完全なゼロ値のピクセルであっても、この値(32768)になる訳です。 このような場合には、画像オフセット(image offset)として、-32768を設定すれば、通常のレンジにすることができます。

     Scale tolerance(スケール許容量): デフォルトでは、この値は0.01であり、これはCharonが概略焦点距離の誤差が1%までを扱うことを意味します。これは通常、焦点距離の僅かな変化を許容するには充分すぎる値です。 もし、あなたが焦点距離の実測値を知らなかったり、画像ファイルに焦点距離情報が正しくセットされていない場合には、あなたはこの値を大きくしたいかもしれません。1にすれば、焦点距離が100%ずれていてもよいことになります。 ひとたびCharonが画像の照合に成功すれば、焦点距離の計算値が表示されますので、あなたは今後の画像には正しい値をセットすることができます。 広い許容量をセットすることは、Charon に、画像の星とGSCの星とのより多くの可能な照合を考えさせることになります。可能ならば、焦点距離を正確にセットして、小さなスケール許容量(scale tolerance)で使うようにしてください。

     Search distance(サーチ距離):デフォルトでは、Charonは目標天体位置から0.5度以内の星を調査します。 もしあなたが目標天体位置が不正確かもしれない思うならば、この値を大きくしたいと思うかもしれません。 もしあなたが目標天体位置が正確だと思っても、カメラの画角が1度以上(又は以下)であることを知っている場合、あなたはこの値を変更したいかもしれません。 この値を大きくすることは、Charonがより多くの可能な照合について考えなければならないことを意味し、従ってプログラムのスピードが遅くなります。逆に、この値を小さくしすぎると、実際には有効な星を無視することになる可能性があります。

     Observer code(天文台コード): MPC は天文台に対して3桁のコードを与えています。 あなたの天文台コードをセットすれば、CharonはそれをMPC及びIOTAへのレポートの中で使います。 Charonはまた、その天文台コードに対応する緯度/経度を使用します。(訳者注:原文ではObserver code(観測者コード)となっていますが、observatory code(天文台コード)のことだと思います。)

     Time offset(時刻オフセット):もしあなたの撮像ソフトが画像に一定の値だけずらした時刻を与えている場合には、あなたはこの値を用いて時刻のずらしを戻すことができます。 また私は、誰かが画像でUTの代りに地方時刻を使っている場合にも、これ(Time offset)を使ってきました。(訳者注:時刻オフセットは秒単位で設定します。UTの代りにJST(日本時間)を画像のデータに使っている場合にはUTよりも9時間=32400秒進んでいるので、時刻オフセットに-32400をセットすれば補正されると思います。)

     Maximum residual(最大残差):デフォルトでは、Charonは、画像中の1つの星の位置が、GSC中の1つの星の位置と1秒角以内に一致するならば、それらは同一の星だと考えます。 これは殆どいつも有効な仮定です。しかし私は超低空で撮られた1枚の画像を見たことがあり、そのときにはこの値を3秒角まで大きくしなければなりませんでした。

      Video mode(ビデオモード):デフォルトでは、Charon は、320x200 (低解像度)のモードでスタートします。このオプションは、640x480、800x600、1024x768 のモードを循環します。 320x200のモードのただ1つの利点は、常に動作することです。全ての(ビデオ)カードが全ての高解像モードで動作するという訳ではないので。 (訳者注:訳者のパソコンで試してみると7通りのモード:320x200、640x480、800x600、1024x768、640x480,16color、800x600,16color、1024x768,16color が選択でき、そのうち320x200、640x480,16color、800x600,16colorの3つのモードで動作するようです。)

    場所の初期設定/MPCレポートの作成

     もしあなたが視差の影響を補正したいならば、Guideのセッティングメニューであなたの場所の正確な緯度と経度がセットされているかどうかを確かめる必要があります。 もちろん通常の場合にはこれは非常に重要という訳ではないのですが、接近している天体の場合には大きな位置誤差を発生させる原因になります。1天文単位離れた天体では20秒角までの位置誤差を生じる可能性があり、また、地球接近天体(near-Earth objects)の場合はもっと大きな誤差になります。

     もしあなたが小惑星センター(MPC)やInternational Occultation and Transit Association(IOTA)にデータを提供するつもりならば、Charonにあなたの天文台コードを設定する必要があります。これは、セッティングメニュー(上述のように、Enterキーで到達できます)の中で行ないます。

