| バンコクロマンチック旅日記 vol.1 |
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という訳で、ログをふっ飛ばしてしまった「バンコク旅日記」を復活させるべく、 頑張るバカ猫。あの、ろまんちっくな夜を再現すべく…さてどうなるか。 ○1日め 下条さんと成田で待合わせをしたバカ猫は、横浜からでている中華航空の無料シャトル< バスに乗る為、朝四時に起きる。バス乗り場まではA氏が車で送ってくれるという話しになっており、非常に気持ちは楽である。外が雨降っているという以外は。 大体、この旅行自体先週にいきなり下条さんからの連絡で決ったもので、出発日までえらい揉めたのである。エアーは高いわ、安いエアーは売りきれているわ、しかも帰りの便は抑えられないわ、そこら中の旅行代理店に連絡しまくったあげく、HISですんなり予約が可能となったのに取り敢えずほっとする。んが、今度はホテルが取れない。初日と最終日の予約が取れないので、どーするか悩む。今回の旅行では交通の便がいい場所が良いと判断し、下条さんに相談して、ホテルのHPから直接予約を入れた。 予約回答のメールを待って、更にホテルと交渉する。ラチがあかないので現地まで電話する。んでもって予約係と電話で喧嘩して、いきなり切られるというムカツク事があったのだ。なんだこのやろー!と初手からむぅなのである。 でもタダでは済ませないバカ猫はにゃんとかホテルを初日から最終日まで確保した。 一泊2名で8,300円(朝食付き・税込み)お安いのである。ここでまず一安心する。 さて、前日は雑文も書いた、思い残すことはにゃいと荷物を詰めつつ、さりげなく勝負パンツを入れる事も忘れない。だってねー、下条さんと二人きりで6日間よ、6日間。 何かあってもいいかもしれない6日間♪こうなると下着選びにも力が入るものだ。 やはり下条さんは大人の魅力よりもちょっと可愛い感じがいいかも〜にゃどと考えてふんふん鼻歌を歌いつつ詰め終わる。時刻午前2時30分。出発2時間前に詰め終わるバカ猫。 当然、寝不足である。寝不足でお肌はがさがさである。慌ててぺたぺたと化粧水を塗ったくって取り敢えず仮眠。 きちんとお迎えの来る時間には用意を整え、いざ出陣。んが、バス乗り場がわからずぎりぎりまで迷い続ける。送ってくれたA氏はすでに涙目で 「ごめんよーごめんよー。いざとなったら成田まで送るからさ〜」 とか言って真剣に探してくれた。…もっともその目の前をバスが通り過ぎたので問題はあっけなく解決。もちっとわかりやすいところにしてくれ、中華航空よ。 バスの中ですかぴーと寝て、成田へ到着。途中パスポートの検問があったけど難なくスルー。ふっ、こんなところで掴まるすぱいではない<それキャラ違うって 久々の成田空港、おお夏以来だわ〜と荷物をガラゴロと引っ張りつつ下条さんを探す。最初見つからず、おろおろするバカ猫。困って電話をかけようと振り向いたら下条さんが優雅に壁にもたれかかりながら、成田空港の案内を見ていた。…何故わしに気がつかないのですか?下条さん。わしを探す気がありましたか?下条さん、と聞きたいのをぐっと堪えて明るい笑顔で御挨拶する。なにせこれから6日間も一緒だし。ほら二人きりだし♪ なのに下条さんは暗い顔なのである。文句あるのか?何でですか?と小一時間問いただそうかと身構えたところ、下条さんが一言。 「私、昨日から風邪がひどくなって…げほげほっ」 「大丈夫ですか?下条さんのために抗生物質をしっかり持ってきましたから!」 「それはありがとうございます。ではいきましょうか?」 「はーい。宜しくお願いします♪」 …文句言えませんでした。だって下条さんてば苦しそうだったんですもの。 もっともこの事は後々になって言った方がよかったとちと思うようになる。 航空券を受取り、荷物を預け、税関を通って成田空港内に直行する。 途中の免税品でお約束のタバコ3カートンとシャネルのチークと口紅をゲットするのは基本だ。勿論、買ったタバコをその場でばらすのも基本だ。箱は邪魔臭いだけなのだ。お誂え向きに下条さんはでかいデイパックを背負っている。荷物を詰めても文句いわれ無さそうだ、と判断してどかっと渡す。下条さんは風邪で弱っているせいか、よろよろと言われるがままに荷物を受け取ってくれた。うふふ、弱っている弱っている。これなら腕ずくでどーにかなりそうだわ、とか考える。バカ猫は常に姑息に動く事が基本になっている。下条さんをあっちゃこっちゃに引きずり回し、体力を奪いつつ飛行機に乗り込む。席は前の人がいないのでのんびり足が伸ばせるというベストな場所であった。だが、窓際の席がいつまでも空いたまま。どーせなら寄っ掛かって眠りたいのでその旨スチュワーデスさんにお伺いすると、 「こちら非常口の近くとなっておりますので、上空にあがりますと寒くなりますが…」 速攻でお断りする。だから人がいないのか。てか、人がいないとわしが寒いってことよね?やってくれるじゃねーか中華航空よ。横で下条さんはすでに青い顔してだらーんと程よくたれている。大丈夫なのか、下条さん。バンコクで生きていけるのか?と心配しつつ、中華航空のうんまいご飯を堪能して、その上だれーんとしている下条さんのデザートを奪い取る。いやー、バンコクには6回行っているけれど、中華航空の機内食が一番うまかったです。