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月末
01/02/月
月曜日はFootballの日。シーズンが始まったころは早朝に起きてDOZNの中継を見ていたのだが、可能性の絞られてきたこの段階では、リアルで見てもしようがない。ふつうに起きて結果を知る。それから箱根駅伝を見ながら、時々レイブンズ対スティーラーズの中継を見る。スティーラーズは前半が2勝6敗で、その時点では絶望的だっただが、後半は今日も勝って6勝2敗と五分のところまで盛り返してきた。Aカンファは明日のビルズ対ベンガルズの試合でシード1位が動く可能性はあるが両チームとも地区優勝は決まっている。西地区もチーフスが独走していて、あとはシード順を決めるだけだ。南地区は最終戦の直接対決で決まる。ただタイタンズはQBの故障で失速しているので、昨年ドラ1QBローレンスのジャガーズが勝つだろう。ワイルドカードの3枠はレイブンズとチャージャーズが決まっているので残りは1枠。ここに8勝8敗で3チームが並んでいる。ドルフィンズは1差リードしていたがペイトリオッツに負けて並ばれてしまった。ここに今日勝ったスティーラーズが加わる。ドルフとペイトは1勝1敗。スティーラーズは両チームに負けているので弱い立場。ただペイトリオッツの最終戦は首位のビルズなので勝つのは難しいか。ドルフィンズは今日負けて一歩後退のジェッツが相手なので勝てそうだが、QBタゴヴァイロアが復帰できるか。ブリッジウォーターでは苦しそうだ。スティーラーズはブラウンズ。移籍したQBワトソンがようやく調子を出しているので接戦になる。まさかとは思うが3チームとも負けるとジェッツも8勝になる。南地区のジャガーズが負けて地区優勝を逃した場合も8勝は挙げているので、5チームが8勝で並ぶことになる。これは計算が難しい。Nカンファはブレイディーのバッカニアーズが勝って地区優勝を決めた。7勝7敗5分のコマンダーズがブラウンズにまさかの大敗。QBをウェンツに替えたのが大失敗。これで8勝8敗の3チームに抜かれてしまった。シーホークス、ライオンズ、パッカーズ。シーホークスはラムズが相手なので勝つ。ライオンズとパッカーズは最終戦が直接対決。シーホークスはライオンズに負けている。パッカーズとは対戦なし。従ってライオンズは直接対決に勝てば残り1枠にすべりこめる。パッカーズが勝った場合はどうなるのか。ぼくの計算ではNカンファだけの勝率でわずかにパッカーズが上回る。ということはシーホークスには望みがないということだ。コマンダーズは直接対決のどちらかが9勝になるので望みはない。ということで残り1枠はAカンファはドルフィンズがジェッツに勝てばほぼ決まり。Nカンファはライオンズ対パッカーズの勝者ということだろう。さて、孫は気賀に親の実家がある友人と浜名湖一周のサイクリング。次男は近くの山に登山。次男の方が先に帰ってきて、やがて孫も帰ってきた。浜名湖一周は7時間かかったとのこと。次男は友人を気賀まで送り、それから鷲津にレンタサイクルを返しに行った。孫はその間にクラリネットの練習。いい音を出すようになった。祖父のぼくが買ってやった楽器だ。夕食のあと次男と孫は名古屋に帰っていった。
01/03/火
昨夜、次男と孫が帰ってほっとしている。妻が疲れている。まだしばらくここにいられるのでのんびりしたい。本日は一試合だけ、ビルズ対ベンガルズ。パソコンで仕事をしながら、テレビでは箱根駅伝の復路の中継を見つつ、iPhoneでFootballを見ていたのだが、気がつくと画面が貼り付いたような状態になっていた。よく見ると観客席には動きがあるのだが、グラウンドに選手がいない。その前に英語のアナウンスが何か言っていたようなのだが、ぼくの語学力ではプレー以外のことは聞き取れなかった。とにかくプレーが中断し、選手がいなくなった。そのうち画面そのものが消えてしまった。ネットでNFLのホームページを見ると、ビルズのラインバックが相手にタックルし、何事もなく立ち上がった直後に昏倒したとのこと。心不全のようで心配停止の状態だったという。病院に運ばれて鼓動は回復したものの意識不明が続いているとのことで、試合は中止となった。この試合はマンデーナイトで、通常の日曜の試合より一日遅れで、さらに翌日、翌々日などに延期になると、来週の最終戦との間隔が短くなる。いまのところ期限未定の延期だが今週中の再試合はないとのこと。ベンガルズの本拠のシンシナティでの試合だったので、一部の選手は病院に駆けつけたものの、残りのビルズの選手はバッファローに帰って最終戦に備えている。ということで、没収試合となりそうだ。Nカンファのシード1位争いに絡んだ重要な試合だったが、試合中に心肺停止の選手が出たのでは続行は不可能だっただろう。こういうのを見たのは初めてだ。
01/04/水
三が日が終わったので志都呂にあるショッピングモールに行ってみたが、すごい混雑だった。まあ、混雑を見物して正月気分になっただけで、何も買わずに帰ってきた。とにかく長い廊下を歩き回ったので、いつもの散歩と同じくらいの歩数になった。
01/05/木
一昨日グラウンドで倒れたのはバッファロー・ビルズのセイフティーのハムリンという選手だった。倒れた直後に心配停止だったが、グラウンド上での処置で鼓動は復活したとのことで、病院に搬送されたあともまだ意識不明の状態が続いているものの、回復の兆しは見せているとのことだ。いずれにしてもプレーで倒れたまま心肺停止となれば、チームの仲間もスタッフも、試合を続行することは不可能だったろう。延期ということになったが、次週に最終戦があるので、今週中の再試合は不可能だ(野球やバスケットのように連戦はできない)。もしもこの試合でビルズが勝っていればシード1位をキープ、ベンガルズは最終戦でレイブンズと地区優勝争いの直接対決ということになっていたはずだ。逆にベンガルズが勝つと、ベンガルズがビルズと勝率が並び、直接対決に勝つのでビルズより上位になるのだが、勝率ではチーフスがシード1位ということになる。いずれにしても試合の結果でシード順が大きく入れ替わることになっていた。試合が延期ということになると、次週は最終戦、その次の週はプレーオフのトーナメントが始まるので、延期された試合はその先に実施となる。ということはその試合の結果はシード順には繁栄されないことになり、引分と同様、勝率には反映されないことになる。ということで、いまの暫定順位は、チーフス、ビルズ、ベンガルズとなり、ベンガルズの地区優勝が決定した。3チームがともに最終戦に勝つと順位もそのままということになる。どのチームも最終戦はフルメンバーで順位を確保するだろう。よほどのことがない限り、このままのシード順となる。シード4位は南地区の地区優勝を争うタイタンズ対ジャガーズの直接対決の勝者ということになる。第5シードはチャージャーズとレイブンズが並んでいる。そのままならカンファ内の勝率でチャージャーズが上で、最終戦の相手のブロンコスには勝だろうから、このまま5位と6位となる。最後の1枠はペイトリオッツ、ドルフィンズ、スティーラーズが勝率では並んでいる。ただペイトリオッツの最終戦の相手が、強敵ビルズなので勝つのは難しいか。ただチーフスの試合が前日にあって、これにチーフスが勝つと、ビルズのシード1位の可能性が消える。するとビルズは主力を休ませるだろう。そうなるとペイトリオッツが勝ってシード7位を決めるだろう。ドルフィンズは残念ながらプレーオフを逃すことになる。Nカンファは途中まで全勝でシード1位間違いなしと思われたイーグルスがQBハーツの怪我で失速した。まだ1ゲーム差あるとはいえ最終戦のジャイアンツに負けると49ナーズ、カウボーイズ、バイキングスと勝率で並ぶことになる。4チームが並ぶと計算がややこしくなる。どうやら49ナーズが1位になるのか。これはいずれNET上に発表されるだろう。南地区はバッカニアーズが地区優勝決定で第4シード。イーグルスが最終戦で負けた場合は地区優勝を逃して第5シードに回る。ジャイアンツが第6シードで、最後の1枠はパッカーズ、ライオンズ、シーホークスが同率で並んでいるものの、パッカーズとライオンズが直接対決なので3チームとも勝つというケースはありえない。で、パッカーズが勝つとシード7位が決定、ライオンズは勝ってもシーホークスが勝つとシーホークスが7位ということで、ライオンズが7位になる可能性は自分が勝ってシーホークスが負けた場合のみだが、シーホークスの相手は死に馬のラムズ。ただしラムズのQBは移籍したばかりのメイフィールドなので、モチベーションは下がらない。とにかくライオンズはシーホークスの負けを信じてパッカーズに勝つしかないが、ほとんど絶望の状態がチームを建て直したロジャース率いるパッカーズが勝ちそうだ。さて、自分の仕事は4章が終わった。息子の如信が東国に来て、親鸞のようすを語る。親鸞と善鸞、善鸞と如信という2組の父子の関係がここで浮き彫りになる。そのあたりがいい感じて書けている。よかった。もしかしたらここが一番いいシーンかもしれない。
01/06/金