     次の問題は実際に天体の位置を得ることです。一般に、これを実行する最良な方法はTabキーを押す事です。これによって、Charonは計算された天体の位置(赤い十字で表示)を中央に入れます。 赤い丸印のついた目的天体が近くにあるはずです。カーソルを目的天体の近くに移動させると、その天体の赤経/赤緯が赤色で表示され、下部に残差(O-C、即ち、観測値−計算値)が秒単位で表示されます。

     'o'キーを押すと、Charonはその天体の位置とその他のデータをアスキーファイルのMPC.LOGに追加します。代りに、'i'キーを押すと、同じデータを IOTA フォーマットで追加します。 その後、あなたはこのデータをMPC や IOTA に送る事ができます。(これらのフォーマットは殆ど同じですが、 IOTA用は3つのデータについてはより多くの桁数が必要です。)細部を3つほど述べておかなければなりません:

     (1) Charonの天体検出システムが目的天体を検出して赤い丸印でマーキングすることに失敗することもあるかもしれません。これは暗い或は拡散した天体の場合に特によく起こります。このような場合、あなたはカーソルを天体の上まで移動させ'c'キーを押さなければなりません。 ”はい。ここに天体があります”というこのヒントを与えることにより、Charonは天体の位置を見出し、そこに赤い丸を加えるでしょう。その後、あなたは以前と同様に、MPCレポートを作成する事ができます。

     (2) 彗星に対してのMPCレポートは、彗星の認識符号を含んでおりません。 CD-ROM 上の COMET.DAT ファイルは、新スタイルの認識符号を含んでいません。これは、修正したいと思っています。

     (3) MPCやIOTAへのレポートの中の位置は、視差補正をしていませんし、また、すべきではありません。両方の組織とも、軌道計算のために”生の”測定位置が必要なのです。

    異なる星表の使用

     Charon はデフォルトでは、 星表として、ハッブル・ガイドスターカタログ (Hubble Guide Star Catalog (GSC)) バージョン1.1を使います。これは、Charonのセッティングメニューのなかでオプションとしてセットされます。 他のオプションとしては、Tycho星表の使用、 USNO A1.0 星表 及びA2.0 星表の使用 Webサーバーから得た GSC 1.2 のデータの使用 GSC-ACT のデータの使用、があります。

     Tychoのデータの利点は、精度が最良である点です。小惑星が恒星を隠す食を精度良く予報をするためのlast-minute astrometryに使える充分精度のよい星表はこの星表のみです。 その上、等級データがとても精度良く、良好な測光をすることができます。通常、Charonはラフな値としての等級を与えます。しかし、もし星表としてTychoを使うならば、正確な等級が得られます。

     しかし反面、Tychoには GSC の約 1/15 の数の星しか含まれていません。かなり広い視野(約0.5度かそこら)でなければ、照合に十分な数のTychoの星を得られる事はめったにないでしょう。

     また、Tycho星表の星は全て10.5等級前後かそれよりも明るい星です。もしあなたが暗い天体を追跡するならば、トラブルに陥る事が容易に分かります。 つまり、あなたは(暗い天体を撮る為に)長時間露光をしなければなりませんが、そうすると明るい星が飽和してしまう・・・ということは、あなたは結局 Tycho を使う事ができないことを意味します!

     もう一方の(極)端には、USNO A1.0/A2.0 星表があり、GSC星表の25倍の数の星を含むため、非常に狭い視野に対して理想的です。 A2.0 はA1.0のアップデート版で、 ACT星表を用いて再計算されたものです。 A2.0 は A1.0での星の位置誤差のうち最も悪いものを取り除き、そして多分、光度に関するいくつかのトラブルも取り除きました。 Charonの視点からみると、これら2つのバージョンは非常によく似ているため、ここでの議論においては総称で"A1.0"と呼ぶことにします。(しかし、あなたはセッティングメニューで 正しいバージョンを選択したかどうかを本当に 確かめなければなりません! また、A2.0はGuide 7.0 CDが作られた 後に でたので、A2.0 CD を使うためには、 Charonの新しいバージョンをダウンロード し、 A2.0に対するindex ファイルをダウンロードして解凍する必要があります。)

    A1.0/A2.0 については2つの問題があります。第1の問題は、CD-ROMの取得です。 あなたは Dave Monet (dgm@nofs.navy.mil) にコンタクトをとり、利用可能性を問い合わせなければなりません。 データは11枚のCD-ROMで、無料で送られる・・・このことは、USNOの予算を少し流出させることを意味します。そのため、彼らは、あなたがCD-ROMを要求するための適切な理由をもっていなければCD-ROMを送りたいとは思わないのです。

