デーヴァダッタ16

2024年4月

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04/01/月
4月に入った。1300枚の長篇の仕上げの段階に入っている。2月の26日に第一草稿を完了した。その2日前の2月24日にエンディングに到達して、ゴールインしたという感触は得たのだが、どこかに入れようと思っていたジャータカ(前生譚)のエピソードがどこにも入らなかった。これは夢のような意味不明な物語群なのだが、象徴的な意味合いがあり、提婆達多が活躍する(悪役として)経典なので無視するわけにはいかないという気がして、短い章をどこかに挿入することにした。ここぞというポイントがあったので、そこにジャータカのいくつかのエピソードを入れていくうちに興が乗って、ちょうどいいくらいの長さになった。この作業に2日かかったので、2月26日が第一草稿完成の日ということになる。月末に近い完成で、まずパソコンの画面上で読み返して修正し、その後プリントして校正作業のように赤字を入れていき、赤字の入力が終われば完成という手順になる。画面での読み返しは1日1章のペースでいくと、全体は28章(どういうわけか法華経と同じ章の数になった)なので、3月末には作業が終わるはずだったが、修正箇所が多く、2日で1章というペースになった。1週間前に、浜松の仕事場に移動した。作業の効率化のためにいちおう100ページほどをプリントしておいた。パソコンを使わずに紙で読んで赤字を入れ、入力の時に語調を調えるといった作業をするようになってペースがやや上がった。いまは18章が終わって19章に入っている。ここからは1日1章で行きたい。すると4月の半ばにプリントできそうだ。プリントの読み返しにも1ヵ月ほどかかるだろうが、5月半ばには担当編集者に渡せそうだ。なかなかいい作品に仕上がっていると自分では思っている。これだけの長篇を書くのは今回が最後かもしれない。ぼくよりも年上の担当編集者がリタイアするので、コーチのいない選手といった感じになる。いまの出版界のようすだと、書き下ろしの長篇を出版するのも難しそうで、これで絶筆ということになるのかもしれない。まあ、書きたいものがあれば書くだろうし、その時になってみないとわからない。いまはこの作品の完成まで全力を集中したい。
さて本日は浜松の仕事場から東京に移動。午前9時15分に出発して午後2時に到着。工事渋滞があったのとサービスエリア3箇所で休んだので時間はかかったが、道路はおおむねスムーズだった。東京に近づくと反対の下り車線は渋滞していた。今日から新年度に入り、運送業では残業ができなくなるらしい。そのせいかいやにトラックが多かった。
数日前から妻が熱心にiPadを見ている。スペインとフランスの国境にある小国アンドラで、サキソフォンの国際コンクールが開かれている。スペイン在住の長男が10年前からこの催しの伴奏ピアニストの仕事をしている。YouTubeで同時中継をしているので時々長男の姿が映る。長男からはよく電話がかかってくるし、家族のラインで暮らしぶりはわかっているのだが、同時中継で息子の姿を見るのが楽しいらしい。ぼくも時々のぞいてみるのだが、ピアノを弾いている姿勢が美しい、といつもの感想をもつだけで、ずっと見ていようとは思わない。
月の始めなのでFootballのことも書いておこう。モックドラフトというものがある。模擬ドラフト会議といったものだ。日本のプロ野球のドラフトの場合、クジ引きというアトランダムな要素があるので、ドラフトの予想などしても無意味なのだが、Footballの場合はクジ引きはない。原則として昨シーズンのチーム成績をもとに、ビリから順番に指名していく。スーパーボウルに優勝したチーフスは32番と決まっている。ただし、この指名権そのものをドラフトすることも可能だ。指名権ドラフトはドラフト当日の、そのチームが指名する直前までドラフトが可能なので、未知の要素はあるのだが、ドラフト一箇月前の時点でも、昨年のドラ1の権利をもっていたベアーズからドラ1の権利をドラフトで獲得したパンサーズが、今年の1巡の権利をベアーズに交換していた。それでドラ1のQBヤングを獲得したパンサーズが優勝していたら、交換で獲得した権利は32番というビリの順番になっていたところだが、ドラ1のヤングがまったくのスカくじで、成績がビリだったので、ベアーズの交換した1巡は何と全体の1番指名ということになった。昨年のドラフトでベアーズは、若手のQBジャスティン・フィールズの成長を期待して、QB不要ということで、1番の権利を譲ったのだが、今年転がり込んできた1番でQBを指名することとして、去年は期待をかけていたジャスティン・フィールズをすでにスティーラーズに放出している。先発QBの席をあけて、人気随一の南カリフォルニア大のケイレブ・ウィリアムスを指名するつもりのようだ。というような状況を見て、個人的に仮想ドラフトをやったり、数人でやったりしたものがネット上にあるので、ここ2〜3日、そういうものをのぞいてみた。とりあえず今年の指名の順番がわかった。1番がベアーズ、2番コマンダーズ、3番ペイトリオッツだ。この3チームとも、先発QB不在の状態でドラフトを迎える。ただしコマンダーズは数年前のドラ2だったマリオタ、ペイトリオッツはさまざまなチームの控えQBをつとめた経験をもつブリセットをトレードで獲得している。新人の教育が間に合わない時は控えQBでつないで、シーズン途中から新人を先発させるというプランがあるのかもしれない。いずれにしろこの3チームはQBをとる。ケイレブ・ウィリアムスと双璧だといわれているドレイク・メイーの他に、ジェイデン・ダニエルズという選手も評価は高い。2番指名のコマンダーズがどちらを選ぶか。残った方をペイトリオッツが引き取ることになる。3人ともポケットパサーなので問題はない。さて、もう1つ明らかにQB不在のチームがある。ベテランのラッセル・ウィルソンを放出したブロンコスだ。このチームは12番なので、そこまでめぼしいQBが残っているかどうか。ジョー・ミルトンかまたはボー・ミックスが残っていればいいのだが。そこで4番から11番までの8チームの状況を見てみると、4番のカーディナルスはマレーがいるのでQB不要。5番のチャージャーズもハーバートがいるので大丈夫。問題は6番のジャイアンツだ。ダニエル・ジョーンズという若いQBがいるのだが限界が見えてきた。6番なら残っている2人のうちのどちらかを指名できる。7番のタイタンズは去年の新人リーヴィスがいる。ファルコンズはバイキングスからベテランのカズンズを引き抜いた。9番目のベアーズはこれが本来の指名順だが、すでに交換した1番目でQBを指名するのでもはやQBを指名する必要がない。10番のジェッツはロジャースがいる。問題は11番のバイクーキングスだ。ここはファルコンズにカズンズを引き抜かれたので先発不在。49ナーズの控えのダーノルドを獲得しているのだが頼りにはならない。そう考えるとブロンコスの12番では、めぼしいQBが5人ともすでに指名されている可能性が高い。さてどうするか。4番のカーディナルスか5番のチャージャーズの権利のトレードを申し込むことは充分に考えられる。トレードには見返りが必要で、来年の指名1巡だけでなく、今年の2巡、3巡とセットで交換するか、自分のチームの有力選手をおまけでつけるかということになる。とにかく現状で一番注目されるのは12番のブロンコスの動向だ。今年はQB豊作の年なので、あと3人くらい可能性のあるQBがいる。ラトラー、マッカーシー、マッコードの3人だ。去年のドラフトでは、ベスト5に入ると思われたリーヴィスが1巡で指名されなかった。で、バイキングスが2巡で拾ったのだが、シーズン途中から出場してそこそこの成績を挙げている。何しろ一昨年のドラフトの7巡の最後、全体ビリで指名されたパーディーが新人でカンファ決勝まで進み、昨シーズンはスーパーボウルまで進んだのだから、そういう埋もれた新人がどこかにいるのかもしれない。話はかわるが、チーフスのイギリスのラグビーのウィングの選手を獲得した。ラグビーのウイングをどう使うのか注目だ。ラグビーのバックスは攻撃も守備もする。守備の選手としてコーナーバックやセイフティーができるのではと思うのだが、Footballの戦略に慣れるには時間がかかるかもしれない。足は速そうなのでワイドレシーバーができないかとも思う。ただ前方に投げられたパスを受けた経験がない。ただパントキックを走っていってキャッチする経験はあるし、タイトエンドのケルシーは時々後方パスを投げるので使い道はあると思われる。