グラウンドで倒れたハムリン選手の意識が回復した。よかった。倒れたのが試合中のグラウンドだったというのが不幸中の幸いだったのだろう。医療スタッフが瞬時に駆けつけ、心肺停止であることを確認して最善の処置をしたので、その場で心臓の鼓動は回復した。短い時間ではあるが血流が途絶えたことで、脳を始め全身の機能がストップしたのだろうが、意識が戻ったことで脳死状態ではないことがわかった。まだ自力の呼吸ができないので、声は出せないが、意思は確認できるようで、本人は試合の結果を知りたかったとのことだ。これでふつうに最終戦が実施されることになる。試合は1クォーターの終わり近くで中断された。ベンガルズが7点先取し、ビルズが3点返して、再びベンガルスの攻撃になったというところで試合が中断された。この試合が中止または延期になることで、ビルズはシード1位から2位に後退したことは確かだが、プレーオフに出場できるて、おそらく準決勝でベンガルズと対戦する。そこで決着をつければいい。さて本日は都田テクノというところにあるカインズホームが買い物。たいていのものは浜松にいる間に調達する。『善鸞』はいよいよ日蓮との対決になった。相手は本気で折伏にかかってくる。最高の思想ドラマが展開される。まるでドストエフスキーだ。
01/07/土
世の中は3連休だそうだが、正月から浜松の仕事場にこもっているので、世の中とは完全に切れた状態だ。火曜日には東京に戻る。その日に文藝家協会の常務理事会、理事会、新年会があるのだが、交通事情によっては遅れるかもしれないと事務局には伝えてある。新年会には間に合うだろう。本日もFootballの話題から。グラウンドで心肺停止になっていたハムリン選手は意識が回復し呼吸管も外れたので会話ができるようになった。これで命の危険からは完全に脱出できた。延期と発表されていた当日の試合は中止とされた。シード順の基準となる勝率には換算しないことになった。それは公平な裁定だが問題が生じる。もしもこの試合、ビルズが勝ち最終戦にも勝てばシード1位が確定するはずであった。シード1位はトーナメント初戦は不戦勝で準決勝、決勝ともにホームで戦える。これは大きなメリットだ。ビルズはハムリン選手の蘇生で喜びに沸いているけれども、シード1位の特典は得られないことになる。チーフスが最終戦に勝つと半ゲーム差でチーフスが1位になるからだ。しかしシード2位でも初戦と準決勝はホームで戦えるので問題はないが、決勝戦がアウェイになるのはデメリットが大きすぎる。この点を補償するために特別の裁定が下され、もしもチーフス対ビルズが決勝に進出した場合は、球場はどちらのホームでもない別の球場で開かれることになった。アメリカ人は公平さを何よりも重視する。ハムリン選手が生き返ったのだからそれでいいじゃないか、といった情緒的な判断は排除されるのだ。もう1つ、問題が生じた。もしも中止になった試合でベンガルズが負けていた場合、最終戦のベンガルズ対レイブンズの直接対決でレイブンズが勝てば同率となり、直接対決で勝っているベンガルズの地区優勝が決まっていた。中止となったので、ベンガルズは最終戦に負けても半ゲーム差リードするので、ベンガルズが地区優勝となり、第3シードになった。この場合、試合が中止になったことでレイブンズは地区優勝の可能性を奪われたことになる。もしもレイブンズが最終戦に勝っても、地区優勝ではなくワイルドカードでのプレーオフ出場となり、第6シードになる可能性が高い。もしそうなった場合、トーナメント初戦がベンガルズ対レイブンズとなり、シード上位のベンガルズのホームで闘うことになる。もしも中止になった試合でベンガルズが負けていれば、シード順は逆になり、レイブンズのホームで戦うことになっていたはずだ。そういうポテンシャルに配慮して、もしもプレーオフ初戦がベンガルズ対レイブンズになった場合は、どちらのホームで戦うかを、事前にコイントスと決める、という裁定が下った。コイントスというところがいかにもアメリカらしい。18週のシーズンが終わってシード順を決める時、同率となった場合は直接対決の勝敗、地区での勝率、カンファでの勝率、さらに勝った相手の勝率の合計(これがいと強いチームに勝ったことになる)など、順位決定のプロセスが厳密に定められているのだが、それでも差がつかなかったらコイントスということがルールに記されている。ここがアメリカらしいところだ。ウクライナとロシアの戦争も、最後はコイントスで決めろとアメリカ人なら言いだしかねないところがある。さて、自分の仕事は5章まで終わった。最終章を残すのみ。できれば仕事場にいる間にゴールインしたい。
01/08/日
最終戦は大半が明日なのだが、2試合だけ現地の土曜日に実施されている。チーフスがレイダーズに危なげなく勝ってシード1位を決めた。もう1試合はタイタンズ対ジャガーズ。勝った方が地区優勝という大事な一戦だ。NETで途中経過を見た。第4クォーターに入ってもタイタンズが3点リードしている。タイタンズは控えのそのまた控えのドブスが先発しているのだが、ランニングバックのヘンリーにただ手渡すだけというプレーで得点を重ねてきたのだろう。残り時間が少なくなってきたのでDOZNの中継につなぐと、残り3分でまだタイタンズが攻撃している。このままランニング攻撃を続けていれば時間切れに持ち込める。昨年のドラ1QBローレンスは緊張のためか不発だったようだ。地区優勝を決める大事な直接対決に競り負けたのでは悔いが残るだろうと思っていたら、ディフェンスエンドがQBドブスをサック。パスしようとした手を叩かれたのでファンブル。これをジャガーズのラインバックは簡単に拾い上げてタッチダウン。思わぬ大逆転劇になった。4点差になったのでタイタンズは残り2分でタッチダウンが必要。控えの控えのQBではどうしようもなく、昨年全体ビリのジャガーズが地区優勝第4シードとなった。明日の試合の見所はAカンファの最後の1枠。ペイトリオッツ、ドルフィンズ、スティーラーズが同率で並んでいるのだが、この順番で優劣が決まっているので、ペイトリオッツは勝てばシード7位が決まる。ただし相手は強豪ビルズ。ビルズは先週の試合が中止になったためシード1位は逃したものの、このまま勝ち続ければカンファ決勝戦でチーフスと当たった場合は、相手のホームではなく、中立の球場で試合が実施される。この特例があるのでビルズは勝ちにいくだろう。ペイトリオッツ危うし。ドルフィンズもどうやら控えの控えのQBが先発するようなので、死に馬のジェッツが相手でも苦戦するだろう。スティーラーズにもチャンスがある。新人QBピケットにプレーオフの経験を積ませたい。Nカンファは1位イーグルスのQBハーツが怪我でこのところ休んでいる。相手はジャイアンツなので控えのミンシューでも勝てるだろうが、もし負けると49ナーズ、またはカウボーイズがシード1位となる。最後の1枠はパッカーズ対ライオンズの直接対決。パッカーズは勝てばシード7位が決定。ライオンズは勝ってもシーホークスが負けないとプレーオフに進めない。ということでモチベーションが下がるかもしれない。一時は絶望と思われたところから、パッカーズはロジャースが調子を上げて連勝を続けてきた。他チームの失速もあってまさかのチャンスが巡ってきて、自力でプレーオフ出場が可能なところに来た。ベテランがこのチャンスを逃すはずはない。バッカニアーズのブレイディーも地区優勝を決めているので、ベテランQB2人のおそらくは最後の勇姿が見られることだろう。シード1位が決まらないので、トーナメントがどうなるかもわからないのだが、仮にイーグルスが最終戦に勝ったとすると、準決勝ではワイルドカードのカウボーイズと当たりそうだ。もう1つの山は49ナーズだろう。決勝戦はカウボーイズ対49ナーズで、これはいい勝負になる。ディフェンスの強いチーム同士だし、ランニングも双方とも強い。その上で中堅QBとなったプレスコットと、ドラフトビリのQBパーディーの対決となる。Aカンファの方はいずれにしろチーフスとビルズの決勝戦になる。ただし中止になった試合は中断までベンガルズが7対3で勝っていた。もしかしたらベンガルズが勝ち上がるかもしれない。いずれにした中止のおかげでシード1位となったチーフスは、2位と3位の激戦を横目で見ながら、チャージャーズかジャガーズを相手にすればいいので、楽な展開になる。スーパーボウルがチーフス対49ナーズになれば3年前の再現になる。49ナーズはランニングバックが強化されているので、ドラフトビリのパーディーでも接戦が期待される。
01/09/月
