「インターネット病気個別相談室」
7月から9月15日までの
ご質問とその回答のまとめ

(平成8年10月編集、9年4月13日一部のみ改定版)


病気の相談、病院選びの相談にメールまたはインターネット上で
足立医師がお答えしています。(http://www.asahi-net.or.jp/‾fe4n-adc/byouki.html)

(写真:昨年度「日経ウエルネス」取材時に福永保昭氏撮影(関係者承認済))


当ページへの「リンク」,「写真を含めてのダウンロード」はご自由になさって結構です。
事後の御連絡を頂けますと幸いに存じます。


ご質問をなさりたい方は 病気相談のページをまずご覧下さい。

ホームページ自己紹介のページ最新のお答えのページなどもご参考になさって下さい。

「医者の説明(インフォームドコンセント)不足」問題,「帝京大学元副学長にみられた権威主義」などに 胸を痛めて個人的に始めたページです。

あなたは 番目にいらっしゃいました。(1996年9月21日からのカウントです。)

以下目次からです。目次の下に詳しい質問と回答があります。
又、目次をクリックするとその欄へ飛びます。


「デング熱」について教えて下さい。
「漏斗胸」について教えて下さい。
アトピーで悩んでいるものです。
妊娠中の貧血の対処法を教えて下さい
爪が深爪で延びません
都内の「足の専門医」を教えて下さい。
「ベーチェット病」について教えて下さい
「膝とくるぶし」が痛いのですが
「慢性疲労症候群」の治療法を教えて下さい。
「メニエール病が長引きますが」
「お腹が張って苦しい」
「潰瘍性大腸炎」について教えて下さい。
妊娠中の「おたふくかぜ」の予防接種は安全でしょうか。
「多発性骨髄腫」について教えて下さい。
「微熱,だるさ」が続きます。
「こうげん病」とは?
超音波診断で「肝血管腫」と「腎石灰化」といわれましたが?
「血圧の低下,胃の痙攣」ですが「自律神経失調症」ではないですか?
「首のしこり」について教えて下さい
(先日の”医療相談”の詳細経過 96/08/18)
「アトピー」について教えて下さい
「背中の痛み」と「紫斑」について教えて下さい
「足の裏のほくろ」について教えて下さい
「コレステロール」について教えて下さい
「腺筋症」について教えて下さい
「不整脈」について教えて下さい
「狭心症」について
「O-157」について
喉、鼻,目,毛穴がかゆく,微熱と頭痛があります
「クローン病」について教えて下さい
「胆嚢ポリープ」について
「腰痛」について
「病院にいく暇がない」のですが
子供の「紫斑病」について
「脳出血後の右半身の痛み」について
子供の「紫斑病」について(その2)
「乾癬」のいい治療実績
「茨城県の竜ヶ崎で」信頼できる産婦人科の女医さん
「椎間板ヘルニア」と「自己免疫性肝炎」について
「おなら」について
「大動脈弁閉鎖不全症」について
「クレチン症検査」について
「食道カンジダ症」はどのような病気でしょうか
「子供の緑内障」について
「バリウムと胃カメラ」について
アレルギー性鼻炎について

「デング熱」について教えて下さい。(96/09/16)

現在タイで生活しています。デング熱についての症状と予防方法について教えて ください。96/ 9/16 12:51

*メールありがとうございます。ホームページ上でお答えする予定です。
*暫くお待ちの上ご覧下さい。
*足立憲昭(http://www.asahi-net.or.jp/‾fe4n-adc/)
*自宅専用FAX:0798-67-8673, Nifty Serve:BZA05772
*E-mail:fe4n-adc@asahi-net.or.jp

 ご返信どうもありがとうございました。症状について詳細を下記致しますのでよろ しくお願い申しあげます。
現在タイのバンコクで生活しております。
 9月7日に5才の長女が突然39.6度の発熱をし、当初は副鼻腔炎との診断を受け、抗 生物質、解熱剤、除痰剤を もらいました。4日後の11日には熱は37度台まで下がりました。
 ところが、9月11日に母親(32才)、父親(32才)も39.9度の発熱があり、母親は 呼吸時に胸部に痛みがあり、父親は胸部の痛みと関節の痛みがありました。当初喉の痛みは全くありませんで した。
病院では解熱剤と抗生物質をもらいました。
 また。11日の夜には次女の萌(4才)も発熱、12日の朝には3女の南(1才)も同様 に発熱しました。
 9月14日に母親の血液検査を受けたところ、血小板が1万1千に減少しているとのこ とで、デング熱の可能性があるとの話でした。
 デング熱については、蚊から感染すると聞いておりますが、どうすればはっきり確 定できるのか、治療はどうすればいいのか、予防はどうすればいいのかについてご教示下さい。
 尚、9月16日現在では全員37度台に熱は下がっております。
 お忙しいなかお手数ではございますがよろしくお願い申しあげます。(96/ 9/16 19:43 )

96/09/15

詳しいメール拝受致しました。何かとご不自由な 海外からの急性の疾患のご相談でご心配のことと思いましたので順番を無視してお答え致します。

「デング熱」は「ネッタイシマカ」などの蚊によって媒介される「デングウイルス(フラビウイルス科)」 の急性感染症です。「発熱」「痛み」「発疹」などの症状が出ます。

日本国内には常在せず,アジア,アフリカ,中米などの熱帯,亜熱帯地域に広く 分布しています。特に東南アジアでの患者の増加は我が国と関係が深く注目されています。

このように特に東南アジアで注意すべき病気については新聞紙上でもご質問があり, ごく簡単にではありますが お答えしたことがありますので下記をクリックしてご参考になさって下さい。

「海外旅行で注意すべき病気」のページ

「デング熱」は普通は命にかかわることはほとんどなく、水分や栄養補給と熱冷ましなどによって 自然回復する病気です。こういうタイプを「古典的デング熱」と呼んでいます。

しかし場合によっては 「デングショック症候群」とか「デング出血熱」という 危険な状態を示すことがあり注意が必要です。

これら3つのタイプを詳しく解説しておきます。

1. 古典的デング熱(CDF)

 2-7日間の潜伏期の後に高熱,頭痛,眼痛,腰痛などで急激に発症する普通のタイプです。

発熱は1週間ほど持続しまるで麻疹(はしか)の時のように一度下がってからまた上がることが あります。続いて全身の筋肉痛,脱力,嘔気,嘔吐,食思不振などをみます。のどの痛み,鼻汁,咳など 風邪に似た症状が出ることもあります。 全身の「ぐりぐり(リンパ節)」の腫れもみられ,解熱時に発疹が出ますが,かゆみはありません。

血液検査では白血球減少(顆粒球の減少)と血小板減少が認められます。

2. デングショック症候群(DSS)

 はじめはCDFと同じようですが,2-5日で全身状態が急に悪くなり, おちつきがなくなり,手足が冷たく,チアノーゼといって血の気がなくなり,呼吸が激しくなり脈の数もふえます。 ついには血圧が急に下がって反応がにぶくなるというショック症状を示すようになることがありこれがこわいのです。ショック状態になれば12-24時間以内に死亡する危険性が高いとされています。

3. デング出血熱(DHF)

1953年ころから,発熱・出血・循環障害からショック死する重症型のデング出血熱(DHF)が出現するようになり これは危険なものです。病気になって後2-5日目に体中に出血傾向(にじむように血が出てくる)が でてきます。例えば皮膚・粘膜(口の中など)に点々と皮下出血を起こしたり, 鼻血(はなぢ)や引いては胃腸から出血をして便に血が混じって赤または黒くなったり,場合によっては 脳出血まで起こすことまでもあります。

血液検査ではヘマトクリット値の上昇,血小板減少,血清タンパクの低下,補体価減少などがみつかります。

ご質問をされた方の場合,32歳のお母様の血小板が1万1千というのが気になります。 血小板というのは普通1立方ミリメートルあたり15ー30万ですのでかなりの低下です。何回も 採血をしてもらって血小板の数の変化とDICという危険な状態ではないことを検査で 確認してもらって下さい。「鼻血」や生理に似た「不正性器出血」、全身の皮膚からの出血に 気を付けて下さい。少しでもそういうことがあれば直ちに病院に連絡をして下さい。

治療は抗ウイルス薬がまだ開発されていないので解熱剤などで様子をみます。 高熱時には氷のう・水枕を使うと良いでしょう。スポーツドリンクや番茶、麦茶などで水分を補給するとよいでしょう。 なお、解熱剤や頭痛薬としてサリチル酸系の製剤は 出血やとアシドーシス血液の酸性化を助長するので禁忌とされています。 アセトアミノフェン製剤の使用が好ましいですので鎮痛剤や解熱剤も勝手に使わないようにして下さい。 デングショック症候群(DSS)やデング出血熱(DHF)ではもちろん直ちに入院し輸液,輸血,酸素吸入の他へパリン,ミラクリッド,フサン,エフオーワイなどの特殊な薬の 投与を行います。

デング熱のワクチンは実用化されていません。 予防は兎に角「蚊に刺されない」ことです。 外出するときには「長袖の衣服にする」,「蚊取り線香」,「蚊避けの薬」,「蚊帳を使用する」 などありとあらゆる手段を用いて蚊に刺されないようにしましょう。ネッタイシマカは昼間吸血性です。


「漏斗胸」について教えて下さい。(96/09/10)

娘の事でご相談致します。娘は00歳の時脳内出血で2度手術を致しました。その後 2年ほど経って胸が窪むのに気が付き医者に見せまし所ロート胸で手術が必要と言われま したがその時はもう手術はいやだといいましてやりませんでした。しかし今00歳になり自 分の容姿を気にするようになって悩んで居るのを見るにつけ心が痛みますが、その後00歳 に脳内出血が再々発して手術をしておりこれ以上手術をするのは恐ろしいですので何とか よい方法はないものでしょうか、よろしくおねがいいたします。

96/09/15

差し障りがあってはと考え年齢は伏せました。

漏斗胸の手術は大体皆様1週間の入院で退院なさる,手術のなかでは小さなものです。

現時点では手術に代わる方法はありません。いくつかのつらい手術の経験から悩まれるお気持ちは良くわかりますがなんとか勇気をもって手術を 受けてみようと言うお気持ちにはなれないものでしょうか。

それから私が気になるのは「脳出血」の原因です。 「脳出血」と「漏斗胸」の共通の原因があるのかもしれません。

それはかなり専門的に検討しないと「共通の原因は不明」のままその場限りの処置を することの繰り返しになります。

「脳出血の原因」についてはどのように言われていますか?