04/02/火
陽当たりのよい南西向きの部屋に住んでいるのでそろそろ暑くなってきた。部屋のなかでは真夏と同じ半袖シャツ一枚になっている。夜になるとその上から長袖シャツを着る。夜中になると真冬と同じ羽毛のついたベストを着る。寒暖の差が激しく体が追いつかない。プリンターのインクのストックがなくなったので秋葉原のヨドバシに行く。住んでいる集合住宅は御茶ノ水から東に寄ったところなので、建物の反対側から出ると目の前に昌平橋があって秋葉原とは地続きだ。ただヨドバシはいつも混んでいる。建物から出てくるとほっとする。帰りにスーパーによってウイスキーなどを買う。19章がもう少しで終わる。残り9章。カウントダウンをしたくなる。

04/03/水
中野で三田和代さんの朗読会。仕事のプリントをもっていって、上演前にも仕事。かなり進んだ。帰って入力。エンディングまでプリントしてあるので、プリントチェックの後に入力して作業を進めたい。チーフスは新人期間が明けたランニングバックのヒレアーと1年契約。1巡指名の期待されたランニングバックだが、翌年7巡指名(ビリのパーディーの直前)で入ってきたパチェコにエースの座を奪われた。ふつう活躍した新人は4年目には長期契約を結ぶものだが、1年契約だというのは、期待されていないということ。それでもパチェコが疲れた時や、怪我をした時など、代役としては充分に使える。代役としては控えQBのギャバートを放出して代役がいなくなっていたところだったが、大物のウェンツを獲得した。イーグルスがスーパー制覇した時のエースQBで連勝を続けて優勝候補となっていたのに、プレーオフ前に怪我をして、控えのニック・フォールズに代わったら、スーパーボウルでブレイディーに勝ってしまった。その後も怪我が続き、コルツやコマンダーズなどを回るジャーニーマンとなっていた。今年はこれまでどのチームからも声がかからなかったのをチーフスが拾ったかたちになった。単なる代役ではなく、短い距離のフォースダウンなどに、マホームズの代役で出場させて、投げてよし、持って走ってもよし、という使い方をすれば、マホームズを休ませることもできるし怪我も防げる。点差が開いた時なども出場させていいだろう。マホームズもベテランになってきたので、無理をしてフル出場することはないのだ。

04/04/木
文藝家協会理事会。作業のプリントをもって早めに協会に行って、作業をしようと思っていたら、何からすでに紛糾が始まっていて、いつもより2時間早いスタートだったのに、いつもと同じくらいに終わった。SARTRASはいつも紛糾するのだが、文藝家協会も時々紛糾する。人が集まると意見の相違が生じるので仕方のないことだ。自分の作品のなかでも紛糾する場面があるのだが、ぼくの作品ではぼく自身が全知全能の如来のごときものなので、思いどおりにストーリーが進行していく。現実はそういうわけにはいかない。そこのところがおもしろい。

04/05/金
SARTRAS共通目的委員会。やや紛糾。朝10時からの会議なので午後の時間は仕事に集中。夜は新宿で加賀乙彦賞選考会。岳真也、藤沢周、山本浩貴というメンバーで簡単に感想を述べ、受賞作を決定。問題は受賞者が受賞を受け容れてくれるかどうか。連絡先がメールアドレスしかわからないのでとりあえず山本くんがメールを送る。山本くんは早稲田文学の編集長をしていた若者だが、岳さんはぼくより一つ上、藤沢さんは10歳下だが、皆老人なので、座敷から立ち上がる時にヨボヨボした感じになる。自分の仕事はプリントに赤字を入れる作業が先行している。明日はまず入力から始めないといけない。

04/06/土
週末。ようやく散歩に出て桜を見た。住んでいる高層住宅の敷地にも公園があって満開の桜が何本かある。人も少なくていい感じだ。それを眺めてから上野公園に行ってみたが、こちらは外国人がつめかけていて道も歩けないほどだった。それでも往復の道で小さな公園や、ビルの前庭みたいなところに桜の樹があってどこも満開だった。桜の樹を大切にするのが日本人の習性みたいなもので、ぼくも桜を見ると、おおっ、と思う。いつも散歩する不忍池の中の弁天さまに向かう道は、ふだんは意識することがないのだけれども、左右に桜の樹が並んでいて、お花見の名所なのだね。自分のふだんの散歩道に人がぎっしりつまっているのは、うんざりする眺めだ。帰ってまた自分の住んでいるところの桜を見た。これで充分だ。さて、自分の作業は22章が終わった。あと6章。いよいよカントダウンに力が入ってきた。