ふつうの時間に起きてNETで試合結果を確認。Aカンファの最後の1枠。ペイトリオッツはシード2位のビルズに完敗。ドルフィンズ対ジェッツは両チームともまったく知らないQBが先発。プレシーズンの練習試合のような試合で、得点がまったく入らないロースコアの試合でドルフィンズが辛勝。とにかくプレーオフにすべりこんだ。来週はタゴヴァイロアが先発できるのか。スティーラーズは新人QBピケットがワトソンのブラウンズに快勝。ドルフィンズが負けていればピケットにプレーオフのキャリアを積ませることができたのだが。まあ、よくここまで頑張ったと思う。これで初戦はドルフィンズ対ビルズ、ベンガルズ対レイブンズとなった。本日の試合でベンガルズが勝ったのでコイントスはなくなった。レイブンズは控えQBも怪我で出場できなかったようで、来週はどうなるのか。ベンガルズは絶好調で、準決勝はビルズとの再戦になる。すごい試合が期待できる。トーナメントのもう一つの山はチャージャーズ対ジャガーズ。3年目のハーバートと2年目のローレンスの対決。これは熱戦になる。これはほぼ互角だろう。勢いからすればローレンスか。いずれにしても勝者がマホームズのチーフスに挑む。この山は順調に行けばチーフス。反対の山はビルズとベンガルズだが、ベンガルズがやや有利か。昨シーズンは準決勝でチーフスが延長でビルズに勝ち、決勝戦は延長でベンガルズに負けた。この3チームは戦力的にはまったく互角といっていい。ぼくとしてはチーフスに期待したい。Nカンファはイーグルスが久方ぶりにエースQBのハーツが先発してジャイアンツに完勝。シード1位を確保した。第2シードは49ナーズ。カウボーイズはワイルドカードの5位に回る。残り1枠はいまテレビ中継をやっているパッカーズ対ライオンズの勝者、ということになればおもしろかったのだが、時間差で試合の終わったシーホークスが勝ったため、ライオンズにはチャンスがなくなった。パッカーズのレシーバー陣は新人や新鋭が多いので、ロジャーズの執念のこもったパスを緊張からドロップするのではないか。シーホークスが漁夫の利を狙っている。トーナメントの山はパッカーズまたはシーホークスが49ナーズと当たり、バイキングス対ジャイアンツの勝者と対戦。パッカーズに勢いがあるのでドラフトビリ新人のパーディーで行くしかない49ナーズはやや不安だろうが、パーディーはブレイディーに勝っているので、この山は49ナーズが勝ち抜くだろう。もう1つの山はカウボーイズ対バッカニアーズ。ブレイディーのマジカルなパワーが発揮されるのか。順調に行けばカウボーイズがシード1位のイーグルスと対戦する。チーフス対49ナーズのスーパーボウルを見たいという気がする。テレビ中継と並行して時々将棋チャンネルで羽生対藤井の王将戦を見ている。藤井の飛車に羽生の銀が斜めに接している。飛車がどこに逃げるかというところで、藤井くんが大長考に入っている。これはこのままで昼食になりそうだ。場所は掛川城なので浜松からも近い。仕事場の近くを走っている天浜線の終点が掛川だ。パッカーズはライオンズに敗戦。ロジャーズはここまでよく頑張ってきたが、最終戦でやはり硬さが出た。プレーオフの夢が断たれたライオンズの方がのびのびとプレーしていた。Footballはメンタルが関わるスポーツだと痛感した。将棋は藤井クンがじわじわと押し切った。羽生さんはどこが敗着かわからなかっただろう。藤井クンも決めてというような手は打っていない。コンピュータの判定でも50対50の状態から、藤井クンが飛車取りの手を受けずに金をとった。飛車と金の交換だが、このあたりからコンピュータの判断が少しずつ藤井優勢に変わっていった。気がつくと藤井圧勝という感じになっていた。今日は散歩を休んでパソコンにへばりついていた。夕方、チェック完了。浜松にいる間に作業が終わった。一年がかりの作品だがうまく仕上がった。次は『光と陰の紫式部』だ。
01/10/火
夕刻に文藝家協会の新年会があるので朝7時半に起きて車に荷物を積み込む。風が強い。妻は運転に苦労していたが、道路は空いていて一時半には集合住宅に到着。荷物を降ろし、20階のロビーまで上がってコンシェルジュに台車と荷物用エレベーターのキーを借りる。2時には荷物の運び込み完了。『紫式部』の本ゲラが届いていた。パソコンをセットし、自分の荷物を整理したところで3時になり、文藝家協会に向けて出発。本日は中華料理店で新年会だが、店の向かいにあるビルの会議室で常務委員会と理事会。理事会は早めに終わって店に移動。テーブル4つに分散。席は事務局が決めた指定席。誰の隣になるか福引きのようなもの。よくしゃべる人がいて楽しく会食。
01/11/水
昨日の文藝家協会の新年会は、その前に理事会、さらにその前に常務理事会があって、道路が混んでいれば新年会だけに出席できればと思っていたのだが、道路が空いていて最初の常務理事会から出席できた。発言することは何もないから欠席してもいいと思っていたのだが、両会とも話の成り行きで発言すべきことがあったので出席できてよかった。今週は昨日の浜松からの帰還が最大の仕事であとはのんびりできる。ただ『光と陰の紫式部』の本ゲラが届いたのでこれを今月中に仕上げないといけない。まずは控えゲラを読むことにする。どちらも同じゲラなのだが、本ゲラの方には校正者の赤字が入っていて、そのつどその赤字に従うか、元に戻すか、さらにエンピツ書きで修正すべき点が書き込んであることもあるので、そういう判断をしなければならない。それだと話の内容に集中できないので、まず赤字の入っていない控えゲラを先に読んで、文章の修正点がないかを検討する。本日は冒頭の安倍晴明との出会いから藤原道長との出会いまでを読んだ。すらすら読める。修正すべきところはないが、話がわかりにくいところもある。目次の次に主な登場人物のページがあるのだが、人間関係がわかりにくいので、系図を付けておきたい。以前に集英社新書で出した『源氏物語を反体制文学として読んでみる』につけた系図があるので、それをそのままつければいいだろう。本日は散歩に出ず、スーパーに買い物に行っただけ。明日あたり、善鸞をプリントしておきたいのだが、プリンターがちゃんと動くか心配。
01/12/木
近所の医者に行く。『善鸞』をプリントする。プリンターが動いてくれて嬉しい。パソコンが昨日、突然ブラックアウトした。いよいよ末期症状のようだ。NETにつなぐなど負荷をかけない方がいいだろう。このホームページが存続できるか心配している。『光と陰の紫式部』は2章に入った。いいテンポで進んでいる。宮中に入ってから登場人物が増えるので、そのあたりがリーダブルになっているか心配している。
01/13/金
上野公園まで散歩。浜松の仕事場にいる時は、別荘地の中をなるべく遠回りして歩き、湖岸に出て帰ってくる。信号は一つもない。御茶ノ水での散歩は到るところに信号があって歩行が中断される。上野公園まで行けば池の周りをぐるぐる歩いていれば信号で中断されることはない。疲れたら電車で帰ればいいが、裏道を通れば楽しく散歩できる。『光と陰の紫式部』の控えゲラ。後半に入っている。前半し道長との出会いなど楽しいシーンがたくさんある。後半に入ると政治的な問題、とくに荘園整理の話が出てくるので少し理屈っぽくなるのだが、まあ、楽しく語れている。デッドストックになっていた作品とは思えない。多くの人に読んでもらいたい。
01/14/土
いよいよプレーオフが迫ってきた。18週という長いシーズンが終わってようやくトーナメントの組み合わせが決まった。レイブンズやドルフィンズはエースQBが出られないので残念。とにかく初戦の展望をここに書いておく。明日の日曜日は2試合。シーホークス対49ナーズは、ドラフトビリのルーキーQBパーディーを擁する49ナーズが圧倒的に有利。守備が強固。レシーバーにサミュエルとアユーク、タイトエンドにキトル、ランニングバックにマカフリー。そしてブレイディーの再来といわれるQBパーディー。完璧の布陣だ。シーホークスのQBスミスは昔ジャイアンツにイーライ・マニングがいたころの控えだった。もうベテランといえるのだが、新人のようなフレッシュさがある。めったにロングパスを投げない安定感がある。ただ49ナーズの強力ディフェンスに対応できるか。49ナーズの楽勝だろう。チャージャーズ対ジャガーズはいい勝負になる。3年目QBのパーバートと2年目QBローレンス。どちらも将来性豊かなQBだが、どちらのチームもレシーバー陣が不足している。従ってチーフスやビルズと比べればややチーム力に差があるのだが、この試合に勝って調子が出れば次の準決勝にも可能性が出てくる。いずれにしてもこの試合は戦力は互角。安定感はチャージャーズだが、4勝8敗からの5連勝で地区優勝に到達したジャガーズの勢いからすると、ジャガーズやや有利か。月曜日は3試合。明け方のドルフィンズ対ビルズは、タゴヴァイロアが出られないのでビルズ圧勝。ジァイアンツ対バイキングはRBバークリーが復活したジャイアンツと、後半に入って好不調の波が顕著になったバイキングスで、接戦になる。戦力的にはバイキングスやや有利だが、ぼくはジャイアンツファンなので接戦をしのいでジャイアンツ勝利に期待したい。レイブンズ対ベンガルズ。レイブンズはラマ―・ジャクソンが出られないのであれば試合にならない。ベンガルズ楽勝。火曜日の最後の試合、カウボーイズ対バッカニアーズはいい試合になる。カウボーイズはオフェンスとディフェンスのバランスがいい。ぼくは49ナーズの対抗馬はカウボーイズだと思っている。だからこの試合はカウボーイズ有意なのだが、相手はブレイディーだ。第4クォーターに何が起こるかわからない。おそらく負けたらブレイディーは引退する。ブレイディーのラストゲームになるかもしれない。
01/15/日
朝、ぴったり6時半に目が覚めた。シーホークス対49ナーズの開始直後から見られた。ドラフト最下位指名の新人QBパーディーのプレーオフ初体験。ガロポロの負傷で1クォーターから出場して逆転勝ち、その後、先発で5連勝。いまだ負け知らずのQB。さすがに慎重にインターセプトされないところに投げているので、ギリギリのパスが決まらない。3点、7点、3点と、得点はとっているのだが、相手のスミスにタッチダウン2本決められ、フィールドゴールを決めて逆転したものの、前半終了間際にゴールを決められて、前半は16対17でリードされて終わった。これは接戦になるかと思っていたのだが、後半に入ると49ナーズのディフェンスが機能しはじめて、何度も攻撃のチャンスが来る。結局パーディーはタッチダウンパス3本、自らのラン1本を決めて快勝。全体のチーム力がすごい。2試合目のチャージャーズ対ジャガーズは、いきなりジャガーズの2年目QBローレンスが1クォーターに3つのインターセプト。これでは勝てるわけはない。チャンネルを切り替えて天気予報、ニュース、そのあと県対抗女子駅伝を見ていた。NETで途中経過を見ると27対0になっていた。ローレンスどうした、と思っていたのだが、女子駅伝が終わってNETを見ると30対28になっている。あわててチャンネルを切り替えると、もう試合が終わっていて、ハイライトの放送になっていた。27対0になったところで解説の有馬さんが、ここで見るのをやめた人はあとで結果を知って驚くでしょう、とコメント。え、逆転したの、と思っていたら、30対28から終了5秒前にフィールドゴールが決まって大逆転。もうダメだと思ったところからローレンスのロングパスが次から次へと炸裂。シャージャーズのディフェンスはもう勝ったと思ってしまったのだろう。一度気持が弛んでしまうと、建て直すのは難しい。あれよあれよという間に逆転負け。ワナにはまった感じだ。次はチーフスがあたる。チーフスも油断しないようにしたい。