「アトピー性皮膚炎」と「有馬温泉病院」について教えて下さい。(96/09/12)

アトピーで悩んでいるものです。有馬温泉病院について、もっと詳しくお聞きし たいと思います。

96/09/15

私は「アトピー性皮膚炎」と「有馬温泉病院」についてはお話を始めると何時間でもお話したいことがあり、 到底このページには治まりそうにありません。

ステロイドに頼り,場合によっては執着する情けない皮膚科医が一部いるとの 話を聞く度になさけないやら腹立たしいやら の思いをしてきました。

また、逆に温泉療法の効き目を盾に取ってもうけ主義に走る人がいることを知り,それを 知らぬふりをするしかない権威ある医師達のなさけなさは,ニュースに良く出てくる 「元帝京大学の某医師」と同じ構図を見る思いでいつかは問題になると考えています。

それは兎に角として「アトピー性皮膚炎」でお困りの方はまず私のホームページの 「アトピー性皮膚炎」のページをご覧下さい。少しはお役に立つのではと思います。

又,柘植書房(つげしょぼう)より出版される 「アトピー性皮膚炎講演記録集」も参考になさって下さい。皆様に申し上げたいことの一部を載せてあります。 「有馬温泉病院」に関してのお話も尽きませんが柘植書房の本やその他の新聞,テレビ報道などで発表しています。

なお「有馬温泉病院」でのアトピーの温泉療法は別の事情により中心となって指導に当たっていた 私が退職する時点で大変残念なことながら中止することになりましたのでご承知おき下さい。

この間の経緯を特別どうしても知りたい方は別途御連絡下さい。


妊娠中の貧血の対処法を教えて下さい。(96/09/10)

妻が妊娠中で検診の結果、貧血と診断されました。 なにかよい対処法があったら教えてください。

96/09/15

妊娠中の貧血はほとんどの場合は「鉄欠乏性貧血」です。 しかし中には他の原因の「再生不良性貧血」「溶血性貧血」「失血性貧血」などの可能性も残ります。

まずご担当の先生に上記のいずれなのかはっきりと診断を受けるようにしましょう。診断の結果により当然のこと治療法も異なってきます。

以下この診断の結果が最も頻度が高い「鉄欠乏性貧血」であった場合についてお答えします。

ヘモグロビンという検査の結果が11g/dl以上の場合は食事療法で頑張ってみてはいかがでしょうか? それ以下の場合は鉄剤の内服が良いでしょう。注射は出来るだけ避けるようにします。内服剤としては 「フェロミア」という薬が副作用が少なくてお勧めします。

食事療法としてはもちろん「ほうれん草」「レバー」などの鉄を特に多く含む食材を使った料理を 考えて下さい。他に魚介類,肉類,卵なども取り入れるようにしましょう。


爪が深爪で延びません(96/09/12)

6歳の女児の手足の爪が2ヶ月程前から延びなくなりました。 特に足の方は質が 柔らかく、深爪の様な状態です。こんな事があるのでしょうか?

96/09/15

単に爪が柔らかくなる状態としてはレチノイド(ビタミンA)の 副作用の場合があります。ビタミン剤は医師・薬剤師によく相談してから内服するようにして むやみに飲まないように気をつけましょう。逆にカルシウムなどの栄養状態はいかがでしょうか?

このほかに爪が出来にくくなる状態として「nail-patella症候群」「Zinnsner-Fanconi症候群」 「外胚葉形成不全症」「色素失調症」「Werner症候群」「先天性表皮症候群」などたくさんの 珍しい病気もあります。

先ず近くの皮膚科で「かび」などによる単なる「爪囲炎」のような病気ではないか 確認してもらうことをお勧めします。もしそうでなかったらかなり大きな病院で上記のような病気に ついて調べてもらう必要が出てきます。


都内の「足の専門医」を教えて下さい。(96/09/12)

足の裏の神経が歩くと圧迫され痛みが出るようになりました。 アメリカのよう な足の専門医が都内にあれば教えてください。

96/09/15

ご指摘のようにアメリカには丁度日本での歯科医と同じように足だけの専門の医師がいて 試験制度や免状等も一般の医師とは別になっていました。私が米国のコロンビア大学に留学していたときの 実験助手も「足の専門医」の学校の入学試験準備をしていたのを覚えています。

日本では主に整形外科,皮膚科その他がそれぞれ分担している形になっており,足だけの専門の科など もありません。「足の専門医」として知られる先生も私の知っている限りではいらっしゃいません。

昨年度の「全国病医院情報(日本医療企画)」では「足の形の異常の専門治療を行っている病医院」として 都内では杏林大学,帝京大学,慈恵医大を挙げていますがこれは扁平足などを専門としている ものでご質問の内容とは少しずれるようです。

このページの2つ前のご質問の「『膝とくるぶし』が痛いのですが」というののお答えも参考になるかもしれません。 お読み下さい。


「ベーチェット病」について教えて下さい。

私の弟が病院にてベーチェット病という難病と診断されたとの事で非常に落ち込 んでいます。私たち家族兄弟には詳しい状況がわからず心配しています。そこでベーチェ ット病とはどの様な病気で,完治可能なのか,それにはどの様な治療法があるのか,など お教え願います。よろしくお願いします。

96/09/15

「ベーチェット病」は原因不明で口の中,皮膚,目など全身に炎症をきたす病気です。 炎症を繰り返して治るまでに長くかかることが多いやっかいな病気とされてきました。

原因は不明ですが血液の中の「白血球(特にその中の『好中球』)」や「血小板」の機能が 異常に亢進することが関係していることが分かってきています。

口の中の症状としては「アフタ性潰瘍」といって口内炎を繰り返します。皮膚は赤くなった湿疹のようなものが 出たり,特に「とびひ」のようなものが出やすいのが特徴です。目は「ぶどう膜炎」といってひどい場合には 目が見えなくなる人もいます。実際,日本の男子成人で「目が見えなくなった」というひとの多くは この病気によるものです。このほかに陰部に「潰瘍」ができたり「関節炎」,「副睾丸炎」や消化器の症状 神経の症状なども出ることがあります。

検査としては「血沈」の値が高くなったり,「血清CRP陽性」,「末梢白血球増加」,「血清IgD増量」などが 血液の検査で簡単にわかり診断の参考になります。HLA-B51陽性という特殊な検査も参考にされることが あります。最もこの病気に特徴的なのは採血や点滴、注射の針を刺したあとが「とびひ」のようになる 「針反応」という状態です。こういうことがあれば診察の時に必ず医師に申し出て下さい。

"乢B$?$A$N0-$$IB5$!W$H=q$-$^$7$?$,!":G6a$G$O<#NEK!$N?JJb$d1R@8>uBV$NJQ2=$+$i$G$7$g$&$+!";d$?$A$, 医師になりたてのころとは随分と違い軽症で早く治ってしまわれる方が多くなりました。失明など悲惨な 状態にまでなる方も少なくなってきていますので何年か前の 家庭医学書を読んで病名だけで悲観しないことです。

治療にはステロイド(副腎皮質ホルモン)の内服を中心に局所的に口内炎の薬を塗ったりします。

日常生活では過労やストレス,季節の変わり目や寒冷時,月経前,抜歯や歯の治療一般などで症状の増悪や誘発に結びつくと思われることが 経験されることがあると思います。そのような場合にはこういう外的刺激は避けるようにします。 急に身体を冷やしたり,過労を避けることです。冬季や季節の変り目,寒冷前線通過時, 女性では月経開始前後を中心に過労を避け,保温を心がけ,食事については,特に これは食べてはいけないというものはありませんが,口腔粘膜の「アフタ性潰瘍」がたくさんにできているときには カレーなど刺激物の摂取は控えたほうがよいでしょう。これと合わせて口の中はいつも清潔にするように こころがけます。


「膝とくるぶし」が痛いのですが

私の母親のことなんですが、毎朝起きる時に左足(くるぶし周辺)が痛くて起き られないんです。歩くのもやっと、という感じです。いったん歩き出すと平気らしいんで すが、今度は座ってしまうと立つ時にひざが痛いらしいんです。筋肉が引っ張られるよう だ。と言っています。母は今年46歳です。ちょっと太りぎみです。何かアドバイスって言 うんじゃないですけど、お願いします

96/09/15

メールの内容からは「足根管症候群」や「変形性膝関節症」などが考えられます(正確な診断は整形外科で診察を受けて下さい)。

「足根管症候群」とは足の内くるぶしの下の骨とその周りのすじとでできたトンネルの中を走っている 神経が締め付けられて起こる病気です。原因としてはこのトンネルの中にいろいろなものができたりすることが多いです。 足の内くるぶしの下が腫れていたり,押したり軽く叩くとひびく場合にはなおさらこの病気が考えられます。

「変形性膝関節症」は膝の関節の疲労現象でひどくなると水がたまってくることもあります。

これらの疾患はいずれもしっかりとした診断を受けることが先ず大切です。治療法としては病気のところに ステロイドの注射をしたりどうしてもという場合には手術をしますが普通はそこまでしなくても, サポーターや貼り薬,塗り薬,リハビリなどで治ります。

アドバイスとしては,「ちょっと太り気味です」とのことですが肥満は膝や足の関節に強い負担をかけますので注意しましょう。 次に階段や勾配の急な坂道の上り下りも避けます。日本間での正座も失礼させてもらうのが大切です。


「慢性疲労症候群」の治療法を教えて下さい。

CFS(慢性疲労症候群)の有効な治療法を、あれば教えて頂きたいのですが

96/09/14

確立した特定の治療法があるわけではありません。

ですから高名な大学病院の教授に診察を受けたから治るなどという種類の単純な病気ではありません。

まず「慢性疲労症候群」という診断が正しいかどうかが大きな問題です。 「実は 『癌』や『膠原病』などが隠れていた」などとあとになって分かっても困ります。 慎重に検査をして下さる先生について診断をしてもらって下さい。

治療については実力のある先生でしたら個々の患者さんに合った治療法を検討してくださるでしょう。

特定の薬に拘るのではなく例えば漢方の「補中益気湯」「十全大補湯」「加味逍遥散」なども含めて前向きに 検討して下さる先生を相談相手にできると随分と助かります。

いずれにせよ一筋縄には行かない病気です。先ず精神的に負けてしまうことなく持久戦の構えを取られることをお勧めします。


「メニエール病が長引きますが」(96/09/10)

55才の母のことで、ご相談させて頂きます。3年前にひどいめまいと吐き気があ り、メニエール病と診断されたのですが、それ以後、投薬治療だけで大発作はおさまって いたのですが最近になって、また起き上がれないほどの発作がありました。メニエール病 とは、こんなに残る病気なのですか?メニエール病になったひとの話はよく聞くのですが 、こんなに長引く人の話は聞いたことがないのですが。発病して以来、右耳がかなり遠く なり耳鳴りがするそうです。よろしくお願いします。

96/09/11

「メニエール病」という病気は「めまい」だけではなく「難聴(なんちょう、耳の聞こえが遠くなること)」 や「耳鳴り」も合わさって,しかも これらが繰り返す病気のことをいいます。

「耳鳴り」も「難聴」も無くて「めまい」が一回あっただけで 「メニエール病」と医師から言われることがよくありますが, それはあくまでも便宜的なものであり医学的には正確な診断名ではありません。 そういう場合には実際には単なる「内耳炎」や「良性頭位変換性めまい」であったりして一回だけで 治ってしまいご本人は「メニエール病が治った」と信じておられることがとても多いのです。