04/07/日
24章までのプリントのチェックが終わった。ほとんど赤字が入っていないのに入力は簡単。残り4章。ここからエンディングまでは草稿の段階で一気に書いたので直しはあまりないはず。エンディング直前で猟師が出てくるのだがこの人物に少しキャラクターを追加したいと思っている。気になるところはそこだけなので、ゴールは近いと思っている。作業をしながら将棋の叡王戦を見ていた。見だしたのは散歩から帰った4時くらいで、その時はまったくの互角だった。藤井くん先手なのにまだ互角だというのはやや不利な状況だと思われた。伊藤匠くんが先手玉に近い5筋の先端に角を打てば、やがて詰めろになるという解説だったが、打ったのは6筋で、それでもまだ互角だったが、飛車を下げられて角取りになったところから、歩を進めて先手の玉頭に迫るべきところで、5筋の歩で銀2枚を取ろうとしたところに誤算があったようだ。そこから陣形が崩れて一挙に敗勢となった。将棋は怖い。わずかなところで一挙に守備が崩壊するのはFootballも同じだ。

04/08/月
近所の医者に行く。いつもの薬の処方箋をもらう。たまっていたプリントの赤字を入力。あと4章だがプリントの厚みはかなりある。1章が15ページで4章だから60ページ180枚。初めての単行本「僕って何」が240枚だからそれよりは少ない。まあ、ゴールは見えている。週末にはゴールインできるだろう。それから全体をプリントしてもう一度読み返す。その赤字を入力すれば作業は完了する。

04/09/火
ペンクラブで3団体合同の読書バリアフリーに関する声明の発表。昨年から、ペンクラブの言論表現委員会の勉強会に始まって、上層部の勉強会、シンポジウムと、3度にわたって読書バリアフリーの必要性を訴えてきたのだが、ようやく今回の共同の声明に到達することができた。本日は文藝家協会理事長の林真理子さんがリモートで参加するので、こちらは裏方としてスタンバイしているだけだったが、最後にシメの挨拶をふられたのでまとめのスピーチをした。同じことをくりかえし語ってきたが、ようやく作家の声として、電子書籍の音声化に向けてのスタートが切れたと思う。電子書籍の標準フォーマットのEPUBだけでは読み上げソフトが使えないので、そこからテキスト文書を取り出すソフトが必要なのだが、これは開発が進められている。あとは出版社にがんばってもらうしかないのだが、なかには作家のご協力が得られないと言い訳をするところがあったので、この合同の声明をしてほしいとペンクラブにお願いしてきたのだが、ようやく実現の運びとなった。これでボールは出版社に投げられたので、何とかしてほしいと思っている。十数年前にアメリカで発売されたキンドルは、最初から読み上げソフトを標準装備していた。ヨーロッパの言語は単語と単語の間にスペースがあるので単語を検索しやすく、発音もイタリア語、スペイン語、ドイツ語などは、きわめて規則的だ。英語は古代英語の上にフランス語の語彙が加わった複合言語なので発音が不規則なのだが、辞書を搭載すればすむことで、キンドルは最初から読み上げができた。日本版のキンドルは読み上げを諦めて、声優さんの朗読をつけたものを発売している。しかしテキスト・ドゥ・スピーチという読み上げソフトは進化しているので、テキスト文書さえあればかなり正確に読めるようになっている。現にNHKの夜中のニュースなどはロボットの合成音声で読み上げている。視覚障害者は点字図書館が作る点字や朗読図書でしか本の情報にアクセスすることができないが、5年前に制定された読書バリアフリーに関する法律で、情報の提供者は障害者のアクセスを保証しなければならないことが義務化されている。あとは出版社の善意と意欲に期待したい。

04/10/水
「ドラフト名鑑」は明日発売。雑誌の発売をわくわくしながら待つのも年に一度のことだ。実際のドラフトは今月の末ごろ。ドキドキする。何がドキドキするのかわからないが、今年はどうやらQB豊作の年らしい。一方で昨シーズンはベテランQBの不振が目立った。今年は新しい波が押し寄せるかもしれない。チーフスはコーナーバックのスニードと、パンターが流出しただで、ディフェンスラインのクリス・ジョーンズとも契約できた。マホームズの控えとしてかつては先発していたウェンツを導入した。スキャントリングを放出して一人レシーバーを補充した。あとはディフェンスラインを一人と、レシーバー一人、それにコーナーバックやセイフティーの無名選手を入れて育てていけばいい。問題は、どんなライバルが現れるかだ。すでにレイブンズは怪物のようなランニングバックのタイタンズのヘンリーをゲットした。とにかくヘンリーにボールを渡すだけで確実に前進できる。ヘンリーを止めるために2人がかりになると、QBのラマ―・ジャクソンが走る。どうすればいいのかという攻撃陣になる。それに昨シーズンは1位のディフェンス陣にも大きな変動はないのでAカンファの最強のライバルとなる。ドラフトの目玉は南カリフォルニア大のケイレブ・ウィリアムス。指名順1位はベアーズで、先発QBのジャスティン・フィールズを放出して先発の座をあけて待ち構えている。2位のコマンダーズ、3位のペイトリオッツもQB指名だう。11位のバイキングスは先発のカズンズが流出、12位のブロンコスは先発のラッセル・ウィルソンを放出。4位から10位までのチームはそれほどQBを必要としていないので、待っていれば4番目と5番目のQBを指名できるはずだが、問題は6位のジャイアンツが、現状のダニエル・ジョーンズに見切りをつけてQB指名に傾くかもしれない。そこで注目されるのが4位のカーディナルスと5位のチャージャーズ。ここはQBを必要としていないので、1巡目の順位を交換するかわりに、たとえば2巡目の指名権を譲る、または3位と4位をもとめて譲る。または来年の1巡も譲る。などの付帯条件をつけて、4位、5位に順位をアップすることが考えられる。どうしてもベスト3のQBがほしければ、ペイトリオッツとの順位交換も狙い目ではある。ペイトリオッツがブレイディーを指名したのは7巡くらいで、49ナーズのパーディーはビリ指名だった。スカウト陣の狙いが無名のQBを育てるということであれば、1巡はもう少し下がっても、2巡、3巡のおまけをもらった方がいいということになる。ケイレブ・ウィリアムス、ジェイデン・ダニエルス、ドレイク・メイーのベスト3の新人QBに比べて、ジョー・ミルトンやボー・ニックスは少し落ちると考えられる。スペンサー・ラットラ−、J・J・マッカーシー、カイル・マコードくらいまでは、有力なQBで、各チームのスカウトがどこに目をつけているか。どうしてもベスト3のQBがほしいということになれば、ペイトリオッツとの順位交換を働きかけるしかないが、ペイトリオッツもQB不足なので拒否されるかもしれない。ミルトンとニックスのどちらかを狙っているなら、ブロンコスはバイキングスより上位にアップしたいだろう。4位のカーディナルスにどういう条件を出すかが問題になる。確実にあいているのは9位のベアーズ。ベアーズの指名順1位は昨年の1位をパンサーズに譲って交換してもらったもの。昨年1位でヤングを指名したものの、まったく使い物にならずにビリになった。その1位がベアーズに転がり込んだのだが、9位というのは本来のベアーズの位置だが、もうQBは不要なので、よい条件を出せば譲ってもらえるだろう。やっぱり6位のジャイアンツが気になる。そこで4番目のQBを指名されたら残りは1人。やはり4位のカーディナルスか5位のチャージャーズと取引するしかない。とにかく明日、「ドラフト名鑑」を購入して、選手の顔などを眺めてみたいと思う。