01/16/月
朝、また6時半に目が覚めた。バイキングス対ジャイアンツ。テレビをつけると始まったばかりで0対0。寝不足なので二度寝して9時に起きたら、第3クォーターの終わり、ジャイアンツ3点リード。そこからは集中して見た。ぼくは昔はジャイアンツファンだった。ディフェンスの強いチームで、QBのイーライ・マニングは、兄のペイトン・マニングほどの安定感がなく、すぐにサックされる弱々しい感じの選手だったが、粘りがあって、スーパーボウルで2度、ブレイディーに勝った。もっと昔、シムズというQBでトーナメントに勝ち上がったのだが、カンファレンス決勝で負傷し、名前も聞いたことのないホステトラーという細いヒゲの控えQBが登場したのだが、何とスーパーボウルで勝ってしまった。これだけ記憶があるというのは、やはりジャイアンツのファンだったのだろう。そのあとカウボーイズのファンだったこともあるのだが、ブレイディーが台頭してからは、Aカンファでブレイディーに勝ちそうなチームということでスティーラーズのロスリスバーガーを応援し、マホームズがデビューしてからはスティーラーズを応援していたのだが、Nカンファではカウボーイズとジャイアンツのファンだといえるだろう。イーライ・マニングが引退したあと、いまのジョーンズが新人として入ったのだが、これがダメなQBで、サックされてファンブルし、投げるとインターセプトを連発した。数年前にデビューしたバークレーというランニングバックは、デビューした年に大活躍したものの、怪我をしてからはまったく走れなくなった。ということでここ数年、ジャイアンツは低迷していた。しかし去年あたりから、ジョーンズは自分が走れることに気づいたようだ。足は速くないのだが、背が高くがっちりした体格なので、タックルを跳ね飛ばして前進できる。ロングパスを投げなくても、確実な短いパスと、困ったら自分が走るということで、何とか勝てるようになってきた。今年、突如としてバークレーが復活した。とりあえずバークレーを走らせる。バークレーに短いパスを投げる。これをやっていると相手のディフェンスがバークレーに集中するので、ロングパスも通るようになった。今年のジョーンズはターンオーバーの少ない堅実なQBになった。バークレーが時々傷むことがあって調子に波があったのだが、この試合のバークレーは完璧だった。同点からバークレーのランでタッチダウン。その7点をディフェンスが守り切った。ということで、シード3位のバイキングスを撃破した。次戦はシード1位のイーグルスだが、QBハーツが負傷してからチーム全体が調子を崩しているので勝つチャンスは充分にある。次のレイブンズ対ベンガルズは、ラマ―・ジャクソンが怪我で出られないので控えのハントリーが相手。ベンガルズの楽勝かと思いきや、相手のディフェンスにしっかりと抑えられて同点の状態から、何とかタッチダウンをあげて逃げ切った。プレーオフに入って5戦が終わったが、ビルズ対ドルフィンズも3点差だったようで、パーディーの活躍で快勝した49ナーズ以外は、接戦での勝利だった。印象に残ったのは大逆転勝利のジャガーズだが、前半と後半で別のチームみたいだ。大逆転の勢いでチーフスに挑むので要注意。ビルズ対ベンガルズは選手の心肺停止で中止となった試合の再戦。その選手は元気になったので、弔い合戦にならなくてよかった。ともに控えQBを相手に辛勝したので、両チームとも調子はよくないが、勝つことで調子が出るだろう。決勝はチーフス対ビルズになる。試合会場はアトランタ・ファルコンズの本拠と決まった。暖かいところなので選手のベストパフォーマンスが見られるだろう。Nカンファはまだ明日のカウボーイズ対バッカニアーズが残っている。ブレイディーの引退試合になるか。ぼくは奇蹟は起きないと思っていて、カウボーイズが勝つと見ているのだが、いずれにしても49ナーズには及ばない。ジャイアンツ対49ナーズの試合を見たい。そしてスーパーボウルはマホームズ対パーディーの新旧対決になる。マホームズは6年目の選手だけれども、Aカンファでプレーオフに残った7チームの中で最年長の先発QBになってしまった。Nカンファの方は最年長のブレイディーがいて、プレスコットも中堅選手だ。ロジャースも最終戦に勝てばプレーオフに進出できた。そのロジャースに代わって出場したシーホークスのスミスも先発になったのは今シーズンだがベテランの選手だ。バイキングスのカズンズもすでに大ベテランだ。去年の覇者ラムズのスタッフォードも大ベテラン。ライオンズのゴフもいまや中堅選手ということで、Aカンファの方が若いQBが揃っている。その中で最年長となったマホームズと、新人のパーディーが対決するという組み合わせに新鮮さを覚える。実現してほしい。本日の散歩は湯島天神まで。名古屋の孫2号が中学受験に合格したという知らせが届いたのでお礼参り。賽銭を奮発する。妻といっしょに社殿の中に入って祈願の祝詞をあげてもらった。いくらかかったのかは知らない。ぼく自身は大阪の府立高校と、早稲田大学を受験した。高校は受かると思っていたし、大学も楽観していたので、神頼みはしなかった。長男と次男の大学受験の時は近くの三宿神社に出向いて祈った気がする。孫1号の受験の時も湯島天神に出向いた。そういえばいま校正している『光と陰の紫式部』にも京都の北野天神天満宮が出てくる。このところFootballのことしか書いていないけれども、自分の仕事もちゃんとやっている。控えゲラを読み終えて、それを本ゲラに転記しながら、校正者のチェックに応える作業をやっている。昨日1章、今日は2章。1日に1章しか進まない。初校ではあるけれども、漢字やルビのチェックはここで決めておかないと、再校ではいじれない。チェック洩れがないように慎重に作業を進めるのでとても疲れる。緊張感が持続しない。高齢者になって持久力がなくなったか。3年前の作品なので自分が書いたものとも思えず、作品と距離はとれているのだが、よくこんなものを書いたなという気がして、茫然としている。いい作品だとは思うのだが、誰が読むのかと考えると、少し寂しくなる。紫式部は神のごとき天才少女として描かれている。平安時代は、江戸時代ほど儒教が支配的であったわけではないのだが、すでに男尊女卑の風潮が広がっている。皇后定子の母の高内侍(百人一首には儀同三司の母という名で選ばれている)は和歌も得意だが漢詩も書く才媛だった。しかしどんなに才能があっても女性は官吏としては登用されない。結局、人妻となって娘を帝に嫁がせ、息子は内大臣になる。しかし思いがけない不幸がめぐってきて、娘は息子も悲惨な最期を遂げる。高内侍は怨霊となった道長や中宮彰子に祟る。陰陽師の紫式部と対決することになる。これは才能有る女性の不遇の物語であると同時に、中宮彰子と紫式部が、菅原道真が成し得なかった荘園整理という大事業に挑む話でもある。女性が日本国を動かすという壮大なドラマになっている。と自画自賛しているのだが、誰がこんなものをおもしろがるのかという気がして、何となく意気消沈しながら校正の作業を続けている。まあ、いまはFootballがあるから元気が出る。孫の合格も喜ばしい。
01/17/火
ブレイディーのおそらく最後の試合。ディフェンスの強いカウボーイズの前に前半無得点。とくにゴールゾーンに投げ込んだパスがインターセプトされたのが残念だった。これでブレイディーは引退を決意したのではないか。後半、得点差が開いてからパスが通りだしたが、これはカウボーイズ側の引退へのはなむけだろう。試合終了後、ロッカーへの通路に両親が出迎えていたとのこと。ぼくはブレイディーのデビューから知っている。当時のペイトリオッツにはブレッドソーという強肩のQBがいた。ブレイディーはドラフトの6巡目くらいで指名された、だめでもともとの控えQBの新人だった。だがシーズンの途中でブレッドソーが負傷して、急遽ブレイディーが先発をつとめると、連戦連勝という状態になった。いまの49ナーズのパーディーと同じ状況だ。パーディーがブレイディーの再来といわれるのはそのためだ。だがブレイディーも、イーライ・マニングも、ロジャースも、ロスリスバーガーも、走らないQBだった。優れたQBは走る必要などなかった。いまはエッジラッシャーと呼ばれるディフェンスラインに才能のある選手がずらりと並んでいる。体力がありかつ機敏で闘争心にあふれた攻撃型のディフェンスがQBに襲いかかってくる。ベテランのQBは軒並みに苦労している。マホームズがいまや中堅の選手になってしまった。マホームズはロングパスを狙うポケットパサーだが、エッジラッシャーが迫ってくれば、かわして自分で走ることができる。現代のQBは自分で走れないとつとまらない。ジャイアンツのダニエル・ジョーンズが今シーズン突然覚醒したのは、ロングパスを封じて、困った時は自分で走ることにしたからだ。自分でもって走ればインターセプトされることもない。ブレイディーの最後の試合。一つの時代が終わったという感じがした。走らないQBというのは、どこかリーダブルでない純文学みたいなところがある。純文学は売れなくてもプライドをもっているが、Footballは勝たなくてはプライドも何もない。