もしかして、墜落率が高いから最後の晩餐になるかも…と気をきかしてくれているのかもしれぬ。ま、うまかったし、揺れずに台北までたどり着いたのでよいよい。 問題は台北で起った。蒋介石空港と言うらしいと下条さんがよろよろになりながらも解説をしてくれる。なんてーか、中国圏に入ると妙に下条さんがうきうきしているよーに思えましたが気のせいでしょうか?歩き疲れたので空港内の喫茶店で休む事にする。いきなりビールはなんだなぁ〜と思って可愛らしさをアピールする為、プラムジュースを頼んだ。店員が冷蔵庫を開けて、グラスに茶色い液体をそそいだ…辺りから怪しい雰囲気を感じる。日本円で600円払い、空いている席に座り込み、どうみても怪しい液体を飲んだ。 一口飲んで全身の毛が逆立つ。おいこら、これは薫製液じゃねーのか?涙がでるよ、なんだこれはぁぁぁぁぁ!!!!と口をもふもふさせて涙目になるバカ猫。 シャレにならんまずさなのである。思わず下条さんのビールを引ったくって飲んだくらいまずいのである。てか、ビールの味がわからんくらいだったり。 下条さんが不思議そうな顔してジュースを取り上げて一口飲む。段々顔色が青ざめてくるのがわかる。大丈夫ですか?病中にこんなもん飲んで…と言いかけるが、やはり弱った獲物を頂くのは狩の基本と考えて、更に飲ませようとするが下条さんは逃げた。ちっ。 悔しいから写真だけ撮影して、やさぐれるバカ猫。だってさーコーラよりも高い金だしたんですぜ?300円だして薫製ジュースを飲まされるなんて酷いわぁ、台北空港よ。 ジタバタ暴れつつ、時間が来たので薫製の香りで溢れた胃をよろよろと押えながら一路バンコクへ向かった。途中の機内食がうまかったので救われたが、あにゃいにまずいもの飲んだことは今だかつてない気がする。 ってことで、無事バンコクへ。すったかたーと下条さんを後ろに従えてタクシーチケットを購入する。空港内はそうでもなかったが、外にでたら目茶苦茶暑い。面倒でダウンジャケットを脱がなかった事を後悔するバカ猫。タクシーに乗り込んで速攻で脱いだけど、汗で張りついて大変でした。持ち歩くのも嫌でした。ぶいぶい思いつつ、何故か車が空いていて簡単にホテルにたどり着く。荷物を下ろしてお金を払う。280バーツ(チップ込)。ホテルのチェックインは男性の仕事だから〜と下条さんに押しつけてみる。 いつもはバカ猫自身がやるのであるが、今回は野望があるので下条さんに押しつけたのだ。ただチェックインが終わって下条さんのもっている鍵を見てぶっ飛んだ。 パドゥモアン・プリンセス(今回宿泊したホテル)は何度か泊った事があるのだが、20階以上はデラックスルームなのだ。で、下条さんが持っている鍵をみると「2811」と書かれている。このホテルは29階建なので最上階の一つ下になるのだ!!!おお、すんばらしい。下条さん、どうやって交渉したのですか?と伺うと、にっこり微笑んで答えない。きっと裏でバーター取り引きをしたに違いないと推測するが、笑顔が怖いので黙る。そのまま二人でエレベータで部屋まで。旧式の鍵でガチャチャと開けたら、案の定セミダブルベッドの広いお部屋♪景色もいいし、文句なしであった。 しばし、ごろんごろんと荷物の片づけなぞしつつ、晩ご飯の算段をする。 取り敢えず、風邪をひいている下条さんの体調を考え、近くのマッサージ屋に連れていく事にする。長時間の飛行機で身体が強ばっていると思ったのだな。おお、優しいバカ猫。ま、自分も疲れていたのとクーポン券で割引が効くというのが大きかったけど。 マッサージの腕も悪くなかった、会計の時もチップを要求されなかった…というのは建前。下条さんは「チップは払わなくていいの?いいの?」と何度も私に聞いてくるのを、 「うん、いらない。払っちゃだめっ!」と制して店を出る。 実はマッサージをしてくれた人がちっぷぅーと言う目で見ていたのだが、シカトしたのだ。タイではマッサージが一番お金を稼げる手段である。大体、そこに何人かマッサージ師さんがいて、人が来たら順番にその人たちに割り当てられる。んでもって、マッサージをする。客の払ったお金の8割は店の取り分らしい。残りの2割がマッサージ師(大抵女性)の取り分になる。タイでは一日の平均労働単価が260バーツ(日本円で700円くらい)である。今回受けたマッサージは270バーツなので、その二割というと54バーツとなる。一日に5人ほどマッサージを受けたら大体一日の労働賃金になるのだ。その為客引き戦争が大変であるが、観光客が多いところではもうかるのである。 そのような背景があるので、バカ猫はチップを払わない。タイに一歩足を踏み入れた時からバカ猫の金銭感覚はタイ仕様になるのだ。20バーツ(60円)だって大金さっ! このけちっぷりが下条さんを脅えさす事になるのは後の話しである。 取り敢えず、日本にも支店があるコカレストランで700バーツ弱のディナーを食べ、帰り道の屋台でコンデンスミルクたっぷし、粉砂糖山盛りのタイ版kasumi教祖仕様デザートを食べて、大量のビールとミロを購入しホテルに帰ったのであった。 ホテルに着くなり、下条さんに日本から持ってきた強力風邪薬を酒で飲ませ、バカ猫もお薬を服用し、下条さんから借りた北朝鮮の本を抱えつつ、夢の中で北の国へ旅立ったのでした。 ……この日はさすがに下条さんに手を出せず。聖なる一夜となったのでした…続く。 |