04/11/木
「ドラフト名鑑」の発売日。いつもドキドキする。アメリカのFootballなどというマイナーなものの情報を掲載した雑誌が果たして売れるのか、御茶ノ水駅前の丸善といえども入荷がないのではないか、1冊だけ入荷されたのを誰かが先に購入しているのではないか、と恐れながら行ってみたが、平台ではないものの面陳の棚の奥に5冊ほどがひっそりと置かれていた。ありがたや……。神の託宣をいただくような感じでレジに運ぶ。まだ開いていない。夜中の寝酒のおともにしたい。作業は残り2章。第27章の頭から視点が変わる。主人公のデーヴァダッタの視点で押し通してきたスタイルが、さりげなくアーナンダの視点になって、デーヴァダッタの姿が客観的に描かれる。デーヴァダッタが教団を去っていくところは内面を描きたくないので、視点をかえざるをえなかったし、釈迦が臨終を迎えるクシナガラの場面にはデーヴァダッタはいないので、そこにいる弟子としてはアーナンダしかいないので、ここから先はアーナンダの視点で描かれるし、デーヴァダッタがしばらくの間、姿を消してしまう。この視点の変更は必然的なのだが、読者は途惑うかもしれない。この27章の冒頭をどうするかはしばらく立ち止まって考えてみたい。

04/12/金
本日は公用なし。週末にかけて作業の時間がたっぷりある。残り2章。ゴールが見えてきた。しかしこのエンディングまでの2章がいちばんの山場で。ここはじっくりと時間をかけてチェックしたい。

04/13/土
最後の2章は、視点がアーナンダに変わるところにわずかな違和感があり少しだけ修正したが、あとは流れるように一気に読めた。エンディングに向かってゆっくりと進んでいく感じがよく、デーヴァダッタが姿を消したあとでもデーヴァダッタが話題になることが多く、主人公を中心に話が進んでいく。最終章に入ってシッダルタがクシナガラで臨終を迎えるまでが淡々と語られ、そこで一気に時間を巻き戻して、デーヴァダッタの足どりが語られる。この展開が秀逸でエンディングが盛り上がっている。猟師が出てきて短いコメントを述べるところも効いていている。最後の場面は、草稿にまったく手を加える必要がなかった。去年の1月からこのノートを書き始めたのだが、実際にプロローグの1行目を書き始めたのは4月1日のことで、そこから丸一年と半月ほどで第二草稿が完成した。とくに前半部は登場人物の出入りの順番を変えるなど大幅に修正したところもあるが、後半はほとんど問題がなかった。それでも細かいチェックはかなり入った。明日、プリントをして、ゆっくり読み返すことになるが、大きな直しはないと考えている。ただ梵語のフリガナについてはメモをとりながら進めたい。

04/14/日
朝起きるとすぐにプリンターを作動させ昨日第二草稿が完了した作品のプリントを始める。大学の教員をしていたころは研究室に大容量のモノクロのプリンターを置いていて、これは紙を大量に内蔵できるし、出てきたプリントは裏返って番号順に並んでいくのだが、自宅のプリンターは最小サイズの家庭用なので、50ページずつプリントして、手作業で番号順に並べないといけない。無事に2回のプリントを終えたところで、インクの残量がなくなったので、先日秋葉原のヨドバシで買ったインクカートリッジを挿入した。純正部品ではないのだがヨドバシで売っているのだから不良品ではないはずで、これを使うとプリントが始まる前に、これは純正ではないですよという表示が出るのだが、続行のボタンを押すだけでプリントが始まる。そう思っていたのだが、10ページほどプリントしたところで作動が止まり、純正品でないもののインク残量表示ができないという表示が出た。そしてプリンターはまったく動かなくなった。ネットで調べるとまず電源を切って10分待てというアドバイスがあり、そのとおりにすると、作動が途中で止まっていたカートリッジを挿入する部分が中央に位置に移動し、黒インクがないことを示す位置に止まった。しかし純正部品ではないとはいえいままでちゃんと使えていたカートリッジなので途方にくれていたのだが、またネットで調べると、カートリッジの接触部分を布で拭けというアドバイスがあった。カートリッジ内の情報を伝えるために金属が露出している部分がある。カートリッジを抜いてその部分を着ているシャツの端でこすって元に戻した。それでOKだった。やれやれ。というわけで無事に465ページのプリントを終えた。じっくりと読み返したものなので、赤字はほとんど入らないと思っていたのだが、どんどん赤字が入っていく。王さまのしゃべり言葉が臨終の時と違っている。年をとったということではなく、王さまは最初から威張っていていいので、話し言葉の語尾を修正していく。その種の赤字がどんどん入っていく。1章を終えた。明日からは1日2章のペースでいきたい。