01/18/水
『光と陰の紫式部』自分で書き込んだ控えゲラと校正者のチェックの入った本ゲラの突き合わせの作業。5章まで終わった。最終章を残すのみだ。この作品、なかなかおもしろいのではないかと思っている。3年前の作品だが、よくこんなものを書いたなと思う。紫式部が菅原道真になって財政改革に挑む、といったテーマに、安倍晴明の陰陽師が絡むという荒唐無稽な設定の話だ。楽しい作品なのだが、平安時代の話なので、人名や役職名などにどのようにルビをふるかがたいへんに手間がかかる。何しろ3年前の作品だ。こちらも漢字の読み方を忘れている。
01/19/木
本日は午後にNET会議1件。ゲラの突き合わせの作業は終章を残すのみとなっているが、これは週末の作業として、明日は運転免許更新のための認知機能検査を受けるので、受験勉強。どのようなテストがあるかはNET上に公開されているので、それを見て準備をするということだが、こんな勉強は大学入試以来で途惑っている。16のイラストで示される物の名称をその場で暗記するというテストらしいが、そんなものを現場で初めて見ただけでは憶えられるわけがない。だからあらかじめNETで示されている問題の例を確認して、ひたすら事前に暗記することになる。問題はどうやら4種類用意されていて、そのうちの1つが出題されるらしいので、16種の絵柄の4倍、64種を全部暗記しておけばいいということになる。ただ問題の最初に示されているのが武器なので、大砲、戦車、機関銃、刀というのをまず憶えることになる。こんなものをなぜ憶えなければならないのか疑問を感じる人は多いだろう。まあ、一番身近ではないものを最初に出して受験者を混乱させようということだろう。本日はこの暗記の作業で時間がつぶれてしまう。
01/20/金
東陽町の江東運転免許試験場に出向いて、認知機能検査を受ける。誕生日が来たら後期高齢者になる。いま入っている文芸美術健康保険組合からも追い出される。自分がそんな年齢になるとは思いもしなかったし、そんな年齢になったという実感もない。むしろ若い頃よりもいい作品が書けていると思うのだが、それはパソコンとウィキペディアのおかげだ。昔のように本を買ったり図書館で調べたりといったことでは、歴史小説は書けなかっただろう。そうすると身辺雑記みたいなものしか書けなくなる。昔の作家に私小説が多いのはそのせいだろう。自分のよく知っていることを書くというのは誠実な態度ではあるのだが、いまはパソコンで学術論文が読めるので、善鸞を書くうえで役に立った。さて、本日の試験は受験勉強をしたのでパーフェクトだった。勉強していなかったら少しあせったと思う。妻がぼくより2ヵ月ほど年上なので先に試験を受けたのでノウハウを教えてもらった。その情報がなかったら、何の準備もせずに出かけて、あせっていただろうと思う。情報というのは大切だ。『光と陰の紫式部』は突き合わせが終わったのでこれで完了なのだが、来週担当者にメールを出して日にちを打ち合わせして直接手渡しをすることにしたい。『善鸞』の前宣伝もしないといけない。『デーヴァダッタ』に取りかかるということも話しておく必要がある。
01/21/土
『光と陰の紫式部』というタイトルは、紫式部が陰陽師であるところから考えたもので、もちろん史実ではない。なぜ陰陽師にしたかというと、どう考えても紫式部はふつうの人ではないからだ。ただ同時代に『枕草子』を書いた清少納言がいるし、おそらは『栄華物語』の作者だとされる赤染衛門もいるので、この時代に女性の作家が輩出したのは時代の流れということもできるのだが、それにしても『源氏物語』のスケールの大きさはただごとではないし、集英社文庫で出した『源氏物語を反体制文学として読んでみる』で指摘したように、この作品は藤原道長の摂関家独裁政治の時代で、摂政も関白も置かれなかった村上帝の時代を舞台にして、天皇の第二皇子の主人公が独裁政権を築く話になっている。つまり紫式部が使えている中宮彰子の父親を真っ向から批判している。さらに実際に彰子は国母となり、皇太后や太皇太后として、子息や孫を通じて親政を断行した。紫式部が物語の中で夢見た朝廷による親政が実現することになる。この作品は飛鳥時代から奈良時代まで続いた女帝の時代と同様のことが、平安中期に奇蹟的に実現した事実を描いたものだが、その奇蹟をわかりやすく読者に伝えるための仕掛けとして、紫式部の参謀として天后媽祖、千里眼、順風耳という式神を配置し、未来の予言を聞きながら大胆な行動をとっていくという話に変換している。まあ、そういう仕掛けを作らないと、この時代の奇蹟をうまく書けないと事前に判断したのだ。ということで、初校がほぼ完了したので次の作業にとりかかる必要があるのだが、まだ『善鸞』のプリントを読み返す心の準備ができていないので、『デーヴァダッタ』の準備に入る。といっても資料としては中勘助の『提婆達多』と手塚治虫の『ブッダ』があるだけで、他に古本屋でたまたま見つけた『釈尊の生涯』という研究者が書いた本もあるが、あまり役に立ちそうもない。ほとんどこちらの想像力だけでプロットを創っていくしかないだろう。ただデーヴァダッタの位置取りについては決めておく必要がある。釈迦の従弟ということになっているのだが、妻のヤショーダラも従妹なので、このヤショーダラの同母の弟なのかということが疑問。中勘助の作品では3人ともイトコ同士で、だから三角関係になるわけだが、同母の弟だと近親相姦的なものが入り込むことになる。どちらがドラマとしてふくらんでいくのかをしばらくは決めずに考えたいと思う。さて、明日はまたFootballがある。予想なども書いておきたい。日本時間の日曜日、朝の6時半からジャガーズ対チーフス。チーフスは初戦不戦勝で、休みが入ると出だしのチームプレーがしっくりこないことがあるので要注意。対するジャガーズは初戦の27対0からの大逆転勝利の余韻があって、昇り調子で意気が上がっているだろう。前半はジャガーズがリードする展開になるかもしれない。そこからマホームズが本領を発揮できるか。昨年はタイリーク・ヒルという超越的なレシーバーがいた。だがヒルがいるとヒルに頼りすぎて攻撃が相手に読まれる結果になった。今年は中くらいのレシーバーに無名のレシーバーを加えて、相手ディフェンスに的を絞らせない布陣になっている。メリットでもあるのだが、肝心のところでその無名のレシーバーたちが機能するかどうか。タイトエンドのケルシーがいるし、マッキノンというベテランのランニングバックもパスキャッチがうまいので、多彩な攻撃ができる。チーフスが有利だろう。10時15分からジャイアンツ対イーグルス。ぼくはジャイアンツを応援している。格上のバイキングスに接戦で勝った緒戦も堅実なプレーで危なげがなかった。ただ今シーズンのイーグルスは攻守に隙がない。懸念されるのはQBハーツの肩の負傷。初戦がお休みで順調に回復していればイーグルスの圧勝だが、万全でないならジャイアンツにも勝機はある。接戦になることを期待したい。月曜日は朝5時からベンガルズ対ビルズ。初戦を見ると、両チームとも控えQBを先発させたチームを相手に辛勝だった。本調子ではないのだが、辛勝で勝ちきったことでチームがまとまっているとすれば、いい勝負になるだろう。どちらにしろ勝った方がチーフスと対戦することになる。チーフスのファンのぼくとしては、どちらでもいいのだが、昨シーズンはビルズに勝ってベンガルズに負けた。しかし今年はビルズの方にパワーがある感じがするので、ベンガルズに勝ってほしいかな、という気がしている。朝が早いのでこの試合は見ないことにしている。朝の8時半からカウボーイズ対49ナーズ。これはいい試合になる。両チームとも初戦は快勝だった。QBのプレスコットとパーディーは絶好調。両チームともディフェンスが強く、ランニングバックも強力。レシーバーを比べると49ナーズがやや有利かとも思う。ぼくはドラフトビリのパーディーのシンデレラストーリーに感動しているので、49ナーズを応援するだろう。ということで、決勝戦はチーフス対ベンガルズ、ジャイアンツ対49ナーズというのが希望的観測だが、実力からするとチーフス対ビルズ、イーグルス対49ナーズだろうな。スーパーボウルはチーフス対49ナーズの対戦を見たいと思っている。
01/22/日