質問者の場合「耳鳴り」「難聴」もあり「便宜的な」メニエール病ではなくて「本当の」メニエール病 で正しい診断を受けておられると考えられます。 「本当の」メニエール病は数年も繰り返すこともしばしばあります。

「メニエール病」は文明の進んでいない 原始的な生活を送っている人たちにはみられないことが注目されている病気です。 専門的な治療の他にストレスをなくすような工夫で治ることが 多いのもこの病気の特徴です。

「耳鼻科」や「神経内科」で「めまいの診療」を専門と しているところ,または「脳外科」などで専門的にしっかりとした 診断を受けるとともに治療については,よく相談に乗ってくれる家庭医,場合によっては「心療内科」 や「東洋医学」なども役立つことがあります。あせらずじっくりと療養なさって下さい。


「お腹が張って苦しい」(96/09/06)

4日〜5日前からお腹が張って苦しんでいます。便はゲ リ気味なんですが回数は少なく小便も小量です。お腹の底に廃棄物が貯まっているような 気がします。食事も小量で満腹になってしまいます。下剤や胃薬を飲んでいますが、効き目がありません。

96/09/10

メールでもすぐにお答えしましたとおり、 こういう状態のときには一人で悩んでいないで兎に角早めに 近くの病院か医院で診察を受けられるようにお勧めします。 腸閉塞(イレウス)といって腸が詰まってしまう状態になってしまうことがあり,そうなると おなかを開ける手術が必要になる場合もあります。

単なる便秘だけの場合なら良いのですがおなかの中,特に 大腸の中にできものが出来ているのがみつかることもあります。

8月上旬のご質問の「病院に行く暇がないのですが」の答えもご参考にされお大事になさって下さい。


「潰瘍性大腸炎」について教えて下さい。(96/09/5)

私の妹(19歳)が、「潰瘍性大腸炎」と、診断されました。 この病気について 詳しく教えていただけないでしょうか?

96/09/11

比較的若い人に多く血液の混じった下痢を特徴とするはっきりとした原因は不明の病気です。

「クローン病」という病気にも似ています。 良くなったり悪くなったりを繰り返すこともありやっかいな病気とされますが,大概は「ステロイド」 「サラゾピリン」などの薬の内服などで治まり,手術まで必要になることは少ないです。

極く最近には8月中旬のこのページで「クローン病について」 という欄(参考になると思いますので是非ご覧になって下さい)で書きました 「メサラジン」という良い薬も出てさらに治療がしやすくなってきています。

長年患っておられるというのではなく, 初めて「潰瘍性大腸炎」という診断を受けられたとのことでしたらなおさらのことあまり悲観的に 考えられなくて良いでしょう。

どの病気にでも言えることですが特にこういった長期にわたる病気では, 食事内容や生活面にまでこまめに相談に乗って下さる,できたら 身近な消化器内科の先生に診て頂けるとたすかります。


妊娠中の「おたふくかぜ」の予防接種は安全でしょうか。96/09/04

二人目の子を計画中ですが,妻(33歳)が「おたふくかぜ」をやっていません 。予防接種は安全なのでしょうか。

96/09/05

まず、妊娠していることが明らかな方の「おたふくかぜワクチン」の接種は禁忌(きんき:してはいけないこと)とされています。 お二人目のお子さまをご計画中とのことでしたら十分にご注意下さい。

次に,妊娠中にかかると奇形児を出産する可能性が高い病気として、「風疹」「トキソプラズマ感染症」 「サイトメガロウイルス感染症」「ヘルペスウイルス感染症」などがありますが「おたふくかぜ」は これらの病気ほどは奇形児出産の可能性は高くはないと考えられています。

「おたふくかぜ」は不顕性感染といって感染をしていても ご自分では気がつかれていないことも以外と多く30%から40%と考えられています。ですから 日本人の成人の90%は既に抗体を持ち,実際のところほとんどの人が気がつかなくても「おたふくかぜ」にかかったことがあるわけです。

もしご心配でしたらまず抗体の検査をされるとかかったことがあるかどうかがある程度分かりますので その上で予防注射のことを検討されるようお勧めします。そのときには又相談にのりますので検査結果を御連絡下さい。

「おたふくかぜ」のワクチンを打ったあと3週間前後の無菌性髄膜炎の発生は現時点では1200人に1人の割合と されています。これ以外には「おたふくかぜ」に似た「耳下腺の腫れ」が2ー3%に、他にはまれに風邪のような症状が出ることがあるだけです。(96/09/23改編)


「多発性骨髄腫」について教えて下さい。96/09/01

祖母が「多発性骨髄腫」といわれました。初めて聞く病名で心配です。詳しく教えてください。お願いします。

初めて聞かれる病名でさぞご心配のことと思います。

「多発性骨髄腫」という病気は60歳以上の方に普通「腰痛」、「倦怠感(体のだるい感じ)」などで始まることが多いです。 原因は形質細胞(けいしつさいぼう)という白血球の一種が勝手に増えて活動を始めるためにおこります。

形質細胞は本来「免疫(めんえき)グロブリン」という液体を作って外から侵入した細菌などの 外敵を殺す免疫作用に役立っているのですが これが必要以上に増えてしまうためにさまざまな不都合が生じてきます。血液中の「免疫グロブリン」が増え、 尿中にもでてくることもあり腎臓(じんぞう)に障害をきたします。形質細胞が多く住んでいるのは骨髄(こつずい、骨の中心です)で このため骨がもろくなります。

「免疫グロブリン」が異常に増えることでこの病気を疑うわけですが、"乢BB>$N0-@- 「骨髄穿刺(こつずいせんし)」と言って胸の前の骨(胸骨)や腰の横の骨に少し太めの針をさして 骨髄の細胞を取り出し顕微鏡で調べる検査が重要になります。

治療はメルファラン(商品名アルケラン),ビンクリスチン(商品名オンコビン)などの薬を飲んだり、 注射をしたりします。場合により,放射線を当てることもあります。

病気の治療中には腎臓の機能や血液中のカルシウムが多くなりすぎないように気を付ける必要があります。 どうしても腰の痛みが強くなり普通の薬では効かないこともあり,そういう場合には私は「MSコンチン(エムエスコンチン)」という 薬を使うこともあります。舌の縁(ふち)にかたいものができたり皮膚に出血斑(内出血のようなもの) が出来ることがありますがこれは「アミロイドーシス」という病気が合併した為です。

専門は「血液内科」ですが「整形外科」や一般の内科でも扱うことの多い病気です。長期にわたって 診て頂く必要のある場合が多いですので,最初はある程度専門の先生に診て頂いたとしても自宅近くの こまめに診て下さる内科系統の先生にも良くお願いしておくのが良いでしょう。


「微熱,だるさ」が続きます。96/08/27

29歳女性・既婚です。朝寝起きが悪く、眠気が取れずかつ微熱(37度程度)が毎 日続きます。体がだるく、動く気になれません。

96/08/28

「寝起きが悪い」のはこの欄で8月21日にお答えした 「低血圧症」の症状の一つでもありますが血圧の値は いかがでしょうか?

「低血圧症」の場合にも体がだるくなることもあります。「低血圧症」自体はかえって 長生きするくらいですからさほど心配する必要はありません。しかし、「低血圧症」だけでは 微熱が毎日出るのは説明できません。

微熱は原因として悪性の疾患の場合もありますので ある程度の診察と検査は受けておく必要があります。診察の結果が出ましたら又ご相談下さい。

それから 「体がだるく,動く気になれない」というのが少し気になります。「うつ状態」の可能性があるからです。 特に「仮面鬱(うつ)病」といって体の症状で隠されているような状態も考えられます。 食欲が無く、夜眠れない、朝早く目が覚めてしまう、もの悲しい、将来が不安、意欲が低下するなどのときには この「うつ状態」の可能性があります。こういった場合には「心療内科」の受診をお勧めします。


「こうげん病」とは? 96/08/20

こうげん病とはどんな病気なのでしょうか

96/08/22

「膠原病」とはおおよそ「自己免疫疾患」と同じです。 詳しくは,下記新聞の健康質問欄で私がお答えしたのをご覧下さい。詳しく解説しております。 膠原病(新聞健康欄)

私のこのページの「自己免疫性肝炎について(96年7月)」のご質問の回答も参考にして下さい。


超音波診断で「肝血管腫」と「腎石灰化」といわれましたが? 96/08/21

40歳の人間ドックの超音波診断で,肝血管腫と右腎石灰化と診断されMRIの精密 検査を受ける予定ですが,どういう病気か教えて頂けないでしょうか?それ以外では,総 /直接ビリルビンが少し高いという結果で,それ以外に異常ありません.よろしくお願いいたします.

96/08/22

「肝血管腫」というのは生まれつきある肝臓の「赤あざ」のようなものです。 正しい診断でありさえすれば,よほど大きくならないかぎりほうっておいてもじゃまにもならず心配いりません。 超音波の検査である程度判断できますし、MRIでは特にT2という撮影方法で強く白く写ってくる 特徴ある様子で確認しておくと小さな肝臓癌などと間違う可能性がさらに少なくなり安心です。

「腎石灰化」は腎臓の中にカルシウムが沈着する状態を言います。 さまざまな代謝異常、感染症,膠原病などの腎臓の病気でも出ますが, 他の検査で異常の無い場合は殆どが体質的なもので心配は要ら無いことが多いです。 腎臓、血液中のカルシウムの検査などで異常がなく、ビリルビンが少し高いというだけで 特別な症状もなければ心配ないでしょう。


「血圧の低下,胃の痙攣」ですが「自律神経失調症」ではないですか? 96/08/19

母の病気についてなのですが、母は月に1度位、血圧の低下、胃の痙攣などで2 日程寝込み快復します。病院で見てもらっても胃酸が多いだけと言われますが、 自律神経失調症ではないでしょうか?