04/15/月
新宿のマッサージ。時間の少し前に到着して待っていると、前の人が出てきて声をかけられた。ぼくの姉だった。先日の朗読の会で会ったばかりだが、思いがけないところで会うとびっくりする。このマッサージセンターはプロのスポーツ選手や役者さんも通っているところで、姉に紹介してもらったので姉と会う確立はないわけではないが、とにかく驚いた。さて、昨日からプリントを読み始めている。昨日は第一章。重厚なプロローグで嫁入りしてきたヤショーダラと給仕のデーヴァダッタのやりとりがあり、やがてデーヴァダッタは王宮の奥庭の先にある森のなかに入っていく。そこにシッダルタがいる。タイトルロールはデーヴァダッタだが、シッダルタも主人公といっていいだろう。副題は「釈迦と提婆達多」で、釈迦の方が先になっているのは、やはり釈迦が主人公だとぼくも思っているからだ。このプロローグのシッダルタは魅力的だが、少し冷笑的でいやな感じがする。前半はずっといやな感じのままで、観無量寿経を説くあたりから、ようやくすっきりとしたキャラクターになっていく。第二章は給仕の役目を終えたデーヴァダッタが騎馬隊に入り、シッダルタの異母弟のスンダラナンダと出会う。その後、シッダルタとデーヴァダッタだ木剣のかわりに木の枝をもって闘うシーンがある。ここもなかなかよく書けているし、デーヴァダッタがシッダルタに憎しみを抱くプロセスがきっちり書かれている。これ以後、憎しみの描写は控え目になる。あまり憎しみを強調しすぎると底の浅い作品になる。憎しみと同じだけ愛と尊敬もあるのだが、主人公はそこに気づいていない。主人公も気づいていないことを書くわけにいかないので、内面の説明は少なめにする。さて、第三章、全体のなかのもっとも晴れやかなシーンとなるルンビニー園での宴。ここは美しく書いてあるはずだが、作業はストップ。明日はなんとか4章の終わりまで行きたい。

04/16/火
第三章のルンビニー園では、シッダルタとデーヴァの双方を育てたコーリャ国の王妃アミターが美しく描写されている。アミターとは無限という意味で、生まれた直後に生母を亡くしたシッダルタにとっては、叔母にあたるアミターは大切な人であったと思われる。アミターバ(阿弥陀)というブッダの名称も叔母のアミターからとられたのではないかとぼくは考えている。主人公のデーヴァにとっても、コーリャ国の嫁ぎ、姉のヤショーダラの生母でもあるアミターは大切な存在なのだ。このアミターをめぐっての確執が、デーヴァのシッダルタに対する恨みを増長させることになる。第四章は隣国コーサラのジェータ王子との交流が描かれる。祇園精舎(ジェータヴァナヴィハーラ)を寄贈したことで名を残してこの王子は爽やかな人物として描かれる。ジェータ王子とデーヴァが、アシュヴァジットからバラモン教の「梵我一如」の思想についてレクチャーを受けるところがこの章のハイライトになっている。第五章では、スンダラナンダ王子とデーヴァが、コーサラ国の首都シュラヴァースティに赴く。本日はその出だしの部分までのチェックを終えた。3日で4章。少しピッチが上がってきた。明日は外出してリアルな会議に出ることになるが、散歩より少し長いくらの時間の拘束なので、確実に1章と半分くらいは進めたい。

04/17/水
SARTRASの役員会。これはいまどき珍しいリアルな会議。永田町ビルということになっているが場所は溜池。千代田線の国会議事堂から地下の連絡通路で溜池山王駅から地上に出る。いい運動になる。早めに到着して仕事をしようと思い作業中のプリントをもっていったのだが、他の役員は別の会議をやっていて、こちらが到着するとすぐに会議が始まったので仕事はできなかった。早く終わったのでよかった。第五章終わる。第六章から主人公の悪事が始まる。ここまでいい感じて話が進行している。主人公は悪人ではない。繊細な自我をもったよい人なのだが、シッダルタにいじめられて追い込まれていく。そういう感じが読者にも伝わると思う。

04/18/木
SARTRAS理事会。あとはひたすら仕事。いよいよシッダルタが旅に出る。主人公デーヴァダッタの画策が続く。このあたりの密度がうすいのではと少し不安に思っている。六師外道が出てくれば持ち直すはずだが、少し哲学に踏み込みすぎたので一般の読者には難解かとも思うのだが、そもそも一般の読者といったものは存在しないだろう。仏教に興味のある人しか読まないのではないか。まあ、いつものことだが、読者のことは考えていない。自分の書きたいものを書いているだけだ。