朝6時半に起きてテレビ中継を見る。チーフスが幸先良くタッチダウン。だがジャガーズもすぐに同点に追いつく。次の攻撃でマホームズがパスを投げた直後に相手ディフェンスに足首に乗られて負傷。満足に歩けない状態になった。大ピンチ。何とかフィールドゴールで3点とったものの、次の攻撃では出られない。控えのチャド・ペニー。久し振りの登場。落ち着いた攻撃で2ヤード地点からタッチダウンまで持ち込む。これが大きかった。後半、治療を施したマホームズが戻ったのだが、痛々しい感じ。それでもスカントリングへのタッチダウンパスが決まって10点差を保つ。あとはディフェンスが頑張って2度のターンオーバー。何とか7点差のまま、最後のオンサイドキックがトニーが抑えて逃げ切った。マホームズが踏ん張れず走れずという状態で、オフェンスラインが持ちこたえ、ディフェンスもローレンスのロングパスをきっちり防いで、プレッシャーをかけ続けた。辛勝。さて、来週までにマホームズの負傷が回復するのか。捻挫だろうと思うのだが、休養とマッサージでどこまで回復するか。おそらく相手はビルズだろう。ベストの状態でもほぼ互角の相手なので、これは難しくなってきた。さて、次の試合はこれから。ジャイアンツの奮闘に期待したい。と書いたが、ジャイアンツは大敗した。イーグルスのQBハーツは先々週の試合ではまだ肩の調子がよくない感じだったが、今日はほぼ完調だった。ジャイアンツは今シーズン、去年とは見違えるような安定感でシード6位にすべりこんだのだが、まあ、ここまでだった。ダニエル・ジョーンズというQBの限界を見たようにも思った。
01/23/月
今日は8時半に起きてカウボーイズ対49ナーズ。ドラフト最下位新人QBパーディーが気にかかって49ナーズを応援して見ていた。両チームともディフェンスが強い。とくにカウボーイズのパーソンズ、49ナーズのニック・ボサが注目の選手。カウボーイズのQBプレスコットは優秀な選手だし、パーディーも新人とは思えない落ち着いたプレーだったが、ディフェンスが強くてロースコアの展開。プレスコットがタッチダウンを決めたが、問題視されていたキッカーのマーハーの1点キックが相手ディフェンスにブロックされた。マーハーは先週のバッカニアーズとの試合で1点キックを4度失敗。その前の試合も最後のキックを失敗しているので5連続失敗だったのだが、今日の失敗で6連続失敗となった。3点を狙うフィールドゴールと違って、タッチダウンのあとの1点キックは距離が短いイージーなキックで、それを6回連続で失敗するのは前代未聞ではないか。それでも後半には3点キックが入ったが、1点キックの機会は訪れなかった。タッチダウンで6点しかとれなかったので、49ナーズは3点キック3本で逆転。49ナーズのキッカーのゴールドは50ヤード以上のキックも楽に決めていた。マーハーの3点キックで同点に追いついたものの、第4クォーターに入ってついに49ナーズがマカフィーのランニングでタッチダウン。カウボーイズはこの7点差を取り返すことができなかった。ぼくは49ナーズが7点とったところで、妻の買い物につきあって外出。深川ギャザリアに着いて、きしめんを注文してからiPhoneでDOZNにつなぐと、パーディーの笑顔が映っていた。7点差のままで試合終了。そこで改めて早朝からの試合の結果を見ると、ベンガルズが大差でビルズに勝っていた。ビルズは先週も控えQBのドルフィンズ相手に接戦に持ち込まれていた。ジョシュ・アレンが調子を崩していたのだが、そのまま復調しなかったのか。録画してあるのでゆっくり検証したい。これで来週はイーグルス対49ナーズ、チーフス対ベンガルズとなった。今日のパーディーはカウボーイズのディフェンスに苦しんでしばしばサックされていた。イーグルスのディフェンスもジャイアンツのジョーンズを完璧に抑えていたけれども、パーディーはジョーンズより上だと思うので、ある程度は点がとれるだろう。49ナーズのディフェンスがイーグルスのQBハーツのランを抑えられるかがポイントになる。チーフスはマホームズの足首捻挫が回復しているかがポイント。痛み止めとテーピングで少しは楽になるだろうが、パスを投げる時に力が足首にかかるので試合中に悪化していくことが考えられる。QBのランは期待できない。これはベンガルズ有利と見るべきだろう。いずれにしても、ぼくは49ナーズのスーパーボウル進出を切望している。手塚治虫の『ブッダ』。ようやくデーヴァダッタが生まれた。ブッダの子息のラーフラよりも年下という設定だ。中勘助の作品では、釈迦とデーヴァダッタは同世代で、王妃ヤショーダラーをめぐってライバル関係になるという設定だ。こちらの方が話としてはおもしろいのだが、史実というほどの資料は残っていない。さて、どうするか。もう少しじっくり考えてみたい。作品社の担当者とは明後日に会う約束をしている。そこで『光と陰の紫式部』の初校ゲラを渡す。それで一つの区切りがつくので、プリントしてある『善鸞』を読み返すことにしたい。『紫式部』の再校ゲラが出る前にチェックを終え、ひととおりの入力も終わっていればと思う。
01/24/火
昨夜ビデオでビルズ対ベンガルズの前半だけ録画を再生してわかったこと。QBバローはスナップを受けるとすぐにパスを投げていた。オフェンスラインに怪我人が多く、もともとサックの数が一番多いQBなので、ふつうに数歩下がってあいているレシーバーを捜す、といった時間が保てないと判断したのだろう。敵地だから声も届かない。雪が降っているのでロングパスは諦めて、10ヤードくらいの短いパスを瞬時に投げることにして、受けるレシーバーも最初から決めていたのだろう。だからレシーバーが10ヤード先に走る前にパスの動作を始め、短めのパスを次々に通していった。それとベテランのランニングバックのミクソンが、いつもより本気で走っています、という感じて突進したので、5ヤードくらいのランが7ヤードくらいまで相手を引きずって前進していた。従って、サードダウンロングになることがなく、着実にファーストダウンを重ねて、あっという間に14対0になった。あとは一進一退という感じで後半に入った。試合結果から見ると、結局この14点差が最後まで保持されたのだろう。これはヘッドコーチがよくよく考えた上でのプランだろうが、チーフス相手でも充分に通用する。QBマホームズの足首捻挫の回復が気にかかるところだが、ディフェンスも対策を練らないと大差で負けそうな気がする。本日はマッサージに新宿に行っただけ。強風が吹いている。風をまともに受ける高層住宅の中層階に住んでいるので風の音がうるさい。明日、担当編集者にゲラを渡す予定だったが、メールが届いて延期になった。いつも藪蕎麦で会うのだが、明日は定休日とのこと。このあたりの店の多くは、昼と夜の営業のあいまに休みをとるのだが、藪蕎麦はずっと店を開けているので、けっこう客がいる。それで担当者が予約の電話を入れたら、休みだと判明した。明日ゲラを渡したらそれを区切りに『善鸞』のプリントを読み返そうと思っていたのだが。まあ、手塚治虫の『ブッダ』もまだ8巻のところで、デーヴァダッタはまだ少年だ。中勘助のような、シッダルタと三角関係になるわけではないし、年齢差もある。やはり中勘助の設定の方がドラマ性はある。ただ年の差はもっとあっていいだろう。シッダルタの妻の季の弟、というくらいでいいのかもしれない。まあ、プリントは来週の夕方くらいからでもいいだろう。カンファの決勝戦が終われば2週間のあき時間がある。
01/25/水
年に一度の眼科検診。問題なし。この時期に眼科に行くのは花粉症の薬を貰うため。今年は例年より花粉が多いという予報なので、多めに薬を貰ったのだが、ステロイドの入っているのは緑内障の原因になるのでなるべく使わないで、市販の目の洗浄剤を買うようにと言われた。そうしようと思う。昨夜はビルズ対ベンガルズの後半を見た。ベンガルズのミクソンのランが冴え渡っている。それで気づいた。すごい降雪で後半になると積もっている状態になった。こういう時は、ボールを持ったランニングバックはアクセルで、ディフェンスはブレーキをかける側だ。すべりやすい路面でもゆっくり加速すればスピードは上がる。これに対してブレーキをかけようとしてもスリップする。加速したミクソンはベテランなので、すべりながら前進するコツを会得したようだ。同じことはビルズのランニングバックもできるはずなのだが、QBジョシュ・アレンはパスにこだわった。これには出だしの14点差が関わっている。後半にベンガルズは3点を追加して17点差になった。時間がなくなってくると、ジョシュ・アレンはパスを投げるしかなかったのだ。結局のところ、バローの先制攻撃がビルズを追い込んだことになる。戦略の勝利だろう。
01/26/木
SARTRAS理事会。紛糾。発言せず。ぼくは理事会に議題としてかけられる委員会やWGのほとんどに出ているので、必要な意見はその時に発言している。ということで理事会では沈黙している。顔の見えない……というか、顔は見えているけれども画像にすぎない相手にものを言う気がしないということもある。まあ、紛糾しながらでも前に進んでいるという実感はもっている。本日はそれだけ。手塚治虫の『ブッダ』12巻を読み終えた。まあ、読み終えたという記憶がいるのが一つの成果だが、資料としては役に立たなかった。釈迦とデーヴァダッタの年齢差がありすぎるし、ストーリーのほとんどは作者の創作だ。ただ潮出版から出ているので仏教関係の情報は編集者が揃えているのだろうと思う。釈迦在世当時の建物など、参考になるところはあるように思う。この創作ノートを始めて1ヵ月になる。まだ具体的に何も決まっていないのだが、釈迦とデーヴァダッタの年齢差を12歳くらいと設定すると、釈迦の出家(29歳)の時点で17歳、布教開始(35歳)で23歳。一番多感な時期だろうと思う。釈迦の布教開始の噂を聞いて、自分の修行の旅に出て、釈迦が修行中に接した仙人や、論争した六師外道を訪ねて、間接的に釈迦の思想の形成について探りを入れる、といった展開にして、当時のインドの思想状況を読者に伝えたい。これだけでかなりの話が書けると思う。その前に、釈迦の妻のヤショーダラとの関係も書いておかないといけない。中勘助の作品では、釈迦、ヤショーダラ、デーヴァダッタの年齢差がほとんどないような感じがするのだが、ぼくの設定だと釈迦の結婚(20歳くらいか)の時点でデーヴァダッタは8歳なので、少年の目で姉のヤショーダラの婚礼を見守ることになる。そこには当然、シスターコンプレックスみたいなものがあるだろう。あるいは姉の従者としてカピラバストゥ城に入るという設定にしてもいい。そこから釈迦の接点が生じる。ところで釈迦の名前をどうするか。ジャカ族の王子シッダルタ、ということにしたいのだが、シッダルタというのは古代語のサンスクリットで、当時のマガダ語の発音はわからないのだが、話し言葉の初期仏典を記録しているパーリー語では、ゴータマ・シッダッタということになる。しかしサンスクリットの方が響きがいいし、大乗仏教に慣れている日本人にはなじみやすいのではと思う。マガダ国の首都はラージャグリハ、コーサラ国の首都はシュラヴァースティということになる。しかし大乗仏典に出てこない地名はパーリー語で表記するしかない。両語を併用することになるだろうか。明日、担当編集者に会った後、『善鸞』を読むことにしていたが、本日の会議の内職としてプリントを眺めてみたら、とりあえず主な登場人物のページを修正。これはすぐに入力してプリントし、見た感じを確認した。ただプリントを読み進むうちに、新たな人名を加えるかもしれない。