     しかしデータの利用可能性は、時とともに変わっているように思われます。何枚のCD-ROMが手元にあって、どの程度の要求がUSNOに来ているかによって。

     A1.0を使用する場合、セッティングメニューでは2つの選択肢から選べます。 "Match to A1.0"(A1.0と照合)、または、"Match to A1.0 (data on harddrive)"(A1.0と照合(データはハードディスク上))です。 第1の選択肢の場合には、Charon は A1.0 または A2.0 の CD-ROM のいずれかを入れるよう要求します。 Charon はその CD-ROM からデータを読み出し、その後 Guide の CD-ROM をドライブの中に戻すよう要求します。その後は、通常どおり進みます。 (同様に、"Match to A2.0"(A2.0と照合)、または、"Match to A2.0 (data on harddrive)"(A2.0と照合(データはハードディスク上))の選択肢もあります。)

     一旦これを行なうと、その領域のA1.0 のデータはハードディスクに貯えられます。再ロードする必要はありません。 その代りに、"Match to A1.0 (data on hard drive)"、または、同様な A2.0 の選択肢に切替えればよいのです。

     USNO SA1.0 及び SA2.0 と呼ばれる、A1.0 及び A2.0 の小規模な1枚 CD-ROM のバージョンがあります。 殆どないことですが、Charon ではこれらを使用することも可能です。 「殆どないこと」の理由は、これらの星表は元の星表の星の90%が捨てられていることです。 残りの10%は非常に一様な星の配列になっていて、あなたのCCDチップ上に常にいくつかの星があることを殆ど保証します。(これは、いくつかの非常に星のまばらな領域があるGSCとは対照的です。) しかし、SA1.0 及び SA2.0 のために選択された10%の星は、必ずしも最も明るい10%の星ではないため、それがトラブルを引き起こします。 Charon は星の配列のパターンの照合を試みますが、SAでは殆ど不可能です。私が知っている、現在これを行なっている人は1人だけです。(ただし、彼は定期的にそれが動作するポイントで動作させてきたのですが)

     しかしこれは可能であり、いくつかの点では望ましいです。 第1に、あなたは SA1.0/2.0 を米国海軍天文台から無料で入手できます。 A1.0/A2.0 の入手が容易ではない(ディスクセットが少数しか作られなかった)のとは対照的です。 第2に、SA2.0 は ACT 星表を使って較正されたことです。 このことは、 GSC星表の系統誤差のようなものがないことを意味し、精度を健全に増加させることができます。(SA1.0 はGSC星表を使って較正されたため、GSC星表の位置誤差をもっています。)

     第3に、SA1.0/SA2.0 は各々に約5千万個の星を含んでおり、GSCの殆ど3倍の星の密度であり、密度がとても一様なことです。 GSCのユーザーは、与えられた画像が、較正するための十分な数の GSC星が無い「間隙に落ちている」のを見出す場合があります。これは、SA 星表ではあまり起こりません。

     では、Charonではどうやって SA を使えばよいのでしょうか? 先ず、GSCを用いて画像を検査します。これによって、あなたは、焦点距離、反転/非反転、ピクセルサイズ、目標天体名等々の全ての重要な設定が正しいかどうかを確認できます。 GSCを用いて画像を正しく読み込めたならば、次に SA1.0/SA2.0 に進むことができます。

     もしあなたが SA2.0 を使っている場合、このファイルをダウンロードして解凍してください(約14KB)。 この中には、Charon が SA2.0 のデータにアクセスするために必要なインデックスファイルが含まれています。 (尚、SA1.0 のインデックスファイルは、Guide 7 CD 上に既にあります。)

     Charon のセッティングメニューに入り、"Match to GSC"のパラメータを、あなたが SA1.0 又は SA2.0 のどちらを使用するかに応じて"Match to A1.0" または "Match to A2.0"に切替えます。 (これらの選択肢に切替えられない場合、あなたは古いバージョンを使用しているので、 CHARON.ZIP ファイルを再ダウンロードしてください。) "number of stars used" を約40に増加させます。これは、これらのうち4個の星が SA で生き残っていることを願ったものです。 この方法の欠点は、サーチの時間が非常に長く掛かることです。でも、一度 SA を動作させられれば、この数を減らすことも可能です。

     次に、このプロセスで非常に重要なパラメータで、正しく理解するのがいらだつほど難しいパラメータである、飽和ポイント(saturation point)を扱います。 SA 星表では、明るい星は通常省かれています。明るい星は、元のプレート上では非常に大きなにじんだ像を形成しているので、天文位置の質は暗い星よりも低いです。 デフォルトでは、Charon は画像中の最も明るい40個の星を、明るい星の殆どない SA の星と照合しようと試みます。従って、照合できる可能性はそれに相応して低いです。