04/19/金
ABJの監査委員会。コミックスの違法ダウンロードサイトをチェックする団体。文藝家協会もいちおう参加していてこちらがこの委員会に委員をつとめている。いままではZOOMでの会議だったのになぜか今回からGoogleMeatを使うとのことで、これは当方としては初めて。お役所はWevexというのを使っていてこのアプリは入っているのだが、今回のアプリを入れようとしたら、iPadに入らなかった。パソコンは化石のごときものを使っているのだが、iPadもいまや骨董品でDOZNが見られなくなった。iPhoneで試すと何とかアプリが入ったので、ご案内のメールから順調に会議に参加することができた。書類の表示が出ても横に4人くらいの人の顔が出ていて、自分の顔と発言者の顔が確認できるのでよかった。ZOOMはiPhoneで参加すると、共有の書類が見にくかったのでこちらの方が便利だ。手を挙げるボタンはどこかなと思っていたが、画面を一度タッチするとボタンが出てきた。一回だけ発言。会議を脱出するボタンが見当たらない。「外出」というのがそれかなと思って、何とか脱出できた。高齢者にとっては途惑うことが多い。第七章が終わっていよいよ作品は前半の後半に入った。第二クォーターということで、本格的に主人公が動き始める。ただこの第二クォーターの山場は六師外道との議論なので、哲学に興味のない読者にとっては退屈な議論が続くことになるが、この本を手にとるのは仏教に関心をもっている人だけかと思われるので、楽しんでもらえるのではと思っている。
さて、ドラフト会議の一週間前になった。今年はQB豊作の年だと言われている。大学3年でプロに進む若手と、途中で転向して技術を研いてきた5年生とがいて、将来性をとるか、即戦力をとるかと、チームの状況に合わせて選ぶことができる(指名順の上位のチームに限られるのだが)。なかでもトップ指名まちがいなしと言われているのがオクラホマ大のケイレブ・ウィリアムス。3年卒で若さもあるが欠点が見当たらないパーフェクトなQBだとされている。ただ精神的な弱さがあるのではという否定的な見解もある。185センチの身長も平均的で、ビッグ3の他の2選手が193センチなのでやや見劣りする。ビッグ3の他の2選手は、ノースカロライナ大のドレーク・メイとアリゾナ州立大のジェイデン・ダニエルス。前者が3年卒。後者が5年卒。将来性をとるか、即戦力かで、2番指名のチームは迷うはずだ。指名順の1位はベアーズ。ここは文句なくケイレブ・ウィリアムス。2番はコマンダーズ。即戦力がほしいだろう。ダニエルスだ。3番はペイトリオッツ。ここもQBがいない。ビッグ3の残り福に期待するのか。しかしペイトリオッツには別の選択肢もある。何しろブレイディーを7巡目くらいで指名した実績がある。人気の下の方で目をつけている選手がいるかもしれない。ここで注目されるのが11番目のバイキングス。11番目ではベスト6のQBも残っていない。ここは先発のベテランQBカズンズをファルコンズに引き抜かれたので即戦力のQBが必要。その見返りで1巡23番目の指名権ももっている。11番と23番のセットで、ペイトリオッツの3番を交換しないかともちかければ、もしペイトリオッツがもっと下位のQBに目をつけているのであれば、いい話だと思われる。そのQBを11番目で指名した上で、23番目にも他のポジションの選手を指名できるからだ。12番目のブロンコスもラッセル・ウィルソンを放出して新人QBを狙っている。さて、めぼしいQBが12番目に残っているか。ビッグ3に続くのがベスト6に入る3選手。ミシガン大のJJマッカーシー、オレゴン大のボー・ニックス、ワシントン大のマイケル・ベニッククス。ニックスが3年卒で、残り2人が5年卒の即戦力。で、指名順4位のカーディナルス、5位のチャージャーズ、6位のジャイアンツ、7位のタイタンズ、8位のファルコンズ、9位はすでにトップでQBを指名したベアーズ、10位のジェッツ。ここまでずらっと、いちおう先発QBを確保しているチームだ。ただし6位のジャイアンツは一昨年好調だったダニエル・ジョーンズが昨年は不振だったので、QBの指名はある。それでももとの11番目のヴァイキングスと、12番目のブロンコスは、ベスト6のQBはゲットできる。ベスト6以外のQBはかなりレベルが下がるので、QBの指名はここまでだろう。わりとすんなり行きそうな気もする。ただ13番目のレイダーズも、QB指名があるかもしれない。カージナルスやチャージャーズに対して、13番目と、2巡の指名権を付けるという条件でベスト6のQBの確保を狙う可能性がある。ジャイアンツがQBを指名しなげればすべてが丸く収まるのかもしれない。しかし少しでも指名順をアップさせたいという願望は、ヴァイキングス、ブロンコス、レイダーズに共通している。3位のペイトリオッツに交換条件をもちかけるか。4位以下のQBを指名しないチームに狙いをつけるか。この1週間が勝負だ。交渉の電話は、指名が始まってからでも可能なので、3位のペイトリオッツから10位のジェッツの指名が終わるまで、ドタバタの交渉が続くはず。今年もスカパーで生中継がある。この日は早朝からテレビの前に陣取って、レイダーズの指名が終わるまでは目が離せない。スーパーボウル優勝のチーフスは32番目だ。今年はレシーバーが豊作だ。ディフェンスが必要なチームもあるだろうから、有力のレシーバーが32番目まで残っている可能性はある。去年は2巡で獲得したライスがレシーバーとしてスーパーボウルでも活躍したのだが、自動車事故を起こして出場停止処分になるおそれがある。1人は指名しておきたい。スニードが出ていったのでコーナーバックも必要。3巡目、4巡目でオフェンスラインを強化したい。一昨年は7巡目でパチェコをゲットした。同じように少し体重のあるランニングバックも控えとして入れておきたい。あとは現在の控えの若手を鍛え直して何とか3連覇を狙ってほしい。

04/20/土
釈迦の覚りの話になって難しい領域に入ってきた。少しペースが落ちるのは仕方がない。藤井くんが久し振りに負けた。相手が同年齢。これから二人は拮抗したいい勝負になっていくのではないか。

04/21/日
ドラフト数日前になった。指名順に動きはない。3位のペイトリオッツがそのまま3番人気のQBを指名するか。6番目のジャイアンツがQBを指名するか。3〜10番目くらいのチームが、QBが必要なバイキングスとブロンコスの交渉に応じるか。交渉に応じるチームの交換条件は相手チームの今年の1巡+来年の1巡、といったリクエストが考えられるのだが、来年の1巡というのがクセモノだ。同じ1巡でもそのチームの成績によって何番目かが決まる。ベアーズは去年のドラフトでパンサーズに1番指名を譲った。見返りに今年の1巡をもらったのだが、パンサーズは1番指名でとったヤングが絶不調で成績がビリだったため、ベアーズに一番が回ってきた。去年、3番指名をテキサンズに譲ったカージナルスは、3番指名で採ったQBストラウドが大当たりで、地区優勝しただけでなくプレーオフでも1勝したため、カージナルスに渡した1巡が27位という貧乏クジになってしまった。そういうリスクがあるので今年の上位指名順をもっているチームは、見返りにもっと大きなものを要求するだろう。今年の3巡、4巡とか、来年の2巡、3巡とかも含めて、数を要求するかもしれない。採れる選手の人数が多いと、歩留まりも大きくなるからだ。

04/22/月
マハーヴィーラーの章が終わった。12章完了。第二クォーターも後半に入った。14章で半分なので、ハーフタイムが近づいている。予定では本日、沼津で一泊する予定だったのだが、妻が風邪で体調を崩しているので予約を明日にした。浜松では2週間を過ごすので、プリントのチェックを完了したいと思っている。

04/23/火
沼津で1泊。プリントをもっていったので仕事はできた。

04/24/水
雨をついて浜松へ。途中、トンネルを抜けると急に空が明るくなった。駿河と遠江の境なのか。よくわからないが浜松はうすい雲におおわれているものの雨は降っていない。仕事場についても荷下ろしが楽だった。雑草が少しのびているほかはとくに問題はない。ただ寒い。石油ストーブをつけた。明日からは猛暑になるといわれているのだが、ほんまかいなと思う。

