新エリューシス ノート

人数:4人から8人以上
Summary copyright ゥ 1995 by David Matuszek
Translation into Japanese by Koshi Arai (訳:新井好史)

 新エリューシスは科学的研究のシュミレーションそのものである。ディーラー(神または自然の役割)はカードを出す順を規定するルール(法則)を考えます。他のプレーヤー(科学者)はカードを順に出すプレイ(実験)をして、誰がルールについて良い理論を見いだすかを他のプレーヤーと競います。理論を見いだした最初のプレーヤーは、他のプレーヤーの実験結果を予言できる預言者になると自分で宣言することができる。他のプレーヤーは預言者を罷免しようとして、結果が予言できないような実験を見いだそうと試みる。(こうして、自分が新しい預言者になる機会をうかがう。)

正しい「ノープレイ」
正しくプレイされたカード
(主鎖)
間違ったカード
(側鎖)
グループとしてプレイされたが、少なくとも1枚は間違っている。
全般:
  • いくつかの部屋と少なくとも2組のトランプが必要である。もし、小さなトランプがあると便利である。
  • 4人またはそれ以下の人数は好ましくない。また、9人以上でもプレイできるが、時間がかかりすぎることと各プレーヤーに実験の機会が少なくなってしまうので勧められない。

ディーラーへのヒント:

  • 必ずルールはきちんと書いておくこと。そうしないともめることになる。
  • 特にことわらない限り、Aは1、Jは11、Qは12、Kは13とする。ただし、例えば「絵札は全て10にする」と特別に定めることもできる。
  • ヒントを与える時、誤解させないようにしなければいけない。例えば、ルールがカードの色に関係しているのに、「マークは関係ない」と言ってはいけない。
  • 高得点を獲得するには、何人かのプレーヤーには難しいがその他のプレーヤーには易しいルールを見いだすことである。
  • ルールはあなたが考える以上に、常に他の人には難しいものである。
  • ほとんど全てのプレイが正しくなったり、反対に間違ってしまうようなルールは難しすぎるルールである。
  • 良いルールとはカードの判定がしやすいものである。神様が間違っては救いようがない。

プレーヤーへのヒント:

  • もちろん正しいカードを出そうとするのが普通であるが、理論を思いついたらわざと誤っていると思われるカードを出すことも検証するための良い方法である。
  • 理論を思いついても既に預言者がいる場合は、確信できていない特別な場合を探るのが良い。もし預言者も同じ理論であるなら、罷免できる可能性がある。
  • 他の人がプレイしている間に考えれば良いので、焦る必要はない。
  • 数枚のカードしかプレイされてない時に長いこと考えてもしょうがない。

修正ルール:

  • 預言者になりたいと思った時には、他の人の順番が終わった時に名乗りをあげても良い。その場合、終わった直後の人から初めて、順に右回りに預言者になる機会を持つことになる。もし、誰もいなければその時点で直ちに預言者になることができる。
  • 手札がなくなった時にルールが分かったと思った場合には、手札なしのボーナスをもらうかわりに預言者になることができる。プレイを続行して、もし罷免されたら8枚のペナルティーカードをもらい、それが再び手札となる。罷免されなければ、手札なしの得点に加えて預言者としてのボーナスポイントが得られる。

内容に関するコメントやサジェスチョンは下記まで:

Marc Drexler: mad@orbits.com
 または
David Matuszek: dave@acm.org

備考:

 エリューシス(Eleusis)は1956年にロバート・アボット(Robert Abbott)氏が考案したゲームである。その後、1976年に新エリューシス(New Eleusis)として改良された。ここに記載したルールは、”SCIENTIFIC AMERICAN” 1977年10月号に記載されたマーチン・ガードナー(Martin Gardner)氏の「数学ゲーム」の記事をもとにして作成した。