01/27/金
作品社の担当者と藪蕎麦で会う。『光と陰の紫式部』の初校ゲラを渡し、草稿が完成している『善鸞』について語り、『デーヴァダッタ』についても構想を練っていると告げて、お銚子2本を飲み、蕎麦を食べた。これで来年までの仕事が確保された。この担当者はぼくより年上なので、いつまで一緒に仕事ができるかわからないが、彼が元気なうちはとことんつきあうつもりでいる。さて、これで一つの区切りがついた。藪蕎麦に行く前に『善鸞』の「主な登場人物」を修正。人名にルビをふるとレイアウトが崩れそうになるのでそのあたりを調整。恵信尼という重要人物が抜けていた。恵信尼は登場しないのだが、話の中に何度も出てくるので人名リストに入れておきたい。代わりに「嫌女」をカットする。親鸞の書簡にその名が出てくる下人で、作品の中でセリフもしゃべっているのだが、主要なストーリーには関わっていないので割愛。パソコンで修正してそのページだけプリントしてみる。いい感じになっている。作品の概要は「主な登場人物」を見ればわかる。覚聖、叡尊、忍性、日蓮と錚々たるメンバーが並んでいる。この時代のおもしろさが、わかる人にはわかるだろう。さて、Footballの話題。ネットで情報を集めていると、水曜日のチーフスの練習風景の動画があった。マホームズが軽く走っている。軽く走っているだけなので負荷をかけた時の痛みの度合いはわからないが、試合中に負傷した直後は満足に歩くこともできなかったし、後半にテーピングなどをして復帰した時にも、パスを投げたあとは痛い方の足を上げて、片足でホッピングしていた。軽く走れるというのは大きな進歩だといえる。骨折ではなく捻挫ということなので、数日で痛みが引く可能性はあるし、痛み止めでパスが投げられる程度には復活するのかもしれない。ただベストの状態でないことは確かで、今回の負傷がなかったとしても、ベンガルズには昨年のカンファ決勝戦も含めて3連敗している。昨年のプレーオフで大接戦だったビルズを相手に、先週のベンガルズはまさに圧勝だった。今年はベンガルズの年なのかもしれない。Nカンファの決勝も、先週の試合では49ナーズのパーディーに新人らしさが見えてしまった。それでもカウボーイズに接戦で勝ったことは自信になるだろうが、今シーズンのイーグルスはディフェンスの強固で、ジャイアンツをほぼ完封した。ジャイアンツのジョーンズよりもパーディーの方がQBとしてのレベルがワンランク上だとは思うのだが、49ナーズのディフェンスがイーグルスのラン攻撃を抑えられるかどうか。双方ともディフェンスが強いので前半はロースコアになると思われる。後半、ディフェンスが疲れてきた時に、爆発的な攻撃ができるかどうか。49ナーズの攻撃スタッフも信じがたいほどに充実しているので、パーディーにもチャンスはあると思っている。今年はNカンファの方がレベルが高そうで、チーフスのスーパーボウル制覇は難しそうだ。
01/28/土
週末はのんびりと過ごす。『善鸞』のプリントを読んでいるが、急ぐ仕事ではない。文字や言い回しのチェックだけでなく、よりよくするための新たなプランがないかを検討しながら読んでいるので、読むスピードを上げてしまうと、字面のチェックだけになってしまう。だからあえて途中で読むのをやめて、本屋雑誌を読んだりする。それでも『善鸞』の文章には惹かれるのを覚える。自分の書いた文章に惹かれるというのも変だが、出だしの部分を書いているのは一年ほど前の自分なので、もはや自分とは思わず、よく書けていると思う。主人公の妻が出てきて、すぐに死んでしまう。ここはまったくのフィクションだ。如信の母親については何の情報もない。書いている時は途方に暮れていたが、主人公が東国に赴いた時の足取りに変化があった方がいいと思ったので常陸出身ということにした。実際にそのことが大きな効果を生むことになる。九条家の荘園が常陸にあることを知ったのがヒントになった。
01/29/日
第一章のチェック完了。章の終わり方がいい。すごい作品になりそうな予感を感じさせる。ここまではうまくいっている。父を恐れながら思いきって再会する冒頭部分から、のちの秘儀につながる父と子の結びつきまでを一気に語ったこの第一章は、自分の書いたものの中でもベストの1つだといっていいだろう。さて、明日はカンファの決勝戦チャンピオンを決める一戦だ。ぼくはチーフスのファンで、49ナーズの新人QBパーディーにも注目している。チーフス対49ナーズのスーホーパーボウルになればどちらを応援するか苦しむことになる。両方とも負けたら楽しみがなくなる。どちらか一方が勝ってくれればと願っているのだが、どちらも劣勢だと感じられる。イーグルス対49ナーズは、レギュラーシーズンのイーグルスの圧倒的な強さの印象が強い。しかしシーズンの最後のところでQBハーツの腕の怪我で失速した。懸念されたプレーオフではジャイアンツに圧勝したのだが、これはジャイアンツが弱すぎた。まだハーツが完全に快復したとはいえないのではないか。しかしイーグルスのディフェンスはすごいメンバーだ。先週のカウボーイズのディフェンスにもパーディーは新人らしさを露呈していた。イーグルスのディフェンスはもっと強烈だ。ただ49ナーズのディフェンスも強固だ。同じようなロースコアにもちこめればチャンスはある。ただイーグルスはいざとなったQBハーツが走るうえに、ランニングバック陣はすごい。ラン攻撃をどのように防ぐか課題が残る。3年前のチーフスとの試合でそれほど強くないチーフスのランニングバックに走られていた。イーグルス優位と見るしかない。チーフス対ベンガルズは、マホームズの足首の怪我がなくても、ベンガルズの3連勝中という戦績が残っている。QBバローはチーフスに負けたことがない。ただベンガルズのランニングバックはそれほど強くない。ビルズとの試合は雪の中だったのでミクソンはかなり走った。だがあんな雪は降らないだろう。ベンガルズのディフェンスももろいところがある。チーフスにもチャンスはあるのだが、マホームズが走れないとなると、攻撃の幅が狭まっていまう。タイリーク・ヒルの移籍でチーフスのレシーバー陣は弱体化している。タイトエンドのケルシーに頼るか、短いパスを受けて走るマッキノン、猪突猛進する小柄のランニングバック、パチェコにも期待したい。パーディーはドラフトビリだったのだが、パチェコはその3人前だった。ほとんどブービーといっていい順位から今年はシーズンを通じて大活躍した。ケルシー、マッキノン、パチェコ、この3人に頑張ってもらいたい。
01/30/月
朝の5時からカンファ決勝戦を見る。いまその2試合が終わったところだが、何か大きな余韻のようなものが胸の奥にある。昂奮したとか感動したとかいったものとは別の、不思議な感慨のようなものだ。イーグルスは攻守にレベルの高い選手が揃っていて、先週はジャイアンツに圧勝した。なぜこんなに強くなったのか。不振のQBや、ベテランのタイトエンドをトレードに出して、ドラフト指名権と交換し、ギャラが安くて可能性のある新人を集めたこと、思いきって新鋭QBハーツに経験を積ませたこと、ときに大金を投じてレシーバーのA・J・ブラウンを移籍させるなど、ここぞというところに補強をしたこと……など、総合的なプランによって積み重ねてきたことが、今年になって集中的に稔ったということだろう。対する49ナーズはもともとディフェンスが強かったのだが、シーズン途中にランニングバックのマカフリーを移籍させるなど、こちらも的確な補強が成功したのだが、何といってもドラフトのビリで指名したQBパーディーが、若き日のブレイディーさながらの活躍をしたことに尽きる。シーズン始めは2年目QBランスを先発させると決め、長く先発を務めたガロポロはトレードに出そうとしていたようだが、引き取り手がなかったので、チーム内にとどめた。ところが開幕直後にランスが負傷、急遽出場したガロポロは出だしは不振だったが、ようやく慣れて勝ち星を重ねたところで負傷、3番手のQBとしてドラフトの最後に指名したパーディーの出番となった。パーディーが先発すると、どのチームが相手でも圧勝するようになった。