04/25/木
いよいよ明日はドラフト。スーパーボウルやプレーオフトーナメントに次ぐ大きなイベントだ。何しろこのドラフトの初日で、QBの配属が決まる。Footballの勝敗のカギを握るのがQBだ。野球の場合は、試合が毎日あるので数人の投手がローテーションを組むのだが、Footballは週に一度の試合なので、すごいQBが一人いるだけで充分だ。ドラフト名鑑には有馬隼人の解説が掲載されている。有馬さんはもとアナウンサーなので歯切れのよい解説で定評があるのだが、もとQBでもあるのでとくにQBの新人の評価はすごいものがある。何しろ2年前のビリで指名された49ナーズのパーディーを、事前にブレイディーの再来と高く評価したのに、どのチームも指名せず、7巡目の最後の49ナーズが3番手QBとして指名したら、怪我人が2人出て、最後の数試合に連勝してプレーオフに出場し決勝戦、翌シーズンはスーパーボウルにまで進出した。というわけで有馬さんの評価によると、やはり南カリフォルニア大のケイレブ・ウィリアムスがトップ。遠投力、走力、判断力すべてに秀でているとのこと。1巡1番のベアーズが指名するのはまちがいない。次はルイジアナ大のジェイデン・ダニエルズ。長身に恵まれているうえに転校はて5年のキャリアがあるので即戦力として期待できる。2番のコマンダーズが指名するだろう。ビッグ3として評価されるオレゴン大のドレイク・メイの評価は意外と低い。大型で強肩だがステップにクセがあり、ボールを投げるまでにわずかなタイムラグがあることを難点として、ビッグ6のなかでは最低評価となっている。かわって3番手に評価されているのは、オレゴン大のボー・ニックス。これも5年のキャリアがあるので即戦力として高く評価されている。この3人はまったく文句がないQBとして1年目から活躍が期待される。3番指名のペイトリオッツがどうするか。どうしてもQBがほしいバイキングスかブロンコスが、指名順の交換だけでなく今年の2巡や来年の1巡などセットとして交換を申し出る可能性がある。ペイトリオッツもマック・ジョーンズを放出しているのでQBは空席なのだが、低い評価のQBに目をつけている可能性があり、それなら1巡の後半でも指名できるので、オマケが2つくらいついていれば交換に応じる可能性がある。新人QBはあと2人、ミシガン大のJJマッカーシーも評価が高い。身長も高く遠投力、走力ともに充分。3年卒という若さが心配だが、メイにかわってベスト3に入れる人もいる。ワシントン大のマイケル・ペニックスも注目。6年のキャリアがあるのだが大きな怪我をして過去があって評価は微妙。投球の時のスタンスの広さが難点ではないかと有馬さんは指摘している。ということで、若さのケイレブ・ウィリアムスとJJマッカーシー、即戦力のジェイデン・ダニエルズとボー・ニックスというところがビッグ4。メイとペニックスが残り福というところだろう。2022年のドラフト。この年もQB豊作といわれていた。指名1番はジャガーズのトレバー・ローレンス。1年目はまったくダメだったが、翌年にプレーオフに進出。昨年は怪我で失速したがいまや大スターとなっている。2番目がジェッツのザック・ウィルソン。チームは大いに期待したのだが失速して、ロジャースの加入で放出された。3番目が49ナーズのトレイ・ランス。大いに期待され、ガロポロの控えとしてチャンスを待っていたのに本人が先に怪我をして、翌年の7巡ビリのパーディーに先発を奪われて、消えてしまった。11番でベアーズに指名されたジャスティン・フィールズもそこそこ活躍していたのだが、今年は1番指名でQBを採ることが決まって放出された。15番目指名のペイトリオッツのマック・ジョーンズは、5人のなかでは1年目から活躍してプレーオフに進出したのだが、その後は停滞して、放出されてしまった。ということで、期待された5人のうちいまも生き残っているのはジャガーズのトレバー・ローレンスだけだ。それに比べれば、去年のQBはテキサンズのストラウドを始め、先発出場で勝利をあげたQBが数人いる。今年はどうなるか。明日が楽しみだ。指名順はいまのところ1ベアーズ、2コマンダーズ、3ペイトリオッツ、4カージナルス、5チャージャーズ、6ジャイアンツ、7タイタンズ、8ファルコンズ、9ベアーズ(2度目)、10ジェッツ、11ヴァイキングス、12ブロンコス、13レイダーズ。眺めていると4番カージナルス以下のチームはQBを必要としていない。しかし指名権のトレードがあるので、ヴァイキングスやブロンコスのところまでQBが残っているとは限られない。積極的にトレードを申し出て、6番以内に順位をあげることが、確実にビッグ6のQBをゲットする必須条件になるだろう。従って、この6人が指名されるまでに、どんなチーム間の指名順のトレードがあるかがポイントとなる。こう考えてみると、勝敗が予想できるようなプレーオフ初戦よりはドラマチックなイベントだといっていいだろう。明日の朝には結果が明らかとなる。

04/26/金
ドラフト初日が終わった。大きな指名順トレードもなく順調に指名が進んだ。QB豊作の年で即戦力になりそうなQBが6人もいる。とくに1番から3番のベアーズ、コマンダーズ、ペイトリオッツはQBが必要なのですんなり人気のビッグ3が指名された。残りの3人が問題で、4番から9番まではQB不要と考えられていた。6番のジャイアンツも無事にワイドレシーバーを指名。ところが8番のファルコンズがまさかのQB指名。しかも怪我が多く、大学に6年もいたマイケル・ペニックスを選んだ。トレードで大ベテランのカズンズを移籍させたばかりのファルコンズのこの選択は意外中の意外。カズンズを奪われたヴァイキングスは順位を1つあげてJJマッカーシーを指名。なぜ順位を1つ上げたのかも不明。すぐうしろのブロンコスがジェッツに声をかけて前に出るのではという疑心暗鬼だったのか。そのブロンコスは残り福のボー・ニックスを指名。有馬さんはビッグ3のドレイク・メイよりも高く評価していたQBで、満足できる結果だと思われる。12番までに6人のQBが指名された。さすがにQB豊作の年だ。しかしまたオフェンスラインのタックル豊作の年だったのか、32チーム中、8人もタックルが指名された。2〜3年前にエッジのブームがあった。ディフェンスラインの左右からQBに襲いかかるエッジによってQBの自由度を奪う。これを守るのでオフェンスラインのタックルで、タックル豊作というよりも、QBを怪我から守るためにタックルが必要だったということだろう。チーフスは1巡ビリの指名なのでようすを見るしかなかったのだが、28番まで来たところでビルズと下位指名順をおまけにつける交渉が成立して、ワイドレシーバーのジャビアー・ワーシーを指名。タイリーク・ヒルに似た小柄俊足のレシーバーで、やはりマホームズには飛び道具が必要だったのだろう。これまで背の高いレシーバーをトレードで獲得していたのだが、やはりヒルの存在が懐かしかったのか。小柄のレシーバーは敬遠されがちだが、レイブンズのフラワーズも小柄で、カンファ決勝で活躍されたことが印象に残っていたのだろう。とにかくレシーバーを1人獲得できてよかった。2巡目以降ではコーナーバックとディフェンスラインを強化してほしい。もう1人、背の高いレシーバーもほしいところだ。タックルは1巡で8人も指名されてはめぼしい選手は残っていないだろう。