     これを避けるために、あなたは飽和ポイント(saturation point )を下げて明るい星を除かなければなりません。はじめの画像で動作する値を見つけるのには、かなり試行錯誤が必要です。(一度この値が得られれば、その後の画像ではかなり容易になります。)

     星表としては、また GSC の最新バージョン 1.2 を使うこともできます。これは、Space Telescope Science Institute (STScI) によって供給されています。 GSC 1.2についての詳細はここをクリック

     GSC 1.2 は、本質的には GSC 1.1を再整約したものです。 上記サイトで解説されているように、GSC 1.1 は、いくつかのかなりひどい位置誤差を、特にプレートの端付近で生じています。 GSC 1.2では、データが、多項式フィッティングの項をいくつか増やし、比較星表としては1.1で使われた古いカタログの代りにPPM星表を使って、解析されました。

     理想的な世界であるならば、STScI は GSC 1.2 全部を CD-ROM や ftp を通じて利用可能にするのでしょうけれど・・。いくつかの理由の為、彼らは喜んでこれをしようとはしません。 あなたは 1.2 のデータを、STScI によって与えられた GSC 1.2 リクエストフォーム を通じて入手できるだけです。

     従って、Charon で GSC 1.2 を使うためには、以下のステップを踏みます。 上のリクエストフォームを訪れ、あなたのCCD画像をカバーする領域の GSC 1.2 のデータを要求します。 得られたデータをあなたのハードディスクにテキストフォーマットで( Charon は HTML フォーマットを理解しません) 保存します。 仮に、 gsc_12.txt というファイル名で保存したと仮定すると、その後、あなたは次のように Charonを走らせます。

    charon (画像ファイル名) (目的天体名) (その他のオプション) -Ggsc_12.txt
    

     '-G' オプションは、通常のカタログサーチのオプションと重なり、Charon に星のデータがそのファイルからくることを伝えます。

     Charon はまた、 GSC-ACT 星表 も使用することができます。 これは、Guide や他の大部分の天文位置測定ソフトで使われているオリジナルの GSC 1.1の天文位置を再較正したものです。 これは、GSC 1.1 の系統的な位置の誤差を事実上除去します。(光度データはそのままで変わっていません)

     これを Charon で使用するためには、先ずこのファイル(約 590 KB)をダウンロードして解凍し、あなたの Guide ディレクトリーに入れなければなりません。 次に、Charon を起動し、セッティングメニューに入り、"Match to GSC-ACT" が出るまで使用星表の欄を切替えます。それだけです。 新しいデータディスクは必要ありません。なぜなら、Charon は GSC_ACT.ZIP ファイルの中のデータを使って GSC 1.1 のデータを調整することができるからです。 (ソースコードと大量の文書が準備されていますが、もしこの星表をただ使いたいだけならば、必ずしも必要ではありません。)

     1999年5月20日現在、Charon は拡張されて、Sloan Astrometric Calibration Region (ACR) ファイルからのデータを使用可能になっています。 ACRデータは、天の赤道のまわりの16の領域をカバーするもので、各々の領域は約7.6×3.2度となっています。 これは一般的な使用には狭すぎる領域しかカバーしていませんが、位置測定をテストする目的のためには非常にすばらしいデータとなるでしょう。 ACRの誤差は非常に小さく、カタログ誤差は(他のカタログと比較して)殆ど無視できます。 GSCやAx.0カタログを用い、カタログに内在する系統誤差が殆どいつもあなたの位置測定の質を制限している場合には、これは異常な事態でしょう。

     どこからダウンロードでき、Guideではどうやって表示するかといった ACRの詳細についてはここをクリックしてください。 Charonでは、GSC 1.2 を使う場合と全く同様な方法で、使う事ができます。 例えば、あなたが、Sloan ACR 領域 J 内を撮った画像をもっていて、ACRのファイルをC:\SLOAN ディレクトリーにダウンロードしてある場合、以下の指定で使用できます:

    charon (画像ファイル名) (目的天体名) (その他のオプション) -Gc:\sloan\regionj.dat
    

    FITS及び類似のファイルの使用

     ST-6(及び他のSBIG)ファイルの使用がとても簡単である1つの理由は、そのフォーマットが非常に規格化されているためです。 観測時刻、ピクセルサイズ、焦点距離などのような、必要なデータの大部分がヘッダーの中に含まれています。