96/08/21

本当の意味での「自律神経失調症」としては「シャイ・ドレージャー症候群」というのがあります。 これは1月に1回などというものではなく、殆ど毎日のように「立ち上がると目の前が暗くなる」という 「低血圧(詳しくは「起立性低血圧」と言います)の症状が出る困った病気です。どうもこういう病気では なさそうですね。

一般に使われている「自律神経失調症」という言葉は「自律神経の調子が悪い」という ずっと軽症のものを便宜的に(正式な,厳密な意味での医学用語ではなく),言うことが多いですが,この場合には「シャイ・ドレージャー症候群」のように 重症の困った状態ではありません。おっしゃるようにお母様の状態もこれかもしれませんね。

一般的に「低血圧症」の方も「胃腸の不調」を訴えられることが多いです。「胃腸の不調」のみでなく、 「朝起きづらい」,「目の前が暗くなって倒れたことがある」,「心臓がどきどきする」, 「がんばりが効かない」,「食欲不振」,「睡眠不足」などの症状がいくつか重なってある場合で 日頃から血圧が上で100近くの人はこの可能性もあります。「低血圧症」の 人は日頃からいろいろな症状で「病院通い」が耐えませんがその割には長生きをされるのが特徴です。 何日も徹夜をしたりなど血圧の高い「頑張り人間」とは同じように仕事は出来ませんが、細く長く生きるタイプですので, ご自分のペースを守ることが大切です。

「胃の痙攣」の状態によっては胃カメラ,胃のバリウム検査で「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」 場合によっては「胃ガン」がないことを確認しておいてもらった方が良いです。腹部CTや 腹部超音波検査(エコーとも言います)で肝臓、胆嚢,膵臓などの臓器のチェックもしておいてもらうと 良いでしょう。「胃痙攣」と思っていたら実は「胆嚢結石」だったなどということはよくあります。 これらは苦しい検査ではありません。「胃カメラ・胃のバリウム検査」については 7月末ころのこの欄に詳しく解説したと思いますのでそちらもどうぞご覧になって下さい。


「首のしこり」について教えて下さい 96/08/12, 96/08/18

5週間ほど前から微熱と首のリンパ節に大きなしこりが、数個できています。考 えられる病気は何があげられますか。よろしくお願いします。

96/08/18

差し支えなければ年齢を教えて下さい。伝染性単核球症や、歯の病気などが多いですが、決めつけれません。病院にはいかれ ましたか? 私の答えも参考になさるのは良いですが、その前にまず近くの病院を受診して下さい。


(先日の”医療相談”の詳細経過 96/08/18)

こんにちは、先日メールを送ったOOOと申します。 病気の詳しい経過を記します。 7月初旬に微熱が出始め、風邪だと思っていたところ、1週間たっても熱が下がり ません。

病院で診察を受けたところ、首のリンパ節にしこりがあり、炎症を起こしていて、 その炎症がおさまらない限り、熱は下がらないと診断されました。 その後、週に一度診察してもらい、血液検査、尿検査を受けましたが、異常はなく医師か らは、それほど心配はいらないと言われ、もらった薬を飲み続けました。

 発症から4週間後には、熱もようやく下がり安心していたところ、8月9日ごろに首に 軽いはりを感じたので触ったところ、以前とは別の場所に3個、親指のつめぐらいの、 大きなしこりが、皮膚から少し盛り上がった感じで出来ているのです。 熱は37度ちかくまで平熱が上がってきました。

 私が疑問に思うのは、何の病気なのか、さっぱりわからないことです。 病院に行ってもどのような病気なのか説明もなく、あまり心配しなくても良いと言われま す。

他の病院で診察を受けたほうが良いのでしょうか。

その際、内科なのか、皮膚科なのか、どこの科で診察すれば良いのでしょうか。 ぜひ先生の御意見を頂ければ幸いです。

よろしくお願いします。 (OOOO)29歳

96/08/19

リンパ節が腫れてているとすれば、やはり若い人に多い「伝染性単核球症」が最も考えら れます。この場合血液の白血球の検査で「異型単核球」というのが増えてきたり、血清反 応の「ポール・ブンネル反応」というのが陽性に出たりします。これらの検査がはっきり しない例もあります。他に肝臓や脾臓が一時的に腫れたりすることもあります。

「病名は何ですか」「考えられる病気は何々があるのですか」「こういうことはしばしば あるのですか」とお伺いしてみてはどうでしょうか。場合に寄っては「伝染性単核球症 というのをきいたことがあるのですがそれとはちがいますでしょうか?」 とでも伺ってみてはいかがですか?

リンパ節の固さや動き方いかんによっては別の病気を考えて,そのリンパ節を取って検査をした方が良い場合もありま す。納得のいくように説明して下さらない場合には転医も考えて良いでしょう。


「アトピー」について教えて下さい 96/08/18

親類縁者にアトピー患者が多いので、アトピーに関する新しい情報を沢山教えて ください。

96/08/18

「アトピー性皮膚炎」については,有馬温泉病院の院長をしておりましたときに 大変多くの重症のアトピー性皮膚炎の患者さんが温泉療法に来られ私が殆どすべての患者さんの 主治医として担当しました。
たくさんの患者さんたちが大変苦労してステロイドから離脱され,ほとんどの患者さんがとても良くなって退院されていく姿を つぶさに拝見させて頂きました。この時の治療経験から私は「アトピー性皮膚炎」については 特に重症の患者さんに対してお話したいことがたくさんあり,この欄のみでお話しきれません。
かいつまんで書きますと

などの点が大変大切と考えています。
アトピーで医師にかかるときには,少なくとも「この塗り薬にはステロイドが入っていますか?」 と勇気を持って尋ねるように習慣付けましょう。 「この塗り薬にはステロイドが入っていますか?」と尋ねていやな顔をされたり、 ましてや怒りだしたりする医師であれば重症のアトピーの患者さんの治療には向いていません。 早めに失礼した方が賢明と私は考えています。
始めに申しましたように「アトピー性皮膚炎」についてはたくさんお話したいことがあり、 すべて書ききれませんが,近々私のホームページの「アトピーのページ(/atopy.html)」 を大きく書き換えますのでお待ち下さい。この新しいホームページには 「神戸新聞」「読売テレビ」「アトピー協会新聞」など私の治療法についての報道や 近々柘植書房から出版される私の著書などの情報も入れて, たくさんの動画も入れて詳しく発表する予定ですので もう暫くお待ち下さい。この8月18日の時点でアップしている 「アトピーのページ」は文章だけでつまらないのではと思います。
もちろん、アトピー性皮膚炎についての具体的なご質問があればどしどしこの欄にご質問下さい。 喜んでお答えします。


「背中の痛み」と「紫斑」について教えて下さい 96/08/13

OOに住んでいますOOと言います。  私の妻(26)が4ヶ月程度前から背中の痛みを訴えております。  外科で2回レントゲンを撮ってもらいましたが、異常なしとの判定でした。  しかし、今でも痛く、特に朝起きたときが一番痛いそうです。体の中から背中 を押されるような痛みです。  単に腰痛の一種と考えて良いのでしょうか。  対策はないでしょうか。  もう一つ足に紫斑(直径1cm程度)ができては消えることを繰り返しています。  その部分がひりひり痛むこともあります。これも病院で何回か血液検査を受けました が問題はありませんでした。  症例がありましたら教えてください。

96/08/16

4ヶ月もの間、背中の痛みが続くのは普通考えられないことです。 私もそういう患者さんの経験がありません。痛みの程度にもよりますが、単なる気のせいでは 無いようでしたら,単純X線の検査のみでなく、CT,MRIなどを含めて精密な検査を 受けられるよう私の患者さんでしたらお勧めします。精密な検査には設備の整った病院の内科、整形外科 での相談が良いでしょう。原因検索と治療は一筋縄にいかないことも予想されます。そういうときは 場合によっては麻酔科の疼痛外来が役にたつことがあります。
もう一つの「足の紫斑」とのことですが通常の紫斑の出方とは違います。「その部分がひりひり痛む」 というのも紫斑では普通考えられません。皮膚科の専門医で「紫斑」と言われたのでしょうか? この「紫斑」といわれているところの症状をもう少し詳しく教えてもらえますか?


「足の裏のほくろ」について教えて下さい 96/08/06

足の裏にほくろがあると癌になる可能性があると耳にしたことがあります。 其 の辺りのお話しが聞きたいです。宜しくお願いします。

96/08/08

大変重要な質問です。
皮膚の癌の中で「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」と呼ばれる 真っ黒なほくろのような癌があります。
日本人の場合,「足の底」「爪の下」「粘膜」に特に多くできます。
ですから,前は何ともなかった皮膚(足底,外陰部や口腔粘膜も含めて)や爪甲下(爪の下)に, 新らしく色素斑(ほくろのようなもの)が出てきた場合,それから前からあった 色素斑(爪の色が変わったすじも含めて)やほくろが短かい間に変化を起こした場合は要注意です。
質問者がおっしゃる「足の裏にほくろがあると癌になる可能性があ」というのは この日本人に多い「足の底」の「悪性黒色腫」に気をつけよという誠に的を得た忠告です。
皆さんも「足の裏」に新しくほくろができたり、前からあったほくろが急に変わった時 (3か月位で,大きさ,盛り上がり,色の様子や濃淡,形や縁取りがまばらになるなどのどれか の変化を示したとき)はすぐに皮膚科専門医の診察を受けるようにして下さい。


「コレステロール」について教えて下さい 96/08/03

先日献血をした際、CHOL(コレステロール)が、256mg/dl でした。一度病院で 検査を!と書かれてありましたが、やはり病院でみてもらったほうがいいのでしょうか? もし食事とかで対処できる程度のものでしたら、どうすればいいのかお教え頂きたいのです。

96/08/08

血液中のコレステロールの濃度を下げるだけでしたら「一度病院で検査を!」 という忠告を無視して「食事とかだけで」済ますことも可能かもしれません。 しかし「コレステロール」の値のみでなく「コレステロール」が高いときに 合併しやすい「高尿酸血症(痛風)」「中性脂肪」「動脈硬化症」などいろいろな病気に関する検査も 同時に必要な状態かもしれません。折角の忠告ですから守られて病院に行かれることをお勧めします。
「コレステロール」を下げる為には,まず3度のお食事はしっかりとることが大切です。 朝御飯を抜いたりせず夕食は早めに済ませます。夜遅くに帰ってきてビールを飲みながら夕食という パターンが一番いけません。次に卵の黄身、お肉の脂肪分などを極力減らし、野菜類を増やします。 しかし食事のバランスをたもつことも重要で、1日に30種類のものを食べるようにして下さい。 30種類というと「そんなの無理です」という人もいますが、バランスのとれた食事をする最も 簡単な方法ですので是非実行しましょう。たとえば朝ご飯は、ご飯に味噌汁、味噌汁の中に 豆腐、海草類、小魚を入れればここまででもう5種類になります。焼き海苔に煮魚、 レタス、食後に果物をつければ朝ご飯だけでも10種類ちかくになります。昼食と夕食もこの調子で いけば一日に30種類は可能です。 こういう普通の努力を毎日続けることが重要なのです。
食事療法で安易な方法を考えてはいけません。


「腺筋症」について教えて下さい 96/07/30

標題: 腺筋症についての御相談です 宛先: '足立医師' はじめまして。OOOOと申します。 私の友人(女性、31歳、独身、東京都OOO区在住)の話しになります事を、最初にお 断り申し上げておきます。 ある病院で診察して頂いた結果、腺筋症であると診断されました。(MRIも使用したそ うです) 担当医師の話しでは、子宮全摘出しかないと言われたそうです。 まだ病院は1箇所しか回っていません。 子宮全摘出以外に本当に治療する方法は無いものか、と他の病院も回って見るべきだと考 えているのですが、 心当たりがありません。 是非ともアドバイスをと思い、メールをお出ししました。 曖昧模糊な情報だけで申し訳ありませんが、何卒宜しくお願い申し上げます。

