カレー情報大集合

自家製インド料理用語事典


注)英名は現地でよく使用され、なるべく原語の音に近いものを採用しました。
誤りがございましたら何なりご連絡ください(というほどのものでもなく、まだ実に中途半端です)。



カレー,カリ(Curry)

カレーの語源は、一説にはインド南部地域のタミール語で汁を意味するカリからきているという。カレー学の大家・森枝卓士氏が常日頃主張するように、インドでいうカレーとは、カレースパイスを使った料理、カレー味のするものすべて、という実に曖昧で大まかな定義でしかない。ライスの上にかけるものも、サモサの中に入っている具も皆カレーとなる。また、一口にカレースパイスと言っても、インド・東南アジアのようにさまざまなスパイスを調合して作られるものと、イギリスや日本のようにすでに製品として作り上げられたカレー粉という、2つに大別できる。カレーの生い立ちとその伝播を大まかに言えば、インドを中心とした南・東南アジアに生まれ、大航海時代にイギリスに伝わり、明治時代に日本に入ってきた。大航海時代には、カレーだけでなく重要なスパイスや穀物、野菜も、アジアを発し西洋に流れていったことは言うまでもない。
チキン・カレー(Murgh Masala)
マトンまたは山羊肉のカレー(Mutton Masala)
ムーング・ダール(Mungu DaL)
インドには豆が15種類もある。ダールと付けば豆のカレーである。ムーング・ダールは、サイズも歯ごたえもちょうど小粒程度の納豆に似た豆を使ったカレー。
マスール・ダール(Masuur DaL)
ピンク色のレンズ豆。
チャナ・ダール(Chana DaL)
直径8ミリほどもある北インドのベンガル地方特産のガルバンゾー豆(チャナ:ひよこ豆)を使ったカレー。
キーマ・カレー(Kheema Matter)
キーマは挽肉、マタールはグリンピースを指す。キーマはチキンもしくはマトンを使用する店が多い。
サンバー(Sambar)
南部独特の汁気の多いタイプで、トマトやタマネギ、ナスやトゥルダール(レンズ豆・別項)等主に野菜・豆を中心としたかなり辛みのあるカレー。
アル・ゴビー(Alu Gobi)
ジャガイモとカリフラワーのカレー。インドの人がもっとも愛する野菜カレーとされている。

北部インドと南部インドの食の違い

北部のカレーは、場所がらクリームなどの乳製品を使ってこってりととろみがあるベースなのが特徴。具には野菜を使うものも数多い。麦食文化圏で、小麦で作るチャパティやプーリーなどのパンが主食。南部のカレーは、乳製品は使用しないためサラっと汁気が多く、また暑さに負けないためスパイスをたくさん使用して辛い味付けをする。米食文化圏なので主食はライス。米は水分の少ないインディカ米で、水でゆでるようなイメージで炊くとほどよくパサパサポロポロとした状態になり、スープ状のカレーとマッチする。

宗教と食の関係

インドは、ヒンドゥー教をはじめ仏教、シーク教、ジャイナ教、などさまざまな宗教が言語同様に共存している。ヒンドゥー教の輪廻転生の観念や、それぞれの戒律にしたがって神聖視される動物などの関係から、肉や魚を口にしない菜食主義者が圧倒的に多い。そのため、豆やいもを含む野菜、ヨーグルトなどの乳製品を利用したカレー料理が数多く生まれた。そもそもスパイスが植物であるから、これを駆使してうまく調理し、日々のメニューを楽しんでいるという。

パコラ(Pakoras)

インド風揚げ物。
ベジタブル・パコラ
シュリンプ・パコラ
カシューナッツ・パコラ
チキン・パコラ
フィッシュ・パコラ

サモサ(Samosas)

マッシュポテトとひき肉を包んで揚げたもの。具はポテトのほか、さまざま。

タンドリー料理(Tandoory Dishes)

タンドリー・チキン(Tandoory Murgh)
ヨーグルトにスパイスをからめたソースに漬け込んだ丸ごとチキンを、タンドール(土窯)で焼いた、北インド料理の神髄。西洋人が七面鳥を好むのと同じように、インドの地の人々はタンドリー・チキンをごちそう料理として食す。本場インドでは、夏場なら10時間程度、その他の季節には15〜18時間漬けておくという。また、焼く際のタンドール内の温度は摂氏180〜200度ぐらいが最適である。
同じタンドリー料理に、タンドリー・フィッシュ(Fish Tikha)、シーカ・カバブ(Seekh Kababs)等がある。