     あいにく、このような規格はFITSにはありません。FITSでは、上のようなデータを全て、FITS画像の中に含むことが可能ですが、たぶん、含んでいないでしょう。 また、FITS データは、色々なビット長(bit depths)で現われます。Charonは現在、最も一般的な16ビット整数データのみを取り扱います。

     同様に、"multipart" Cookbook CCD 画像は、日付と時刻の情報や焦点距離のデータを含みません。 (長所としては、CookbookカメラはTI211かTI242のどちらかのチップを使っているので、ピクセルサイズがミクロン単位ではっきり定義されています。)

     DATE-OBS 及び TIME-OBS タグの中に観測の日付と時刻を含んでいる FITS 画像もあります。 (理論的には全ての標準FITSファイルはこのデータを含むはずですが、実際には、それに頼る事はできません。) もし、画像にこのタグが無い場合、またはタグに誤ったデータが含まれている場合、あなたは次のようにして観測時刻をセットできます。

        -b(日/月/年 時:分:秒)
    

     例えば、もしあなたの画像が1995年8月28日の3時14分16秒UT に作られた場合には、

    
    charon crzywd.fit -b28/8/1995 3:14:16 -ongc7001
    
    

     これで、全ての16ビット整数の画像を取り扱うことができるはずです。 しかし、私はテストするための多数の画像をもっていません。もしあなたが問題に出会ったら、どうぞ私に1枚か2枚のサンプル画像を送ってください。 多分私は、今迄出くわしたことがないいくつかのフィールドの取り扱いに失敗していたことに気が付き、容易に修正できると思います。

    GUIDEでの画像の表示

     Charonに画像をロードすることに成功したならば、その画像の天空中での位置、方向、スケールは全て既知となります。このデータはGuideの星図の背景の中に、RealSkyやDSSの画像が表示されるのと同じだけ、画像を表示するのに使う事ができます。画像を表示するためには、次のステップに従います:

     第1に、画像が本当に正しくCharonにロードされた事を確認します。(正しくロードされていない場合には、奇妙なしまを表示したり、或は単に天空の正しい位置に登録されなかったりすることになります。) 画像がGuideで表示されたときデフォルトで表示したいレベルに、コントラストを調整します。完了したら、'z'キーを押します。

     Charon は"Entry added to IMAGES.DAT"(IMAGES.DATに登録が追加された)と表示します。Charonを終了し、Guideをスタートさせ、画像の位置を中心に入れます。

     デフォルトでは、GUIDEはその画像を表示しません。 Alt-J を押してください。すると、テストフラグを入力するように求められます("Enter test flag:")。ここで10を入力してください。テストフラグ10はユーザー追加画像を表示するかどうかを切替えます(従って画像表示を止める場合も全く同じことをしなければなりません)。

     このシステムは、各々の画像に対してテキストファイルIMAGES.DATに1行ずつ加えることで動作します。 各行は、四隅の赤経/赤緯の度単位の値、コントラスト範囲、画像の高さと幅のピクセル数、及びGuideが種々のファイルフォーマットを認識するために使ういくつかのデータ、を含んでいます。 あなたが、心に留めておくべき主な点は、あなたが IMAGES.DAT を編集でき、個々の行を削除したり、必要ならば全てを削除することもできることです。このことを簡単に述べたのは、画像を選択/非選択にできるしゃれたダイアログボックスがないからです。

    軌道決定

     FIND_ORB ソフトウェアを使った軌道決定のテーマはそれ自体でマニュアルをもつに値します。 Project Pluto のWWWサイトの HTML ページはちょうどそれに適していて、いかにして実際に FIND_ORB を使うかという議論がそのページに残されています。 しかし、このテーマのいくつか概要をここで整理してみます。詳細や、ソフトのダウンロードには、以下を訪れてください。

    http://www.projectpluto.com/find_orb.htm

     FIND_ORB ソフトウェアのただ1つの目的は、新天体の位置観測値を使用し、それらを解析してその天体の軌道を決定することです。 大抵の環境では、これは必ずしも必要というわけではありません。 というのは、あなたは小惑星センター(Minor Planet Center)から完全に満足できるデータを入手できるでしょうから。 小惑星センターはあなたよりもっと多くの観測にアクセスできるでしょうし、それゆえ、より良い軌道を計算できるでしょう。

     FIND_ORB を使ってあなた自身の軌道を決定するのには3つの理由があります。 第1に、もしあなたが新天体の可能性のある天体を発見し2〜3夜のデータをもっている場合、FIND_ORBを使って非常に初期段階の軌道を計算することができるので、その後数日間この天体を追跡するための予測が得られるということです。 (この種の軌道は、天体が直線的に移動すると仮定した場合よりも、通常は、特に優れているというわけではありません。)