96/08/08

「子宮筋腫」だけの場合には相当大きいものでも「核出術」といって子宮をそのままにして 子宮筋腫のところだけを「くりっと」取り出すことができますが、「腺筋症」の場合,あるいは 「子宮筋腫」であっても「腺筋症」が合併している場合には,程度にもよりますが 根本的に治療するには子宮全摘出術しかないのが現状です。
MRIまでやってもらっているとのことですし、メールの内容からして、あまり病院を転々とせずに 「お薬(内服薬、点鼻薬,注射などがあります)だけで様子をみていけるような程度ではないのか」、 「手術を先に延ばした場合にの弊害が出そうな程度なのか」などを,今通院中の病院で良くお伺いになるのが 良いと思います。
万が一詳しく説明をしてくださらないような場合には,別の病院にかかられることをお勧めします。


「不整脈」について教えて下さい 96/08/04

お忙しいところ恐れ入ります。不整脈についてです。このページの質問とお返事 の例にもありましたが、宜しくお願いします。私は今修士2年で、先日就職先として内定 した会社で健康診断を受けたところ、心電図で不整脈を指摘されました。 「ぽんぽんぽーん、と結構出ていて気になる」その場で言われました。小学生の時一 度、聴診器で不整脈が見つかったのですが、その後検査の結果異常なしとのことでした。 中学校と高校の間に、学校で2〜3回、心電図の検査がありました。安静時と、踏み台昇 降をしたあとです。

96/08/05

「不整脈(脈のみだれ)」についての質問が多いですね。「不整脈」にはいくつも 種類があって自覚症状(自分で気が付く症状)の強さと病気の怖さが全くばらばらです。夜中に「ドキン」と 心臓が大きく打ってびっくりさせられるような自覚症状があっても良性の「心室性期外収縮(しんしつせいきがいしゅうしゅく)」 でまったく病気と考えなくても良い不整脈もありますし、一方,今までにほとんど自覚症状がなくても いったん不整脈が始まったら、適切な処置が施されないと,数分後には心臓が止まってしまうという恐ろしい ものまでたくさんの種類があるのです。あなたの文面からは先程書いた良性の「心室性期外収縮」が 最も考えられますが、診断が一つ間違えば命に関わりますので是非専門医の診察を受けて下さい。 私の患者さんには良性の不整脈の場合でも最低限心臓のエコー検査を受けるようにお勧めしています。 苦痛を伴わない検査の上かなりの情報が得られるからです。必要に応じて24時間心電図を取る 「ホルター心電計」というので調べます。これは結構たいへんな検査ですが 重要な情報が得られることも多いですので是非にと言われた場合には頑張って受けるようにして下さい。 受診科はもちろん「循環器内科」が良いでしょう。


「O-157」について96/08/01

O-157についてどうおもわれますか?

96/08/04

O-157発生後の大阪大学小児科、堺市民病院などからのインターネット発信、ニフテイサーブでの 症例検討会FCASE19番会議室などのネットワークで素晴らしい情報交換がなされていて、 これらにつながっている医師は常に最新の情報を持って診療にあたることができたのはとても良かったと 思っています。阪神大震災のときにはパソコン通信主導インターネットは副という状況だったようですが 徐々に変わりつつあるようです。

しかし、これだけ新しい情報が入る手段がありながら一般病院単位ではパソコン通信もインターネットからの 情報も医師会からのファックス待ちというところが多かったように聞いています。 各医療機関にパソコンの端末1台位は置いてこういう時に対処できるようにしたいものです。

発生当初堺市では「明日から給食の材料をチェックして回る」などとニュースで言っていましたがなぜ「 明日」なのでしょうか?厚生省あたりからの通達で「堺市の小学校に給食材料を提供している業者は本日より 全ての材料を保存しておくように」という指示なり依頼なりを出すことはできたはずです。堺市の 数少ない保健所職員たちで翌日になってから「堺市以外から納入している 業者には権限がなく1軒1軒お願いしてまわった」などと新聞には書かれていました。とんでもないことです。 この1日延ばした為に原因究明にわからなくなることもあるはずです。どうして堺市にまかせたのでしょうか。 それから"乢B<#NE;X?K!W$b$b$C$HAa$/ 今後は消毒薬、検査試薬などの確保と配給を是非お願いしたいと思っています。

「狭心症」について96/08/01

5*才。男性。 40才くらいより高血圧。(下が高い)高圧剤服用なし。 今年2月に息切れなどの症状がる。 心電図により即、狭心症と診断される。 その後負荷心電図などの検査でも症状顕著。 冠動脈造影検査により、99パーセントと、75パーセントと、60パーセーント の狭窄箇所有りとのこと。薬7〜8種類を服用はじめる。 4月に99パーセントの狭窄箇所をバルーン形成術により矯正。 その後体調快調、 坂などでは息切れ。 3カ月後(*/**)に治療箇所を造影検査。… …完璧に再狭窄。見事に元に戻っているとのこと。その都度ビデオで見せてもら っていますが、前より狭窄箇所が長くなったような・!? 明日(*/**)再バルーン形成術を受けます。 前よりも太い管(3.2mm程度)を使って時間を長く止めておくそうです。 (管の中を血液が流れるようになっているのだとか) 平行して再狭窄を防ぐ抗アレルギー剤を使う(服用)そうです。まだあまり使用 してない薬だそうですが、少ない症例で50パーセントの成功例ということです。 結果はわかりませんが、私の素人考えですが、最初のバルーン治療(せいいっ ぱい広げたということでした)で完璧に再狭窄したことなどを思うと、治療直 後はよくても再狭窄は時間の問題のような気がします。 もし、そうなった場合のことをご相談したいのです。 担当の先生の云われるのは再々狭窄の場合、筒状の金具を固定するか、バイパス 手術ということです。 (近くの**の**病院、循環器科の先生はお**人、専門のバイパス手術をなさる 先生は*****、外科の先生が担当なさるらしい) バイパス手術は前橋に(わが家は**県**市)さいせいかい病院とかいう専門の 良い病院があるということを友人から聞いているので、心が動きます。 金具?はどうなのでしょうか?血管を傷つけるとかいう話を聞いたような気もしま すし。 最初から診ていただいている先生にできればずっと診ていただきたいとも思うし。 まとまりがなく何を言ってるのか自分でもわからなくなりましたが、 足立先生の症状から診る病状や治療法などについての率直なご意見をお聞かせ願え ればと、メールしました。 お忙しいのにすみません。 (*飲んでいる薬の種類、名前などは全部わかっています)

96/08/01

お久しぶりです。次回再狭窄した場合ですが、ひどい糖尿病やいろいろな合併症の無くて、 全身状態が良い場合には私はバイパス手術をお勧めしています。「金具」は「ステント」と 呼びますが、どうしても体の組織とは別のもの(異物)ですので一生血の固まりを 防ぐ薬を欠かすことができなかったりと面倒なことが増えます。これに引き替え,バイパスは自分のからだの 一部ですし、術後とてもお元気になられる方が多いです。
臓器が心臓ですのでやはり少しでも経験が豊富で技術レベルの高い先生に お願いしたいというのが正直なところでしょう。心臓外科を専門にされてきた先生が良いでしょう。 但し病院での科名が「外科(一般外科)」となっていても実は心臓の手術のとても優秀な先生が ローテート(医師が各病院を一定期間勤務して回ること)されていることもあり「外科の先生が」 と言っても一概には評価出来ません。
「バイパス手術ですが,先生の今までのご経験では術後経過は皆さんどんな様子だったでしょうか?」と 思い切ってお尋ねになってはいかがですか?自信のある先生でしたら「よくぞ尋ねてくれた」と 「今までに何百何十例ほどの経験がありますが,手術成績は・・・」と自慢話を始めてくれるでしょう。 この「何百何十例」には友達がやっているのを側で見ていたのも数に含めたり「さばを読む」先生も いらっしゃいますがそれは大目に見て上げて下さい。 尋ねられて口ごもったり、「何を失礼な」という顔をされたら「やりはじめたばっかりで現在練習中」 と思われても 仕方が無いのではないでしょうか。そのような先生に自分の心臓をおまかせするわけにはいきませんね。 一般に,心臓や脳という命に直接関わる臓器の病気のときにはいろいろと検査をしてもらう始めの時点から 自分の納得できる良い先生につくことですね。
頂きましたメールの文面を拝見する限り、今掛かっておられる先生のお話は医学的にも 十分に納得できる内容で、 信頼のおける先生のように感じましたがいかがでしょうか。


「O-157」について96/08/01

O-157についてどうおもわれますか?

96/08/04

O-157発生後の大阪大学小児科、堺市民病院などからのインターネット発信、ニフテイサーブでの 症例検討会FCASE19番会議室などのネットワークで素晴らしい情報交換がなされていて、 これらにつながっている医師は常に最新の情報を持って診療にあたることができたのはとても良かったと 思っています。阪神大震災のときにはパソコン通信主導インターネットは副という状況だったようですが 徐々に変わりつつあるようです。

しかし、これだけ新しい情報が入る手段がありながら一般病院単位ではパソコン通信もインターネットからの 情報も医師会からのファックス待ちというところが多かったように聞いています。 各医療機関にパソコンの端末1台位は置いてこういう時に対処できるようにしたいものです。

発生当初堺市では「明日から給食の材料をチェックして回る」などとニュースで言っていましたがなぜ「 明日」なのでしょうか?厚生省あたりからの通達で「堺市の小学校に給食材料を提供している業者は本日より 全ての材料を保存しておくように」という指示なり依頼なりを出すことはできたはずです。堺市の 数少ない保健所職員たちで翌日になってから「堺市以外から納入している 業者には権限がなく1軒1軒お願いしてまわった」などと新聞には書かれていました。とんでもないことです。 この1日延ばした為に原因究明にわからなくなることもあるはずです。どうして堺市にまかせたのでしょうか。 それから"乢B<#NE;X?K!W$b$b$C$HAa$/ 今後は消毒薬、検査試薬などの確保と配給を是非お願いしたいと思っています。


喉、鼻,目,毛穴がかゆく,微熱と頭痛があります 96/08/01

喉や鼻や目が炎症し、痛みや痒みがあります。体も汗ばむと毛穴が痒いです。微 熱や頭痛もしばしばあります。何かの細菌によるものとは考えられますか?
もう4年もこ のような状態です。助けてください。

96/08/05

「何かの細菌によるもの」というよりは「アレルギー」のと関係はどうなのでしょうか? 血液中の「IgE(アイジーイー)」という免疫に関係した物質の量、血液中の白血球のうち やはりアレルギーに関係した「好酸球(こうさんきゅう)の数」などは調べてもらってあるでしょうか?

もしこれらに異常があれば「アレルギー免疫」の専門医に一度御相談されるのが良いと思います。 これらに異常がなければやはり「皮膚科」ですが皮膚科医の意見はいかがでしたか?