カバブ(Kababs)

シーカ・カバブ(Seekh Kababs)
ポテト・カバブ(Potato Kababs)

プラオ/ブリヤニ(Pulao/Biriyani)

ライス料理。
プラオ(Pulao) 一般家庭でタマネギなどを入れて作られる、シンプルな炒めご飯。
ビリヤーニ(Biriyani/Biryani) プラオよりも多くのスパイスや具を入れて炊き、米も専用のインディカ米を使うプラオの豪華版。チキン・ブリヤニ、マトン・ブリヤニなどがある。

スープ類

トマト・ラッサム・スープ
さらりとした、胡椒の入った辛めのおかず(トマトベースのものを日本ではよく見かける)。スープ状だが、本場インドではこれもカレーの1種に入り、ご飯にかけて食べるとのこと。
ダール・スープ
豆のスープ。

サラダ類

ライター(Raita)
きゅうりやたまねぎ、トマトなどを混ぜたヨーグルトベースのサラダ。
フルーツ・ライター
ライターにフルーツを加えたもの。

パン

チャパティ(Chapati)
インドでもっともポピュラーで庶民的な、直径20センチほどの円形のパン。全粒粉(アタ)と水をこね合わせてフライパンで焼く。
ナン(Naan)
30センチほどもする大きな勾玉のような独特のかたちをした、タンドールで焼くパン。日本でインド料理というとよくイメージされるが、もとは北インドで栄えたムガール王朝期に発達した料理で、今でもインドではあまり日常的ではない。右手でちぎってカレーに付けて食べるときは、親指で真ん中をくぼませてスプーンのようにし、カレーをすくうように挟み込んで上に乗せ、口に運ぶ。カレーはあらかじめ食べる分を取り皿に取っておくのが宮廷的マナーではある。キーマ・ナンや、エッグ・ナンといった、間に具をはさむナン料理もある。
プーリー(Puri)
チャパティと同じ生地を油で揚げたもの。小さめのかたち。
キーマ・ナン
ナンにキーマ(挽肉)カレーをはさんだ料理。

スナック類

マンゴ・チャツネ(Mango Chutneys)
スライス・オニオン(Onion Bhaji)

ソフトドリンク類

ダヒ
ヨーグルト・ドリンク。
ココナッツジュース
ラッシー(Lassi)
チャイ

素材・食材

ピアイザー(PIAZA)
タマネギ。
アル(Alu)
ジャガイモ。インド人がもっとも愛するという野菜カレーはアル・ゴビー(Alu Gobi):ジャガイモとカリフラワーのカレー)だという。
ゴビー(Gobi)
カリフラワー。
サグ
青菜の総称。日本のインド料理屋ではホウレンソウ(Palak)がよく使われる。
パニール(Paneer)
牛乳、生クリーム、ヨーグルトなどで出来た、インドの生チーズ。
トゥルダール
レンズ豆。チャナよりも小さめで納豆のような形をした、直径5〜6ミリの豆。サンバー(別項)がおいしい。歯ざわりがいい。
マサラ(Masala)
スパイス全般、またはスパイスを使った料理を指す。ガラム・マサラは、いわゆる一般的なカレーの香りを出すミックスされたスパイスである。
コルマ(Korma)
ナッツなどをベースにしたとろみのあるソースのこと。

インド料理名に見られる地名

ハイドラバーディ(Hyderabadi)
南部インドの一地方。

インド料理に使われるヒンドゥー語

シャヒ
甘い、の意。
ジャル
辛い、の意。

ペンシルベニア州立大のヒンドゥー語レッスンページ


参考文献
『アサヒグラフ9/27号-アジア食紀行3』 (朝日新聞社刊)
『OYSYカレー』(柴田書店)
『dancyu-金のカレー銀のカレー』1997年2月号(プレジデント社)

協力
N-jiri様(ぜひN-jiriさんのホームページ「南印度ジリ大使館」をごらんください!)

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