     第2に、あなたの位置測定の質をテストすることです。 もしあなたが或る天体の位置測定データを収集しているならば、それをFIND_ORBに通し、残差がかなり小さいことが分かれば、あなたは良いデータを得ているのだというかなりの自身を持つ事ができます。

     そして第3に、軌道決定という魔法に関する純粋な好奇心です。 Guide でファインダーチャートを作成し、Charon で位置測定データを取得し、FIND_ORB で軌道を計算するという組み合せによって、あなたは生のデータを最後の軌道に変えるための完全なシステムをもつことになり、このプロセスの各段階を実験できます。 結果として、このソフトは教育の方面で有効です。(そして、私のe-mailから判断すると、本当にこの方面でかなりの数が使用されるようになっています。)

    将来

     どうぞ、このソフトを使ってあなたが見つけた問題点や興味深い点について、私に知らせてください! 私がこのソフトを本当に完成させる前に、絶対にやっておかなければならないと思っていることが数件あります。それらを以下にリストで示しましたので、あなたはそれらは現在考慮中だということを知ることができます。

     フィッティングのための星を追加したり削除したりできるようにすること。

     仮定したバックグラウンドレベルをリセットできるようにすること。

     新スタイルの彗星の認識符号を扱えるように修正すること。

     2枚(またはそれ以上)の画像をブリンク比較する機能。 多分、「ここに天体XYZ(又は、赤経/赤緯 X,Y 付近)の2枚の画像があります。両方ともGSCと関連付け、それからブリンク比較します。」となるでしょう。 これは、2枚(またはそれ以上)の画像をモザイク合成するように拡張することが可能でしょう。 もし時間が許せば、私はいくつかの自動検出機能を加えようとするかもしれません。 即ち、「この天体は画像間で僅かに移動しているように思われる。或は、3つの全ての画像で直線的に移動しているように見える」のように。 もちろん、私はこれを、より冒険的なプロセスとみなしていますが。 (後に解説されるでしょうが、これは、Guideで画像を表示することにより、曲がりなりにも行なう事ができるでしょう。)

     同様に、もし2枚の画像のブリンク比較ができれば、それ以上あまり多く努力せずに、任意の数の画像のモザイク合成ができるでしょう。

    画像の星を検出するのに用いた方法

     この章は、Charon が星の位置をきめるのに使うアルゴリズムの内部動作について解説しています。 大多数の方にとっては、これは殆ど使わずあまり興味のないことでしょう。 しかし、私は時折これについて質問を受けます。いくつかのディスカッションを順に示します。

     画像中の星の位置を求めるための現在の「通常の」方法は、重心計算のプロセスを使います。 セルの大きさは、通常、5x5 や 7x7 ピクセル程度に指定されます。 その星で最大の明るさのピクセルを見つけたあと、このセル、即ち「重心計算ボックス」はそのピクセルに中心が合わせられます。 Charonもまた、重心計算ボックスを持っています。 あなたは、セッティングメニューの中で、このサイズを設定することができます。

     単純重心計算(simple centroiding)では、次のように、セル内のピクセル値に重みを付けて平均します。

     x_star = y_star = total_intensity = 0;
     for( i=0; i < number_of_pixels_in_cell; i=i+1)
        (
        x_star = x_star + intensity[i] * x[i];
        y_star = y_star + intensity[i] * y[i];
        total_intensity=total_intensity+intensity[i];
        )
     x_star = x_star / total_intensity;
     y_star = y_star / total_intensity;
    

     これは、私がより複雑なシステムに挑戦しようと決定する以前、しばらくの間、Charon で使用してきた方法です。

     上の重心計算システムは、目的星がガウス分布でモデル化できるという仮定のもとに機能します。 これは一般には悪い仮定ではありません。 私がこれに対して行なった唯一の変更点は、「バックグラウンドレベル」ももつと仮定した点だけです。 つまり、目的星は、ガウス分布に定数を加えたもの、ということです。

     しかし、単純重心計算の方法は、いくつかのピクセルが飽和していたり死んでいたりする場合や、バックグラウンドレベルが星の強度に比べて高い場合や、目標天体が別の天体に近接している場合などには、問題に直面します。 このような欠点の場合には、普通、代りに使える星が多数あるので、単にその対象を使わないことにより簡単に解決できます。 私が、この簡単な方法をやめた主な理由は、彗星をうまく扱えないからでした。

     位置(x, y) のピクセルの強度を次のように仮定します。

                                   2      2
    I(x,y) = I    + I    exp( -dist /sigma )
              back   star
    

     ここで、

                           2           2
    dist = sqrt( (x-x_star) +(y-y_star) )
    