「クローン病」について教えて下さい 96/07/31

4月にクローン病と診断され入院し、検査を行った結果、小腸と大腸に閉塞部が 見られ、また、S字結腸より上流側は閉塞がひどく、いまだに検査できていません。一時 期は多量に下血したりもしましたが、腹痛や腰痛の頻度もだいぶ減り、7月の上旬に退院 し、自宅にてED療法を行っています。入院してから今日まで何も食べていません。療養 期間がだいぶ長くなってきているので、これからのことがとても心配です。病気について 、今後の治療はどうなるのか、どのようになったら普通の食事が摂れるのでしょうか。ま た痔婁も患っているのですがクロー ン病と痔婁の関係について教えていただけませんでしょうか。腰が痛くなるのは腰のほう に穴が延びてきているのでしょうか。退院してからパソコンを購入しインターネットするようになりました。このようなホ ームページはとてもすばらしいと思います。これからもがんばってください。また、何か お手伝いできることがあったら連絡ください。

96/08/05

長期の療養生活でつらいことも多いとは思いますが、それにもめげずインターネットをされたり精神的に はとてもご健康なご様子なのがメールの文面で伺われ少しはほっとしています。
「クローン病」は最近増えてきている病気で、「辛抱強い療養が必要なこと」,「長期的な視野を持つことが重要なこと」などは十分担当の先生、 看護婦さん、栄養士の先生などから既に伺っておられることと思います。「痔」に似た「肛門病変」が多いのも特徴のひとつですので 「痔婁」とおっしゃっている変化も関係しているかもしれません。
「クローン病」についての最近のニュースとしては,これも既にご存じとは思いますが, 外国では使用されていたが日本では長い間使用許可が出なかった 「メサラジン」という薬がこの7月10日に「ペンタサ」という商品名で「希少疾病用医薬品」として 「日清キョーリン製薬(06-350-6060)」から 販売されるようになりましたね。薬物療法はなさっていないようで結構だと思いますが、 万が一どうしても「サラゾピリン」などを 使わざるを得ない場合には受け持ちの先生に検討してもらって下さい。

「お手伝いできることがあったら連絡ください。」とのことでとてもありがたいのですが,今は どうぞ療養に専念なさって下さい。このページ(/byouki)や(/2byouki)をもっと皆さんに見やすいように htmlを使って編集して下さる方を探してはいますがそれよりも、あなたから「随分と良くなって 普通の食事も少しはとれるようになった」とのメールを1日でも早く頂ける方がよっぽどうれしいです。 それから「足立!ホームページ見ておるぞ!頑張れ!」 とたまにはメールを送って貰えるとそれもたいへん力強いです。 「是非お手伝いを」とのことでしたらメールでの声援をお願いします。 どうもありがとうございました。


「胆嚢ポリープ」について

父が、先日人間ドックで胆嚢にポリープがあると診断されました。どのような病 気で、どのような治療が必要でしょうか? 基本的なことをご教示願えれば幸いに存じます。(96/07/26原文のまま)

(お答え 96/07/29)

「胆嚢」は肝臓(右胸の下にあります)の下にある袋です。肝臓で作られた「胆汁」という 消化酵素を一旦貯めておくところです。 「胆嚢ポリープ」は胆嚢の内側に出来た「いぼ」のようなものを言います。 何といっても大切なのは「癌」との鑑別(区別すること)です。 実は「胆嚢ポリープ」と「胆嚢癌」とをはっきり区別することは難しいのです。 大きさだけで言えば,一般に10mm以下であれば癌の可能性10%,10ー15mmだと25%, 15mmを越えると3分の2が癌とされています。 専門の先生はこの大きさだけではなくエコー(超音波検査)の上でいろいろな特徴的な所見で区別を するように努力されます。 「今後何ヶ月に1回,エコー検査を受けなさい」との指示があると思います。 それを守ることは癌でないことを確かめるためにとても大切です。 しっかりと守るようにして下さい。癌ではないことさえ確かめてあれば特別な治療を必要としません。

(その後の御連絡 96/07/30)

足立 憲昭さん,胆嚢ポリープについて質問したものです。御親切にお答え下さりありがとうござ いました。

96/07/30

わざわざの御礼どうもありがとうございました。 **様、どの程度お役にたてたかわかりませんが、わざわざのお礼のメールをどうもあり がとうございました。 また、何かありましたらどうぞお立ち寄り下さい。


「腰痛」について

腰痛です。営業の関係で車を乗り続けねばならずとても痛いです。症状は左側が 痛みます。車から降りればそれほど痛みませんが,それでも痛む日は痛みます。MRI等 の検査をしても,腰骨に問題はでていないため,腰の筋肉が弱ったためではないかと思い ますが,原因がはっきりせず困っています。もし,よいアドバイスいただけたらたいへん ありがたいのですが...よろしくお願いいたします。(96/07/28原文のまま)

96/07/29

とてもやっかいな「腰痛」とのことお察し申し上げます。
メールを拝見しますとMRIを撮られるなどかなり専門的な診察、検査をなさっておられるようですね。 専門的な検査によっても特別な異常のない患者さんには私は自分の方法による「腰痛体操」をお勧めしています。 実は、私自身も若いころ「腰痛」に悩んでいました。当時長野赤十字病院に山田先生とおっしゃる整形外科の 名医がいらっしゃるのを知りさっそくこの山田先生に相談をしてこの「腰痛体操」のやり方の伝授を受けました。 一般に行われている「腰痛体操」のように複雑なものではなく、とても簡単ですので試してみて下さい。 営業マンなど忙しい方にぴったりです。なお、このやり方は、「腰痛」の精密検査が済んだこの相談者の ように腰痛の軽い人だけにして下さい。 隠れているかもしれない病気(腰髄腫瘍など)の悪化の恐れがありますので。 それから腰痛の激しい人も医師に相談をしてからにして下さい。

(やり方)
近くの柱のところに行き、背中をぴったりと柱につけます。すると腰のところでどうしても柱から 離れるところができます。そのへっこんだところを無理矢理柱に押し付けるようにします。これを数回、 日に何回か繰り返します。私の場合、これを教わってから随分良くなり、その後も時々は腰痛が おこりましたが その度にこの"乢B9xDKBNA`!W$G=u$+$C$F$$$^$9!#45H=$,$$$$$h$&$G$9!# 是非試されてその後の様子教えて下さい。

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「病院にいく暇がない」のですが

はじめまして。私は28才の女性です。 2年前に健康診断で心電図をとったことが あるのですが、不整脈がひどいと言われました。 3−5回に一回は脈が途切れるような感じです。 普段はまったくどうもないのですが、かぜをひいて熱っぽい時や 疲れているとき、テニスやスケートをやって走り回ったとき、 風呂に長く浸かりすぎた時などに脈が乱れます。 なにをやってもまったく脈が乱れない場合もあります。 先日、テニスをして、その後プールで泳いで、次の日に 近くの山に登った時は何ともなかったのですが、次の日に なって、寝ていても、起きていても、一日中ドキドキして とても不快な感じでした。ただの運動不足のような気もするし でも病気かもしれないし、病院に行ってみようかと思ったり、 病院に行くとなると、仕事を休まないといけないので ついつい今までほったらかしてしまいました。(お一人目の方 96/07/25原文のまま)

最近頭がクラクラしています。頭痛も少し..熱はありません。夏バテでしょう か? 病院へ行く暇がないのでおねがいします(お二人目の方 96/07/29原文のまま)

96/07/29

お二人ともかなりの症状がおありのようですね。出来るだけ早く病院を受診されることをお勧めします。 医師の診察を受けるのにかなりの時間がかかり大変ではありますが,万が一ということもあります。 お体とお仕事とどちらが大切でしょうか。 個人個人の考え方がありますが、私は「自分の体あっての仕事」だと考えています。決して自分の体のことを 後回しにしたり「ほったらかし」にしてはいけないと考えています。 ご質問の内容ほどの異常がある場合には即刻医師の診察と検査を受ける必要があると考えます。 しっかりとした診察と検査を受けられて, 重大な病気が隠されていないこと,そして心配の無いことを確認しておかれるよう強くお勧めします。 お一人目の方は出来たら循環器科ご専門の先生, お二人目の方は先ず信頼のおける一般内科の先生が良いでしょう。


子供の「紫斑病」について

JAKARTAに住んでいます。子供が出血性紫斑病と病院の先生に言われまし たが、気を付けなければならない点と、この病気について詳しくご享受頂ければ幸いです 。(96/07/25 原文のまま)

96/07/27

ご質問では「出血性紫斑病」とありますが、 「紫斑病」というのは出血しやすく(すなわち「出血性」)なって紫斑(皮膚のごく浅い部分への出血) が出る病気ですので「出血性紫斑病」 という言い方は正式にはあまりしません。
「紫斑病」にはたくさんの種類があって 子供さんの「紫斑病」で最も多いのは,「血管性紫斑病」(「アレルギー性紫斑病」,「Schoenlein-Henoch型紫斑病」とも言います)です。 別に「特発性血小板減少性紫斑病」と呼ばれる「紫斑病」があり, また、紫斑を示す病気には「白血病」,「再生不良性貧血」などこわい病気もあります。
「ジャカルタ」とのことで言葉の問題もあるでしょうが上のうちどれか病名をはっきりと伺っておきましょう。

ここでは小児に最も多い「血管性紫斑病」についてお話しておきます。 血管性紫斑病は「シェーンライン・ヘノッホ紫斑病(Henoch-Schoenlein Purpura)」とも呼び免疫異常が原因とされています。 3歳から 7歳くらいの子供に多く、風邪をひいた後などに一週間ほどしてから、はじめ赤く膨らんで次第に膨らまない紫色の 直径5mm位の紫斑が膝の上下に広がってきます。関節の痛みや、おなかの痛み、血の混じった下痢 などどれかがでることが多いです。腎臓障害が出ておしっこに血が混じることもあります。紫斑以外のこれらの症状が出れば入院した方が良いでしょう。 大体が数日から数週間でよくなってしまう病気で2度とかかりませんからそう心配はいりません。 しかし中には何回も繰り返したり、腎臓障害がきつくて腎炎に発展する 例も2ー3%はありますので最低6か月は時々尿検査などをしてもらっておくと安心です。 正確な病名とその後の経過是非御連絡下さい。


「脳出血後の右半身の痛み」について)

父(七一才)が、四年前に脳中出血で倒れて、右半身不随と言語障害のリハビリ に励んでおります。麻痺した右半身の痛みを三年前から訴えて苦しんでおります。脳の障 害が原因ではないかと、主治医から言われて居ります。 適切な治療法を御教授願います。(96/07/26原文のまま)

96/07/28

「脳中出血」は「脳卒中」のうちの「脳出血」のことでしょうね。「脳卒中」は「脳出血」と「脳梗塞」 とを合わせてこう呼びます。「脳梗塞」には「脳血栓」(頭の中で血が固まる)と「脳塞栓」(心臓などで 出来てしまった血の固まりが脳の中に流れ着いて詰まる)の2つがあります。