04/27/土
週末。こちらは仕事場に来ている。ここは別荘地内にあるので周囲はもう連休モードに入っている。昨日まではネット会議もありメールが飛び交っていたのだが、週末となればメールも来なくなる。こちらに来て、プリントのチェックと並行して赤字の入力作業を始めた。これで最終の仕上げとなるので緊張を強いられる作業だ。1章が終わる度に大きく息をつく。午前に1章、午後に1章、あいまにプリントチェックといった感じで作業を進めている。本日、入力は7章が終わった。法華経にちなんだわけでもないのだが全体が28章なので、7章が終わると、第一クォーターが終わった感じになる。プリントのチェックは第三クォーターに入っている。こちらは来週中に完了するだろう。入力作業もがんばって、浜松にいる間にゴールが見えていれば嬉しい。アメリカではドラフトの2日目に入っている。チーフスは2巡でオフェンスタックルを選んだ。1巡で8人も指名されていないのでもはや残っていないかと思われたのだが、2巡に入ってディフェンスが選ばれるようになって、体格がよく脚も速い選手が残っていた。とりあえずガードでも使えるし、ラインはローテーションするので、1年目から役に立つだろう。チーフスは3巡の指名権はトレードで使い果たしたようだが、明日の4巡と5巡で、コーナーバックとデイフェンスラインを強化したい。

04/28/日
3日間のドラフトが終わった。初日に1巡、2日目に2巡と3巡、本日は4〜7巡の指名が実施された。チーフスはトレードの関係で3巡がなく、4巡に2回指名できることになっていたので、結局、7人を指名できた。ワイドレシーバー、タックル、タイトエンド、セーフティー、センター、コーナーバック、ガードという順番で選手を選んだ。ワイドレシーバーのザビエル(ジャビアーという発音かも)ワーシーには賛否があると思われる。このところチーフスは、スミスシェスターやスキャントリング、昨年の新人ライスと、背の高いレシーバーを主力に据えていた。スーパーボウルの最後の最後で、俊足のハードマンで決勝点をとったのだが、小柄なレシーバーは競り合いに弱い。タイリーク・ヒルもそういう弱点があった。昨シーズンのプレーオフ初戦でドルフィンズに大勝したのも、ヒルの弱点を知り抜いていて、コーナーバックのスニードがつねに競ってヒルの脚を封じていた。しかしヒルのような小柄で俊足のランナーは飛び道具として有効で、レイブンズの小柄なフラワーズに一度はタッチダウンを決められだ。二度目はゴール直前でスニードがファンブルをさそった。とにかくワーシーはヒルやフラワーズ系の俊足ランナーだ。2巡のタックルは大柄ないい選手で、マホームズを守ってくれるだろう。3番目にタイトエンドを指名した。ケルシーの跡継であると同時に、タイトエンドを2人同時に起用して、フルバックになったり短い距離のスロットレシーバーになったり、攻撃にバリエーションをもたそうということだろう。スニードがトレードでいなくなったので、コーナーバックとセーフティーを補強した。無名の選手たちだが、ディフェンスはチームプレーなので、必ず役に立つはずだ。センターも指名した。スーパーボールでは何度もスナップのボールがワンバウンドになっていた。安定したセンターはぜひとも必要だった。最後の7巡はガードを指名した。オフェンスラインはQBを守るのが役目で、ディフェンスラインは敵のQBを攻撃するのが役目だ。これは池袋のようなもの(東口に西武/西口に東武)で、ディフェンスラインが攻撃的で、オフェンスラインは守備的になる。その守備の要のセンター、ガード、タックルを入れた。ラインは疲れるのでローテーションを決めて交替で休むことになるので、この3人の追加は重要だ。スーパーボウルでは49ナーズのディフェンスラインにやられっぱなしで、マホームズは何度もサックされていた。オフェンスラインの強化は最重要課題だった。ということで、今回はまんべんなく弱点を補強できた。欲を言えばスキャントリングを放出したので背の高いレシーバーが一人ほしかったが、これは新人タイトエンドやワトソンで代用できる。落球癖のあるトニー、スカイ・ムーア、ハードマンが練習でちゃんとボールを受けられるようになってほしい。ランニングバックもパチェコ、ヒレアー、マッキノンと全員が小柄で、一人くらい大型の選手がほしかったが、欲を言えばきりがない。

04/29/月
赤字入力の14章が完了。これで半分だ。プリントのチェックはまだあまり進んでいない。プリントした原稿を7章ずつ4つに分けて保管しているので、第三クォーターのチェックがまだ作業中ということになる。入力の作業はここで中断して、21章までのチェックを早く片づけたい。

04/30/火
浜松に来る前に風邪でしばらくダウンしていた妻の体調が回復しないので、東京に戻ることにした。体調がよくないのでは行楽に出かけることもできないし、こちらも赤字入力の作業などでパソコンの前にいることが多く、東京にいた方が集中できるのでとりあえず移動して戻ってきた。プリントのチェックは昨日の段階で19章まで。あと11章。後半はあまり赤字が入らないはずなので、並行して入力作業も進めていけば、プリントチェックの完了とほぼ同時に入力作業も終了するだろう。ということでいまは東京に戻っている。とはいうものの連休は続いているので、あと一週間、集中して作業を完了させたい。


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