そのパーディーがイーグルスに通用するのかが、最大の見所だった。ところが何ということか、こんなことが起こるのかといった状態になった。まずはパーディーがサックを受けて右肘を傷めた。急遽出場したのは4番手QBのジョシュ・ジョーンズという年輩の無名選手。だがこのQBは何回かプレーしたあとで脳震盪で退場。ボールを投げられないパーディーが再登場するしかなかった。で、ランニングバックのマカフリーに手渡すことができず、最後はそのマカフリーが代わりにロングパスを投げるといった状態で、ほとんど前進できず、イーグルスの圧勝となった。まあ、パーディーの負傷がなくても、接戦でイーグルスが勝っていただろうとは思うのだが、もしかしたら勝てるかもといった接戦を期待したファンにとっては残念な結果となってしまった。2試合目のイーグルス対ベンガルズは、QBバローになってから3連敗している苦手。しかもマホームズは足首を負傷している。とても勝つとは思えず、どこまで接戦にもちこめるかという期待だけで試合を見ていた。先週の試合の負傷直後には、まともに歩けない状態だったマホームズの足は、軽く走れる程度には回復していて、前半は互角以上の展開だったが、後半に入ると足の状態が悪化していくのが見てとれるようになった。歩くだけでも足を引きずっているのがはためにも明らかで、試合は同点でベンガルズがボールを保持し、残り時間わずかという状態になった。そこまでバローは見事なロングパスを何本か成功させる一方、チーフスのディフェンスに攻められてサックを何本も浴びていた。しかし残り時間が少なくなってボールを持っている方が有利で、このままファーストダウンを何回かゲットして時間を使い切った状態でフィールドゴールの3点を取れば勝てるという感じだったし、そこまで行けずに同点で終わっても、マホームズの足の状態を見れば、ベンガルズの勝ちは動かないと思われた。しかしチーフスのディフェンスががんばってファーストダウンを許さなかった。とくにディフェンスタックルのクリス・ジョーンズのサックが見事に決まって、残り時間は少ないもののチーフスのボールとなった。しかもレシーバーの新人ムーアがパントリターンで50ヤード地点まで迫ったため、あと1回、ファーストダウンをとって10ヤード前進すれば、キックができる状況になった。しかし足の状態が悪化したマホームズはパスも正確には投げられなくなっていて、ランニングバックにボールを渡したものの2回失敗、次の攻撃でファーストダウンがとれなければ延長、というシチュエーションだった。ここでマホームズが走ったのだ。肩を揺すりながら痛みをこらえて10ヤード先にまで到達し、サイドラインの外に出た。それでも60ヤードくらいのゴールになるので、キッカーの生涯でベストの飛距離を出さないと成功しない、いわゆる奇蹟の決勝ゴールが見られるかというところだったのだが、ここで信じられないことが起こった。ベンガルズのオサイというディフェンスが、サイドラインの外に出たマホームズにぶつかってしまったのだ。アンネセサリーラフネスの判定で、15ヤードの罰退となった。この45ヤードのやや長めではあるが決めて当たり前のキックをバトカーが無難に決めて、チーフスの勝利となった。正直のところ、後半のマホームズの足の状態では、勝てるとは思わなかったが、ディフェンスの頑張りでバローを抑え接戦にもちこんだのが勝利につながった。それにしてもオサイの反則がなければ延長戦になってベンガルズが勝っていただろう。その前のクリス・ジョーンズのサックがなければ、やはりベンガルズが有利だったと思う。ぼくはチーフスのファンだが、試合の途中からは諦めムードになっていた。というのもマホームズの足の調子だけでなく、チーフスはレシーバーが3人怪我をして、スカントリングと新人のムーアしかいなくなっていた。しかもマホームズのパスの精度が見るからに落ちていた。ベンガルズはランニングバックを抑えることに集中していた。最後に、マホームズが走った。勝因はこれに尽きる。ファーストダウンをとった上に、相手ディフェンスの反則を誘発した。試合終了後、反則を犯した選手は泣き崩れていた。それさえなければという反則だったし、反則の名称そのものが「アンネセサリーラフネス」で、文字どおり不必要な反則だった。明らかにサイドラインの外にいるQBに体当たりしてしまった。それもまさか足を傷めているマホームズが走るとは夢にも思わなかったのだろう。その驚きが不必要な反則をもたらしたのだろう。ともあれ、2週間後のスーパーボウルはイーグルス対チーフスとなった。2週間の休みがある。マホームズの足がどの程度回復するかがポイントになるが、リーグ最強といわれた49ナーズのディフェンスでも、イーグルスのラン攻撃は防げなかった。イーグルス有利という状況は変わらないだろう。夜は著団協の賀詞交換会。3年ぶりにリアルな会合。いつもZOOMの枠の中で顔だけは知っている人々と歓談。著作権というテーマで結ばれている人々なので、いろいろ話すことがあって充実した懇談会になった。
01/31/火
昨日の著団協の新年会で、1月の公用が終わった。1月は文藝家協会の新年会で始まって、昨日の新年会で終わった感じだ。その間、『善鸞』のパソコン上の見直しが完了してプリントし、『光と陰の紫式部』の初校を校正し、『デーヴァダッタ』の構想を練った。免許更新のための認知機能検査をクリアして、実技の予約をとり、眼科検診を無事に終了して、作品社の担当者と打ち合わせをした。これが仕事関係だが、何といってもFootballのトーナメントが始まった。昨日のカンファ決勝。チーフスのサヨナラフィールドゴールは感動した。最後に反則をしたオサイというラインバックが泣き崩れていたのが印象的だった。ロッカールームに引き上げる途中で同僚に批判されるということもあったようだ。しかしロッカールームに入ると、全員の励ましを受けたそうだ。確かにあの反則がなければ延長戦になっていただろう。しかしそれは敗戦に到るステップの一つにすぎない。終了2分前のタイムアウトの時点で、ベンガルズはまだ自陣ではあるがボールをポゼッションしていた。同点という状況でも、あるいは7点差以内で負けている場合でも、ボールをもっている方がイニシアチブをもっている。2分あればタッチダウンが可能だからだ。昨日の試合では同点だった。あと2回ほどミドルのパスを決めれば、フィールドゴールを蹴ることができる。ベンガルズのキッカーは55ヤードくらいならゴールを決めることができる。断然ベンガルズが有利で、チーフスファンのぼくは負けを覚悟していた。しかしそこからチーフスのディフェンスが死にもの狂いの頑張りを見せた。そこには足を傷めたマホームズの奮闘に報いたいというメンタルなものがあったように思われる。バローのパスが1つ決まったのだが、2度目のパスは許さなかった。サードダウンロングの状況で、チーフスの側に策があった。ふだんはディフェンスタックル(4人のラインの内側)の位置にいるクリス・ジョーンズをディフェンスエンドの位置に替えたのだ(4人の左端)。タックルの位置だと、相手のセンターも加わってオフェンスラインが2人がかりでぶつかってくる。そこでクリス・ジョーンズは時々、位置を入れ替わって左端からスタートする。そこなら相手のオフェンスを一人倒すだけでいい。ベンガルスは気がつかなかったのだろう。あっという間にクリス・ジョーンズがバローを倒していた。かなり後退した位置でのパントとなった。パントはすばらしいロングキックでエンドゾーン近くまで飛んだのだが、パントリターンを防御する選手が前進するまでに時間がかかる。キャッチしたのは新人レシーバーのスカイ・ムーアという選手で、よく走った。まだ自陣だが、相手のエンドゾーンから53ヤードほどのところだ。そこからパチェコのランで6ヤード進み、残りの4ヤードをマホームズが痛む足をひきずって前進した。追いかけたオサイはおそらく夢中でマホームズに飛びついたのだろう。マホームズがすでにサイドラインの外に出たことに気づかなかった。あまつさえ最後に手を突き出したので、マホームズは数メートル先まで突き飛ばされた。これは明らかな反則で15ヤード前進となった。この反則がなければ、60ヤードのキックとなるので、もう1プレー、5ヤードほどのパスを決める必要があった。しかもサイドラインの外に出ないとタイムアップになる。結局のところ、チーフスは2分前にボールを保持していながら、サックされたパントに終わったことが第一の原因で、次にスカイ・ムーアのリターンを防げなかったことが第二の原因で、その先にオサイの反則がある。彼一人の責任ではなかったことは誰にもわかっていた。しかもうっかりミスの反則ではなく、夢中で飛びついた結果だ。あえていえば、マホームズのランの可能性に備えなかったコーチのミスだともいえる。ただ歩くこともできなくなっていたマホームズが走るとは、誰も思わなかった。ハイアンクルの痛みは相当に激しいものらしい。しかし勝利を目指して走っているマホームズには痛みなど感じられなかったはずだ。アドレナリン全開という状態だったのだろう。ともあえぼくの30年にわたるFootball観戦の中でも、ベストといえる感動的なフィナーレだった。もっとも昨年の準決勝のビルズ戦で、残り13秒から同点に追いついた試合もすごかったが……。マホームズ伝説はまだこれから先もある。2週間後のスーパーボウルに期待したい。
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