さてご質問の「脳出血後の右半身の痛み」ですがこれは頭の中で右半身全体の感覚を感じ取っている 「視床(ししょう)」というところの障害が考えられます。「視床(ししょう)」は右と左と合わせて 2つあり、右半身の痛みでしたら左の「視床(ししょう)」の障害と考えられます。
普通、脳卒中を起こして半身不随や言語障害となったあと数ヶ月ほどしてから出てくる大変困った 状態です。
普通の鎮痛薬はまったく効果がないことがほとんどですので、内科的には「テグレトール」という痙攣(けいれん)のときに使う薬を飲んでもらったり、「トリプタノール」 という「うつ病」の薬を使ったりして痛みを和らげます。これらでとても良くなる例も多いので是非 試してみられてはどうでしょうか。但し、これらの薬はいきなり普通に使われている量を"乢BG>B4Cf!W$r 起こした後の人が飲むと「ふらつき」など大変強い副作用がでることがありますので使い慣れた神経内科 の先生の指導の下に内服をはじめることをお勧めします。
中にはこれらの薬を使ってもなかなか治まらない痛みが残る人もいらっしゃいます。辛抱強く リハビリを続けるしかないこともあり医学の限界を感じます。我慢できないような痛みの 場合には「視床破壊手術」といって原因となっている「視床」を壊してしまう手術がありますが効果については それほど良い評判は聞きません。
日本大学の脳神経外科では以前から「大脳皮質硬膜外刺激法」という方法を使って「視床痛」の 治療に努力されています。「視床破壊手術」ほど大きな手術を必要とはしませんので一度 問い合わせてみられてはいかがでしょうか。但し、施行してもらう前に今までの成績(どのくらいの 患者さんたちが良くなったか、反って悪い結果になって困っている患者さんはいないかなど) や副作用など詳しく伺って,十分に納得なさってからにして下さい。


子供の「紫斑病」について(その2)

ご回答有り難うございました
お恥ずかしい話、先生のご指摘通り「出血性」ではなく「血管性紫斑病」の間違えでした
発病より入院せずジンマ疹の薬のみで1週間経った現在紫斑はおかげさまで無くなり ました
当初は足の痛みを訴えびっこをひいていましたが、それもなくなりました。
昨日はおなかが痛いと訴えていましたが、今日は痛くないようで、日増しに回復している ように見えますが、子供のことおとなしく出来ず家の中で走り回っていますが、まだ安静 が必要でしょうか
**月**日には一時帰国で**市に帰る予定です
(96/07/28 ほとんど原文のまま。一部本人特定可能部分は消してあります。)

96/07/28

たいしたことが無かったようで良かったですね。もう大丈夫でしょうが安静度の決定は主治医の先生の ご判断を伺ってください。ニュースではジャカルタで暴動があったように聴いていますが、ご家族の皆様 どうぞご無事でお帰り下さい。


「乾癬」のいい治療実績

現在32歳男性で10年間くらい乾癬をわずらってます。若い頃は4年 位ステロイドを塗ってましたが、副作用等テレビで見て塗らなくなり、今はボンアルファ ーを膝、肘、頭はかゆみどめの液体を塗ってます。カサカサをおさえたりできる程度でい っこうに良くなりませんし、爪も根元からカサカサになり変形してます。いい治療実績が あれば教えて下さい。サンクロレラを食して治ったといった事例を広告でみて高いお金を かけて3ヶ月ですが、今ひとつのようです。(96/07/24 原文のまま)

96/07/24

治療に大変根気のいる病気でご苦労お察し申し上げます。
私が有馬温泉病院に院長として 勤務しておりましたときには同じ皮膚疾患で かなりの人数の「アトピー性皮膚炎」の患者さんが入院されて 温泉療法をなさっていました。難治性の成人アトピーの方が多く、 殆どの患者さんは私が直接担当しておりましたが治療効果には 驚くべきものがありました。
アトピーの患者さんだけではなく、治療の難しい皮膚の病気の 方も来られ、乾癬の方も何人かいらっしゃいました。今思い出すのは四国の大学病院で ビタミンAの誘導体のチガソンや、長波長紫外線(PUVA)療法などを受けられましたが 症状がはかばかしくなく来院された40歳くらいの男性です。 この方は「関節症性乾癬」というタイプの「乾癬」で 有馬温泉病院での温泉療法が大変体に合い、 とても喜んでおられたのを覚えています。今は連絡を取っていませんが、退院されてからも しばらくは調子が良かったようです。
大変残念なことにその後有馬温泉病院では皮膚科の 患者さんの入院治療は積極的には行わない方針になり、私も病院を離れました。 このあたりの詳しいことは今回、柘植書房からも出版される「シンポジウム アトピーステロイドを 考える講演記録集」などに書いてありますので参考になさって下さい。 私のホームページの「アトピーのページ」も開いて見て下さい。なお、「尋常性乾癬」の方でも 不適切な温泉療法を行いますと、「膿疱性乾癬」といって大変重症の病気に変わることがありますので、 温泉療法を試す場合には 必ず温泉療法の経験が豊富な皮膚科専門医の指導のもとで治療を試みるようにして下さい。 「ボンアルファ」 の外用もある程度の効果がありますが、私の経験では決定的なものではありませんでした。


「茨城県の竜ヶ崎で」信頼できる産婦人科の女医さん

お産の時の産婦人科医は女医さんがいいのですが、信頼できる方を紹介していた だけないでしょうか。住所は茨城県の竜ヶ崎です。(96/07/19 原文のまま)

96/07/20

申し訳ありませんが茨城県竜ヶ崎市の産婦人科,しかも女医さんの情報は現時点では手元にございません。
茨城県竜ヶ崎市では科が違いますが,「細井クリニック」(0297-66-2000)といって日本大学を卒業された 細井大二院長先生が漢方医学と西洋医学の併用の特色ある診療をされている医院が有名です。とても元気なお声の先生です。
診療科目は内科,外科、小児科です。
産婦人科の先生については徹底的にご近所の評判を聞いて回られてはいかがでしょうか。
私も家内のときはそうしました。 (このページご覧の方で竜ヶ崎の事情に詳しい方いらっしゃいましたらメールお願いします。)


「椎間板ヘルニア」と「自己免疫性肝炎」について)

60代 女性 椎間板ヘルニアと自己免疫性肝炎の治療方法とどうしてこの病気 になるのかを教えて下さい。ちなみに専業主婦で力仕事とは縁がなく酒・タバコはやりま せん。よろしくおねがいします。(96/07/16 原文のまま)

96/07/17

まず、椎間板ヘルニアですが,人間が4本足から2本足で歩行するように進化し胴体、頭という 重たい部分を支えるようになってから脊椎(せぼね)に強い重力がかかるようになり、人間にはこの病気が 多いと考えられています。治療法はまず安静で、次に鎮痛剤(痛み止め)を中心とした内服薬(のみぐすり)による薬物治療、 牽引(けんいん)といって腰を引っ張る方法、どうしても治らない場合の方法として手術があります。これらのうち程度や 患者さんの年齢、合併症、その他を勘案して専門医が治療法を決定します。最近期待されている方法として キモパパイン注入法というのがあります。手術が必要と考えられる患者さんでも良くなることがあり、 とても効果が期待されている方法ですが、もちろん誰でもやってよいというものでもありません。
次に自己免疫性肝炎ですが、これは高齢の女性に多い肝臓の病気です。 「免疫(めんえき)」という言葉はご存知ですよね。体に入ってくる細菌などの外敵を攻撃する体のシステムです。 実際にはリンパ球などが行っています。 国外から不法侵入するかもしれない軍隊を防ごうとしている ちょうど日本の国の「自衛隊」のようなものですね。では「自己免疫性」とはどういう病気のことなのでしょうか? 「自衛隊」の一部が間違って反乱を起こして,自分の国内の大阪や神戸などの都市の攻撃を始めたらどうなるでしょうか。 それを防衛しようとする「都市防衛隊」などと複雑な市街戦が起こりますね。 体の中でこれとよく似た困った状態になった場合を「自己免疫疾患」といいます。 「リンパ球」など本来外敵から自分の体を守るべき細胞が間違って自分の肝臓の細胞を攻撃しているのが 「自己免疫性肝炎」です。 酒、煙草を好む好まないによってこの病気になりやすいかどうかはあまり関係ありません。 治療法は患者さんの状態にもよりますが、このリンパ球の働きを調節するステロイドという薬をつかうことが 多いです。使い方が難しいので、経験ある先生の指導に従って使うようにして下さい。 自分勝手な判断で急に止めたりすると病気が急に悪くなって命が危険になる場合さえあります。


「おなら」について

はじめまして,**といます。現在、アメリカに住んでおり、 日本語で質問できる医者がいないので書かせてもらいます。
「おなら」の事で質問します。
健康状態はいいと思っています。 睡眠もちゃんと取っていますし、3食規則正しく食事はしています。 また、毎朝朝食後には快便もしています。
しかし、毎日のように夕方から寝る時の間に10〜20回も おならがでるのです。
また、睡眠中でも関係なく何回もおならをする時もあるそうです。(妻が聞いてます)
それに、便秘しているわけでもないのに、むちゃくちゃ臭いのです。 おならをする時に、便意をもよおすわけではありません。 これが、毎日のように続くので、妻はあきれてしまっています。
このような症状が起こるのは、何か胃とか腸に異常があるからでしょうか? 普通では、恥ずかしくて質問なんかできませんが..... よろしく回答をお願いします(96/07/13 原文のまま)

96/07/16

腸内のガスが増える病気はかなりたくさんあります。イレウス、過敏性大腸炎、感染症、脊髄疾患、 低カリウム状態、多くの内服薬の副作用、肝臓の病気、芋などの繊維質の食べ物の取りすぎなどです。
ですから、もちろん体の様子に合わせて全身、特に胃腸など消化管のチェックをしてもらうことは重要です。特に中年になりましたら、年に一回の胃腸の検査は欠かせません。
しかし、 メールを拝見している限り、「空気嚥下症(くうきえんげしょう)」別名「呑気症(のんきしょう)」 が最も考えられます。 アメリカにいらっしゃるとのことですが英語では"aerophagia"と言います。
本人はあまり気が付かないうちに,くせのようになって空気を飲み込んでしまう状態です。 特に食事のときに知らないうちに飲み込んでしまうことが多く、 早食い、食べ物を鵜呑みにする習慣が原因となりますが思い当たる点はないでしょうか? 飲み物をゴクゴク喉を鳴らして飲む習慣によりなる人もいますし、 ビール、サイダー、コーラ、ハッカ入りの食べ物も原因となることがあります。
一度上記のいくつかの点でおもいあたることがないかどうかチェックしてみられてはどうでしょうか。
受診科としては心身症など特殊な病態も扱いなれたgeneral physician、あるいは消化器内科の専門医が良いでしょう。


「大動脈弁閉鎖不全症」について

29歳男性です。背中がちょうど1年前から痛く(大した痛みではなく気にしな ければなんでもない),TVで心臓病の場合もあると言うのを見かけて,心配になり病院 に行き,心電図,心エコーをしました。そしたら,大動脈弁閉鎖不全の診断を受け,ショ ックを受けています。先生が言うには,まだ、軽度な段階で手術がどうとか言うレベルで はない。また、1年後に心エコーを受診しなさい。と言われました。気になって,本屋で 調べたところ,かなりの重傷疾患と認識しております。そのためには知識を付けておきた いと思います。さて、質問です。  将来必ず手術が必要になるのでしょうか。 手術に大金がかかるのでしょうか。 現在子 供がほしいと思っていますが遺伝するのでしょうか。 自覚症状がないのですが悪化する とどうなるのでしょうか。 よろしくお願いします。(96/07/12 原文のまま)