     (これは、定数+ガウス分布の仮定の数学的な表現です。) 1個の特定の星に対して、未知数は5個です。 即ち、星の座標の x_star 及び y_star、星の強度の Istar、バックグラウンドレベルの Iback、及び、星の「サイズ」の sigma です。 単純重心計算に基づいた位置と強度の近似値を知っていますので、バックグラウンドの値とsigmaの値を仮定すれば、最小2乗法により5つの未知数全てが正確に求まります。

     上のプロセスは、「点像関数フィッティング(point-spread function fitting)」または「PSFフィッティング(PSF fitting)」という名前で走らせることができます。 私は、この機能によって、近接した星や、写りの悪いデータを扱えるようになったのがうれしく、また特に、Ibackが異常に大きい彗星の位置がうまく測れるようになったのをうれしく思います。 この機能はまた、飽和したりデッドピクセルやホットピクセルを含んだ天体の位置も有効に求める事ができます。 ここでの主な問題は、ソフトがそれらのピクセルをフィッティングの際に含めないように、それらのピクセルを単に同定することだけです。

     セッティングメニューの「重心計算のサイズ(centroid size)」によって、あなたは Charon がPSFフィッティングに使うエリアを決めることができます。 デフォルトでは、5x5ピクセルです。理論的には、7x7 ピクセルや または 9x9 ピクセルまでもが、更に良い結果を出すはずです。 ただ実際には、領域を広くすると測りたい星以外の天体も含んでしまうことがありがちです。

    天体位置の整約方法と乾板(プレート)定数の決定

     私は、Charon の基礎となっている数学について、以下の方々から時折質問を受けます。 彼ら自身の位置測定ソフトを動作させるのに関心がある人たち、及び、このソフトがすべきこと(つまり、位置測定の標準的な方法を使って、可能な最高精度を達成する事)を本当に行なっているかどうかを確認したい Charon ユーザーになるかもしれない人たち、の両方から。 もしあなたが、これらの分野に関心がなければ、以下の議論をとばしていただいても全く差し支えありません。

     Charon は、天体位置の整約計算には最も一般的な方法を使います。 第1のステップは、画像中の星の位置をピクセル座標で見出すことです。 Charon は、これを画像の中で星(又は衛星)がガウス分布のピークを作ると仮定し、各々の星にガウシアン曲線をフィッティングすることによって行ないます。 これで、前の章で述べたように、星のピクセル座標(x, y)と光度が得られます。

     このようにして、画像の中の全ての星のピクセル座標の計算値(x, y)が得られます。 次に、画像の中のいくつかの星を、比較星表、通常はハッブル・ガイドスター・カタログ(Hubble Guide Star Catalog、GSC)の中の星と照合する必要があります。 (尚、Charonでは、GSCの代りに、Tycho/ACT 星表や USNO A1.0星表を使うこともできます)。 もし、N個の星を照合できたとすると、以下の値が分かります。

    x(i), y(i): これらは赤経(i)、赤緯(i)に相当、 i=1,2,....N

     私たちは、仮定したプレート中心(RA0, declination0)で開始し、各々の赤経(i)、赤緯(i)に対して”擬似−プレート座標”(xi, eta) を計算します。 次の仮定をすることができます。

     xi(i)  = A x(i) + B y(i) + C + xi_residual(i)
    eta(i) = D x(i) + E y(i) + F + eta_residual(i)
    

     6つの値 A, B, C, D, E, 及び F は、プレート定数(乾板定数)と呼ばれています。 もし、3個の比較星(N = 3)の場合、6個の変数(未知のプレート定数)をもつ6本の方程式が得られ、厳密な解が得られます。(残差はゼロになります)

     比較星を更に加えると、この幸運な状態は消えてしまいます。 測定誤差(結局、パーフェクトな測定というのはあり得ません)、及び、これらの6つの項だけで全ての場合をモデル化できるという仮定が完全には正しくない(後述)ことの両方の原因で、新しい星は、ゼロではない残差を持つでしょう。 これの解決法は、今決定したA-Fの値を、最小2乗法によるフィッティングを行なって改良することです。 このプロセスは、以下の式を最小にするプレート(乾板)定数の値を見つけます。

    sum( x_residual(i) ^ 2 + y_residual(i) ^ 2), i = 1,2,....N.

