カベルネ・ベネト 赤

ラベル

産地:イタリア、ベネト州 年代:?
購入:ベルーナサンキュー福袋 価格:6本3939円
購入日:2001年1月21日 飲用日:2001年1月23日
いっしょに食べたもの:馬刺、スパゲティカルボナーラ(クリーム抜き)

 Cabernetはカベルネ種の葡萄を使用、Venetはベネト州、という意味らしい。日本風に言えば「灘の銘酒」みたいなもんか。だから普通はこの後ろに醸造者名をつけて、「カベルネ・ベネト・バンビーロ・カサノバ」みたいに表記するらしい。しかしこのラベルにはそんなものどこにもない。
 VINARTEが人名かと思ったのだが、これはイタリア語でワインを指す、ような気がする。いや待てワインはvinoではなかったか。
 あと残されたのはIndicazione Geografica Tipicaという文字だが、なんかラテン語っぽいこれは、「代表的地域を表示」とでも訳すのだろうか。 実はこれがワインの階級表示で、I.G.T.と略される。最上級ワインはD.O.C.G、その次のクラスがD.O.C。このふたつのクラスは、地域、葡萄園、品種、醸造方法などなど厳しい基準が設けられ、それを表示する義務があるらしい。I.G.T.となるとその下で、これは地域名を表示するだけでいい。さらにその下のV.d.Tとなると、地域名も不要で、ワインでありさえすれば固いことはいわないそうだ。ちなみに前に書いたモラモラはこのクラス。
 要は出身園を名乗るほどのこともない宿無しのイタリアン。ワイン無宿。江戸時代のヤクザが、「よう常陸の」「なんでい上州の」と、国の名前だけで呼び合っていたようなものです。もっと上等の人間になると、「そちら、武州堀田様ご家中の剣術指南役、天川伯耆介典膳どの」と、いろいろ注釈が必要となってくる。ヤクザ以下の奴隷とか被差別人間となると、出身地もなにもなしでただ働かされる、というわけだ。イタリアのワイン界にも江戸時代のごとき階級制度があったのですな。
 コルクはすかすかしてもろい。折れないよう気をつけて開けると、安ワインにしてはかなり強烈な香りが。干しぶどうの香り。色は濃く、ややくすんだ暗紫色。
 口に含むと甘、酸、渋、この三味が強力な共同戦線で攻撃をかましてくれる。強烈なハーモニー。やや甘味が主体か。舌の先にわずかに炭酸の刺激があって、最後に辛口のブルーベリージャムチョコレート(そんなものあるのか)のような後味をのこす。おろしニンニクの味すら洗い流す強烈な味だから、青カビチーズなどの強烈な味やニンニクチーズのような生臭さにも、立派に対抗してくれそうだ。

また買いたいかな度:4/5 勝手に値付け:二千〜三千円


戻る