96/07/14

「大動脈弁閉鎖不全症」については担当の先生から既にお伺いとは思いますが簡単にご説明しておきます。 心臓には弁が4つありますが、肺で酸素をもらった血がからだ全体に向かって心臓から出て大動脈に移る るところにあるのが大動脈弁です。
「大動脈弁閉鎖不全」という病気はこの弁がしっかりと閉じなくなり, ポンプ作用をしている心臓がゆるむときに大動脈の血液が心臓にもどってしまう病気です。 原因としては生まれつきの場合、「リウマチ熱」という子供や若いひとが熱を出す 病気(慢性関節リウマチとは別の病気です)などがありますが、 原因がはっきりとはしないことも多いです。子供のときなどに原因がはっきりしない熱が続いたことは ありませんか?
御質問の遺伝についてですが、いくつかの遺伝疾患でこの「大動脈弁閉鎖不全症」をおこすことはありますが 逆にこの「大動脈弁閉鎖不全症」そのものが遺伝することはありません。「大動脈弁閉鎖不全症」以外に 遺伝疾患をお持ちでなければ遺伝について心配は要りません。
症状としては心臓がどきどきする、息切れ、胸の痛みなどがあります。 悪化すればこれらの症状が出てくる人もいますが、症状だけで勝手に判断は禁物です。 普通、注意深く診察をすれば聴診器で雑音が聞こえるのですが、 なかには単なる高血圧(特に最大血圧が高い)として気が付かれずに通院している人もいます。 正確な診断には心臓のエコー検査、特にカラードップラー検査がとても役に立ちます。
この病気には患者さんによって程度の差があり、すぐに手術をしなければいけない人から、 手術をしなくても一生無事で過ごす人までいろいろです。ですから「将来必ず手術をしなければならない」 とは限りません。手術は症状の出方、聴診所見、ドップラー検査の結果などから専門医が検討し、 最終的には心臓カテーテル検査などで判断します。
あなたの場合専門の先生の判断結果でしたら、今後毎年普通の健康診断に合わせて心臓のエコー検査をしておけば 良いでしょう。尚、感染性心内膜炎の予防のために歯の治療、小さな手術や検査を受けるときには 抗生物質を飲んでおいた方が良いと思いますが、 そこまでする必要もないほど程度が軽いのかどうかは今かかっている先生にお伺いしておいて下さい。
たとえ手術となっても一般の手術の費用は保険が効くはずで、しかも月に約54000円以上は支払った分 戻ってきますので一般の家庭では何とかやっていけるのではないでしょうか。。 既に家計がとてつもなく貧窮されている場合には生活保護などの処置もありますので役所で相談して下さい。お金がなく手術を受けれないということは ないはずです。


「クレチン症検査」について

前略 足立先生
ホームページを見てご相談したく存じます。私は・・の・・と申します。(以下要略)

(初めての子供が「クレチン症」の2次検査が必要, 「脳障害の可能性もある」と言われて心配でたまりません。私は診察室の外で待っていたので家内しか話を聞いておらず要領を得ません。大丈夫でしょうか?。)。原文は数十行のため( )内に要略
(96/07/12 原文長いため簡略してあります(足立))

96/07/12

さぞご心配のことと思います。 2次検査の結果は連絡ありましたでしょうか? まずお伺いしたいのですが、1次検査のTSHの結果はどの程度の異常だったのでしょうか? 私は小児科の専門ではありませんがクレチン症については以下のように認識しており, もしも私があなたでしたら、「直ちに甲状腺ホルモン剤の投与が必要ではないかどうか」 専門医のところに駆けつけて判断してもらいます。 もし信頼できる専門医の判断を得られず「判断に迷うような場合」には 取りあえず甲状腺ホルモン薬の内服を開始させます。 原則的に1次検査(マススクリーニング)で「再検査が必要」との結果が出た場合には 再検査の結果を待たずに即刻甲状腺ホルモンの内服を開始するのが安全です。
あとで間違いだと判明してもその時点で甲状腺ホルモン剤の内服をやめても良いからです。
1次検査の結果TSHの増加がごくわずかで甲状腺ホルモンの測定値も全く正常であれば 様子をみてもよいのですが、強調したいのは 「疑わしい場合や,判断に迷う場合には直ちに甲状腺の薬をのませ始めるのが良い」ということです。
大事なお子さんの診察には,母親任せにせず父親も診察室に入って医師からの説明を聞き, 不明な点はお尋ねするべきであるというのが私の考え方です。
可能性は極めて低いでしょうが,万万が一, 2次検査まで陽性でそれから治療を始めたとしたら脳障害がそれだけ進むわけです。
わたしが親だったらそんなことじっと我慢できません。
「先天性甲状腺機能低下症は、知能障害を残さないためには1日も早く治療を開始すべき疾患である」 というのが現時点での一般的な考え方です。
2次検査で異常が無いことを祈りつつ。結果是非教えて下さい。(06-431-0015 西武庫病院 内科 足立)


「食道カンジダ症」はどのような病気でしょうか

先日,健康診断で、「食道カンジダ症」と診断結果が出ましたが, どのような病気で,原因と治療法を教えてください。 あと、尿検査で潜血反応がでましたが,主な原因 を教えてください。(96/ 7/10 22:59 原文のまま)

96/07/11

耳慣れない病気の名前でびっくりされたのではないでしょうか。
健康診断の診断医からも聞かれているとは思いますが「カンジダ」というのはカビの1種です。 ですから食道にカビが住み着いているわけで,体の抵抗力が弱っているときが多いです。 私達がよくみるするのは強い薬で体が弱っている人です。 治療は「ファンギゾン」などのカビに効く薬を内服しますが, 健康診断でみつかったのでしたら抵抗力を落とす癌などの病気が隠されている場合もありますので しっかりと信頼できる先生と相談しておく必要があります。
尿検査での「潜血反応」とは尿にわずかの血液が混じっていることを見つけだす検査です。
腎臓、膀胱,尿管、尿道などの病気の疑いもあります。 まず「尿沈さ」という検査は簡単にできますので これで本当に出血があるのかないのかを確認してもらいましょう。 受診科はまず内科がよいでしょう。


「子供の緑内障」について


6歳の子供が緑内障ではないかといわれてMRIの検査までするとのことです。 子供に緑内障などあるのでしょうか?(原文のまま)

96/07/08

さぞご心配のことと思います。子供さんの緑内障は3歳以下ですと目玉が大きくなりいわゆる「牛眼」という状態になりやすく、わかりやすいのですが3歳を超しますと、視力低下で初めて気がつかれることが多いです。原発性、続発性と大きく原因は分けられますが、いろいろな状態によって引き起こされます。MRI検査は安全な検査ですし、是非やってもらっておくと反って安心です。恐い病気が隠れていないことを確認する一つの方法ですので。緑内障に対しては特殊な病気が原因になっていなければピロカルピンやチモプトールとい う点眼薬で眼圧を下げるように努力してみて、効き目が少ない場合手術が必要になります 。眼圧は何ミリだったのでしょうか?
お大事になさって下さい。


「バリウムと胃カメラ」について


2ヶ月程前胃の調子が悪くバリウム検査を受けましたが異常ないと言われました。そして1ヶ月前会社の健康診断で再びバリウムを飲んだところ突起物があるらしく、急ぎませんが適当な時期に胃カメラを飲んで下さい。と検査結果表に書かれていました。1ヶ月で違う物なのでしょうか。出来ましたら胃カメラを飲みたくないのですが。神戸に住む35歳の男性です。

96/06/27

Fさんこんばんは、
 確率の問題になりますのでその人その人の考え方ですが、私ならそこまで話が進んでいるのなら胃カメラを飲みます。
 35歳の若さですので胃癌の発生率は40歳以上よりは少ないですしほんの2か月前に胃カメラを飲んだときには異常なしといわれたばかりですので、さらに可能性は低くなります。
   健康診断のときにどのようなバリウムの検査の仕方をされたかにもよりますが、単にバリウムの検査といっても専門の医師または放射線技師が丁寧に検査するのと決まった枚数を決まった方向から単に撮るだけというのとではまったく違います。単に撮るだけという 一般の健康診断の方法では当然のこと早期胃ガンを見逃したり、異常でもないのに異常の可能性ありとの結果が随分と出やすくなります。これからは、どうせ受けられるなら「丁寧な検査」のみを受けられるようにお勧めします。
 そうなってくると船木さんの場合「極めて可能性は低いが重大な可能性が全くないともいえない」という誠に不明朗な結論だけが残ります。気持ち悪いこと甚だしいですね。「私なら胃カメラを飲みます」とお答えしたのはそういうわけです。
 これからはただむやみに検査を受けるというのではなく、本当に信頼のおける専門医を自分の目で探して(いろいろな人の、評判などが参考になります)検査を受けられるようお勧めします。
 神戸ということですが、因みに私の両親は神戸にすんでいますが、「日本の名医」に選ばれているJR住吉駅の駅の近くの河原医院(078ー851ー2206)で毎年胃カメラを受けさせています。学者肌のとても信頼できる良い先生です。もしもよろしかったら 私の名前を出してもらっても結構ですので受診してみてはいかがですか。その際は問題のバリウムの写真など入手できたら持参して相談されると良いと思います。診察時間帯などは電話で伺ってから行かれたらと思います。
 以上でお答えになっておりますでしょうか?お答えが届いたことだけは確認しておきたいですので「届いた」とのメールだけいただけますでしょうか。パソコン超初心者です。 では、良い結果をお待ちしています。


アレルギー性鼻炎について

高三の男子アレルギー性鼻炎で常時(朝のみ)その手の薬をのんでおります。副作用やいかに?漢方の小青竜湯などの方が安心?入れた文字が見えないからやりづらいよー。よろしく。

96/06/27

Iさん、こんにちは。
 坊ちゃんのことですが、毎朝服用されているとすれば「抗アレルギー剤」ではないでしょうか。昔は「眠気」、「ふらつき」などの副作用の強い「抗ヒスタミン剤」しかなかったのですが数年前からこの「抗アレルギー剤」が出てきて副作用も少なく長期に服用でき るようになりました。それでも副作用が皆無というわけにはいかず、たとえば代表的な「アレジオン」という薬では過敏症、眠気、頭痛、胃腸、肝臓、蛋白尿、尿閉、呼吸器、白血球増加などの報告があり、自動車の運転をするとき、高齢者、妊婦、授乳婦、小児は注 意して服用することとされています。しかし副作用といっても服用された方全員に出る訳でもなく致死的な副作用は報告されていないようですし、多くの薬の中では比較的安全なものです。漢方薬も人によってはとても良く効きますし副作用も少ないので試されてはど うでしょうか。なお、アレルギー性鼻炎に漫然とステロイド剤を使うのは感心しません。
お答えになっているでしょうか。
では、また。今後とも宜しくお願いします。


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