    (訳注: ( x_残差(i) ^ 2 + y_残差(i) ^ 2)の合計, i = 1,2,....N. 、の意味)

     (ここで、^ は、べき乗を意味し、FORTRAN での ** と同じです。) 誤差の2乗の合計の最小値を考えることが、このような場合の良い基準になることには、最初に Carl F. Gauss によって導かれた、いくつかの優れた理由があります。 同じ手法が、他の様々な分野と同様に、軌道決定や望遠鏡マウント誤差解析でも用いられています。これは非常に強力な手法です。

     話が、わき道へそれてしまいました。さて、これらの6つのプレート定数を使う事により、赤経/赤緯を”擬似−プレート”座標(xi, eta)に変換し、それからピクセル座標(x, y)を得る事ができます。 これは、「1次の(first-order)」即ち「線形の(linear)」フィッティングで、セッティングメニューの中で選択できる3種類のフィッティングのうちの1つです。

     もしあなたがピクセルサイズをミクロン単位で知っていれば、あなたはプレート定数から焦点距離を計算することもできます。 (Charon は、ピクセルの高さと幅から計算された焦点距離を表示します。これは、エラーの別なチェックにもなります。Charonが画像の星とGSCの星との初めの照合をする場合、初めに画像の中に与えられていた焦点距離が使われます。)

     もし、少なくとも7個以上の比較星があれば、2次のフィッティングの使用を考慮することができます。

     xi  = Ax + By + C + Gx^2 + Hy^2 + Ixy + xi_residual
    eta = Dx + Ey + F + Jx^2 + Ky^2 + Lxy + eta_residual
    

     これは、6個の代りに、12個のプレート定数を用います。 7個の比較星により14個の方程式ができます。 (本当は、6個の比較星があれば、12個の未知数と12個の方程式で、厳密な解が得られるのですが、これは危険です。 というのは、たとえデータが全く不正確であっても、完璧にフィッティングされるからです。) 更に進めると、もし少なくとも11個の比較星があれば、 Charon は3次のフィッティングの使用を考慮することができます。 この場合、 x^3, xy^2, yx^2, 及び y^3 の項が含まれ、プレート定数が20個になります。

    2次、及び3次のフィッティングによって、広画角の場合のdifferential refraction(倍率色収差?)や歪曲収差を補正することができます。 (ハッブル・ガイドスターカタログ(Hubble Guide Star Catalog)を作るために用いられたフィッティングは、シュミットカメラの持ついくつかの奇妙な歪曲収差を補正するために、いくつかの4次の項を含んでいました。) 2〜3の場合を除いた全ての場合について、空の広い領域をカバーする画像のため歪曲収差が明らかである場合を除いては、私は2次及び3次のフィッティングの有効性を確信してはいません。 しかし、私はこのソフトを広画角のシュミットカメラに対して使用する何人かの人を知っており、彼らにとって3次のフィッティングは不可欠でしょう。

    3種のフィッティングのタイプ全てが、セッティングメニューで指定可能です。 しかし、もしあなたがご自分の光学系が画像に非線形の歪曲収差を発生させていることを知っている場合以外は、高次(2次、3次)のフィッティングの使用を避けるよう私は提案します。 これはいくら強調してもしすぎる事はありません。 これらの高次(2次、3次)のフィッティングを使用すると、いつも比較星の残差が小さくなります。 しかし、それは必ずしも本当により良くフィッティングできたことを意味するものではありません! そのような訳で、高次フィッティングを使うと、あなたはだまされて、実際よりも良い精度が得られていると勘違いする可能性があります。

    (98年12月16日)A2.0 の使用: 私は最近、米国海軍天文台(US Naval Observatory)のDave Monet から11枚のA2.0のCDセットを受け取りました。 (A2.0 とは何かを知らない場合は、ここをクリック。) これらのディスクに対するサポートが、Guide (この件に関する情報はここをクリック) と Charon に対して加えられました。

    CharonでA2.0を使用するためには、 Charonの新しいバージョンをダウンロード し、 A2.0のインデックスファイルをダウンロードして解凍 しなければなりません。 Charonを走らせると、セッティングメニューで2つの新カタログのセッティング:A2.0に照合(Match to A2.0)、及び、A2.0に照合(データはハードディスク上)(Match to A2.0 (data on hard drive))にも切替えられることが分かります。

     これは別として、A2.0 で Charon を走らせることは、A1.0で走らせる場合ととても似ていなければなりません。 あなたはまた、ローウェル天文台からA2.0のデータの一部をダウンロードすることもできます。 あなたのハードディスクのGuideのディレクトリーにこれを A10.DAT という名前(そうです、まだ A10.DATという名前です。名前を変えるべき真の理由がなかったので。)で保存すれば、このデータを用いて走らせることができます。